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カテゴリー:境内整備
墓地参拝用モノレール「まいれ~る」が運用開始から丸4年経過し、5年目へ入りました。
■開通時のブログ記事→ 貞昌院モノレール9月6日開通
今のところ不具合も無く、毎日継続して運航しています。
安全に運行するためには日常の目視点検も欠かせません。
特に、駆動部分の油管理は大切です。
グリスや潤滑油の量が適正かどうかを目視点検します。
その他、2~3か月に一度ほどは洗車とガラスコーティングを行います。
特に今年の夏は厳しい日差しと強い風雨というシビアな環境にさらされています。
日中の陽射しはようやく和らいできました。
秋の気配もだんだん色濃くなってきています。
立秋もすぎ、暦の上では秋の訪れとなる時節ですが、まだまだ厳しい残暑が続いています。
八月盆を迎えていますが、境内の墓地参道入口、モノレール乗場付近にミストを設置してみました。
井戸水を散水しています。
ミストは常設ということではありませんが、暑い時間帯にはできるかぎり運用していきたいと考えております。
今日も熱中症警戒アラートが発出されております。
暑さ対策は万全に御願いします。
暑さだけではなく、台風の動向も心配されるところです。
お盆明けには関東地方にかなり影響が出るかもしれません。
気象情報には注意したいものです。
一昨年のブログ記事 墓地参道道路標示更新作業 で行った道路標示が、経年劣化のため20%くらいの文字が劣化してしまっています。
太陽光の紫外線による影響が大きいようです。
そこで、道路標示の修復を行いました。
劣化した文字を路面から剥がし、
路面を清掃してプライマーを塗ります。
(今回は多めに塗っています)
バーナーで熱し、路面に定着させて完了。
定期的に状況をみて、文字を更新していくことが必要なようです。
以前、ブログ記事で 葛・ヤブカラシ対策 を書きましたが、葛対策の冬編です。
葛は多年草なので、放っておくと葛根(地下根)がどんどん大きくなり、また、茎が太く何本も枝分かれしていきます。
夏の間は、茂みにの中で見つけにくい根本の部分は、冬の間に見つけておき、対策をしておくことが必要になります。
夏・冬の対策をすることで、概ね根絶することができます。
裏山の奥でこのような太い葛根を見つけました。
夏の間、高木を覆っていて気になっていたのですが、夏の間は見つけることが出来なかった葛根です。
葛対策にはイマザピルを主成分としたケイピンエースもあるのですが、値段が高めなことと、キリなどで穴を開けて薬剤を注入しないといけないため、グリホサート系の除草剤(ジェネリックの安価なもの)を使用しています。
通常は数十から百倍にして使用するのですが、この切口に原液のままハケで丁寧に塗ります。
(使用量は原液数CCで十分です)
切口だけでなく、葛根に鋸で切目を入れてそこにも薬剤を塗っておきます。
葛はとにかく生育力が旺盛なので、定期的な経過観察と対策が必要になります。
貞昌院に隣接する永谷天満宮では、境内整備として駐車場の拡張工事が進められています。
擁壁の型枠が外され、土と砕石で埋め戻されました。
地盤の高さが調整され、アスファルトで舗装される予定です。
以前と比べて、駐車場がかなり拡張されていることが判ります。
6月30日には夏越の大祓の神事が行われる予定です。
こちらは大本山總持寺の向唐門前。
桜の木にはすっかり深い緑の葉が広がっています。
仏殿の耐震工事は令和6年の瑩山禅師大遠忌行事に向けて進められています。
それまでの間はこのように仮設屋根とシートに覆われています。
墓地参道に、墓地区画を示す表示を路面にしています。
これまでは、ペンキで表示していたのですが、直射日光などによる経年劣化が見られるため、見やすい表示に更新しました。
永く表示が持続するように公道のライン表示でも使われる「熱溶着タイプ路面表示材」を使いました。
アルファベット表記する場合、既製品のアルファベットは、1文字千円程度する高価なものなので、汎用的に販売されている「熱溶着タイプ路面表示材」の「ラインタイプ」から切り出してさくせいしています。
ラインタイプだと、幅15cm×5mで二千円もしないので、とてもリーズナブルです。
アルファベットの文字を作っていきます。
ワイヤーブラシで路面を清掃し、プライマーをかけます
バーナーで熱溶着し、路面に定着させます。
これで、向こう10年間は大丈夫でしょう。
貞昌院墓地参拝用モノレール「まいれ~る」の日常メンテナンスとして、グリスアップと潤滑油の給油があります。
グリスアップは、駆動装置の可動部分にグリスを補給するもので、月1回のペースで行います。
潤滑油は、年に1、2回程度。
これは、モノレール走行中に、レール上面に滴下していくためのものです。
通常の鉄道(粘着式鉄道)の場合は、車輪とレールの間の摩擦力によって加速したりブレーキをかけるため、レールの上に油を撒くことは厳禁です。
しかし、ラック・アンド・ピニオン式で急勾配を昇る「まいれ~る」の場合は、レール面が適切に潤滑油が塗布されている状態を保つことが必要になります。
レール上面には、出光製の「ダフニー ビオスハイドロSE」を用いています。
この潤滑油は、環境に優しい合成エステル系生分解性作動油であって、地面に落ちたとしても、生分解されて環境に影響を及ぼしません。
1.用途 屋外で使用される各種油圧装置の生分解性作動油として使用します。
2.本質 高品質の合成エステルに、酸化防止剤をはじめ各種添加剤を配合した生分解性作動油です。
3.特徴
(1) 優れた生分解性を有し、エコマークの承認も得ているため、環境に優しい製品です。
(2) 植物油系生分解性作動油と比較し、優れた耐酸化安定性を有しています。
(3) 粘度指数が高く、幅広い温度領域で使用できます。
(4) 鉱物油系作動油と同様の廃油処理が出来ます。
(5) 引火点250℃以上を有するため、危険物から除外され、可燃性液体類に分類されます。
(6) 環境対応作動油として、NETIS(新技術情報提供システム)に登録済みです。
まるで蜂蜜のような、粘度指数の高い油です。
車両側面の給油口から給油します。
走行中、レールの上に潤滑油を滴下していきます。
表面の油の様子がわかりますでしょうか。
貞昌院の参詣者用駐車場から山上墓地墓地を結ぶ墓地参拝者用のモノレール設置工事進捗状況です。
これまでのブログ記事
墓参専用モノレール設置工事(1)
墓参専用モノレール設置工事(2)
墓参専用モノレール設置工事(3)
墓参専用モノレール設置工事(4)
墓参専用モノレール設置工事(5)
墓参専用モノレール設置工事(6)
墓参専用モノレール設置工事(7)
■試運転
工事もいよいよ大詰め。試運転の段階に入りました。
数日間、運転と調整を行い、次の日曜日には運用開始できる見込みです。
貞昌院の参詣者用駐車場から山上墓地墓地を結ぶ墓地参拝者用のモノレール設置工事進捗状況です。
これまでのブログ記事
墓参専用モノレール設置工事(1)
墓参専用モノレール設置工事(2)
墓参専用モノレール設置工事(3)
墓参専用モノレール設置工事(4)
墓参専用モノレール設置工事(5)
墓参専用モノレール設置工事(6)
■車両設置工事
工場で制作された車両が搬入されました。
まず、台車部分(車輪と動力部分)がレールに設置されます。
そして台座の上に本体部分が乗せられます。
給電線が接続され、まもなく試運転の段階に入りました。
ほぼ完成。全体の姿が見えてきました。
貞昌院の参詣者用駐車場から山上墓地墓地を結ぶ墓地参拝者用のモノレール設置工事進捗状況です。
これまでのブログ記事
墓参専用モノレール設置工事(1)
墓参専用モノレール設置工事(2)
墓参専用モノレール設置工事(3)
墓参専用モノレール設置工事(4)
墓参専用モノレール設置工事(5)
■モノレール軌道設置工事
基礎工事がおわり、九州の工場で製作されたレール部材が搬入されました。
13トンラフタークレーンによって部材が積み下ろされ、順番に設置していきます。
線路わきに、非常用階段が設置されます。
乗場の防護柵と電源盤を設置して、詳細な調整が行われます。
来週車両が運ばれ、レールの上に乗せる予定です。
それにしても連日暑い日が続きますね。体調管理には十分留意したいものです。
貞昌院の参詣者用駐車場から山上墓地墓地を結ぶ墓地参拝者用のモノレール設置工事が進んでいます。
これまでのブログ記事
墓参専用モノレール設置工事(1)
墓参専用モノレール設置工事(2)
墓参専用モノレール設置工事(3)
墓参専用モノレール設置工事(4)
■モノレール軌道下部参道コンクリート舗装工事
お盆明けになり、山上墓地への参道(歩行者用通路)の舗装工事が始まりました。
傷んだ古いコンクリートが取り払われ、路盤のクラッシャランが敷かれます。
来週・再来週は、一番大きな工程(レールの据え付け、上下駅の設置)が行われます。
9月の竣工までは、工事車両が境内に停まっていることもありますので、お参りの際はどうぞご留意ください。
貞昌院の参詣者用駐車場から山上墓地墓地を結ぶ墓地参拝者用のモノレール設置工事が進んでいます。
これまでのブログ記事
墓参専用モノレール設置工事(1)
墓参専用モノレール設置工事(2)
墓参専用モノレール設置工事(3)
■モノレール下駐車場乗り場土間コンクリート打設
■モノレール山上乗り場コンクリート打設
上下乗り場のコンクリート打設が数量しました。
8月のお盆の休耕期間に入り、8月17日から工事が再開します。
9月の竣工までは、工事車両が境内に停まっていることもありますので、お参りの際はどうぞご留意ください。
墓参専用モノレール設置工事(1) の続きです。
モノレール設置の基礎工事と同時進行で、線路・プラットホーム・車両製造をすすめている工場に行ってきました。
工場制作の部分はほとんど完成しているので、その検収が目的です。
工場は、かつて日本の高度経済成長をささえた九州の鉱山跡地にあります。
坑道内の輸送装置から派生して、現在では人や物資を運ぶ運搬装置の製造を行っている会社です。
貞昌院墓参専用モノレールで使うプラットホーム、避難用階段、レール部品なども出来ています。
車両もほぼ完成しています。
駆動方式は、ラック(歯竿)・ピニオン(円形歯車)方式で、35度の傾斜も安全に上り下りの運行が可能です。
※車両はテストレールに乗っています。
配色は、国鉄スカ色の色を参考に、表面は青15号、内面はクリーム1号としました。
7月中旬(予定)の基礎工事が終わった段階で運搬し、設置据付けが行われます。
貞昌院の参詣者用駐車場から山上墓地墓地を結ぶ墓地参拝者用のモノレールを計画しています。
新型コロナウイルスによる影響で、工事の開始が遅れましたが、ようやく測量、実施設計を経て6月下旬から基礎工事工事が始まりました。
↑写真下中央の階段脇にある廃油回収ボックスのある場所に、乗降口を設け、山上墓地までを結びます。
工事期間は8月上旬までを予定しています。
その間、工事車両が墓地参道の階段部分に止まっており、土木工事も進行するため、工事作業中は一部通行止めになります。
(墓地の参拝には支障がないようにいたします)
工事期間にお参りの方は、案内に従い、基本的に階段右側の車路(坂道)からお参りいただきますようお願いいたします。
本堂前の天水桶(てんすいおけ)が経年による泥と落葉が詰まっているため、清掃を行いました。
天水桶とは、江戸時代に普及し始めた、日本の伝統的な屋根の雨水を集めて貯める雨水タンクのことです。
寺院の本堂は、屋根面積が広いため、その分大容量なものが必要となります。
境内の高木からの葉が蓄積すると、泥の排出が困難になってしまうため、定期的な清掃が必要になります。
今回は石材店様のご協力をいただきました。
永年蓄積した泥がきれいに除かれました。
枯葉が入らないように金網をして、清掃終了。
これで、しばらくはきれいな状態が保たれることでしょう。
山上墓地区画の新区画整備およびそれに伴う通路舗装工事を行っています。
場所は下写真、赤線の部分。
駐車場から永代供養墓地・緑陰苑(りょくいんえん)に続く通路をコンクリート舗装通路として整備しています。
通路の側面は、ご夫婦・個人で利用いただける個別型永代供養墓地の区画となる予定です。
→→
土の表層を掘り下げて、砂利を敷き突き固めます。
その後、型枠を設置し、鉄筋を配置します。
→→
コンクリート打設。
下写真↓は反対側(緑陰苑)から見た工事前とコンクリート打設後の写真です。
この通路が出来ることによって、永代供養墓地・緑陰苑へのお参りがしやすくなります。
また、最近ご希望の多いご夫婦・個人で利用いただける個別型永代供養墓地をこの通路の脇に配置いたします。
個別型永代供養墓地につきましては、また後日ご案内の記事を追記いたします。
銀杏(イチョウ)の木の剪定作業が始まりました。
境内には2本の横浜市指定名木・銀杏があり、そのうち本堂側にある1本を本年度に剪定することになりました。
銀杏の木は枝の成長が早く、十数年おきに剪定を行って樹形を整える必要があります。
昨年、一昨年は台風で枝がだいぶ折れて落下してしまいました。
樹高が高いので、大型クレーンを使用する大掛かりな剪定作業です。
作業の様子をタイムラプスで撮影しました。
夕方には選定作業が九分通り終了。
翌日に最終仕上げと切口への薬剤塗布を行います。
数年間は、枝が無くなりさっぱりした姿になり、ギンナンの実もそれほど成らなくなりますが、数年後にはまた立派な樹形をみせてくれることでしょう。
山門側の銀杏の木は、少し間隔を開けて剪定を行う予定です。
檀家さんに利用いただいている客殿・東司(とうす=トイレのこと)の男子用小便器が古くなってきたので、新しい小便器と交換しました。
通常、小便器の交換となると、かなり大がかりな工事になるのですが、今回は今後のメンテナンスも含めて構造を確認する意味でDIYで行ってみました。
※給排水管の位置変更の必要がないためDIYでできました。
これまでの小便器がこちら。
皆様にきれいに使っていただいていることもあり、便器自体は綺麗なのですが、トラップ部が床面ぎりぎりに設置されており、この部分の痛みが激しくなっていました。
また、ガスケット部分(排水口とトラップ部分の目地シール)もかなり劣化しているようなので、新しいタイプの小便器に交換することとしたのです。
給水フラッシュ栓の位置は壁から75mm、排水口の位置は壁から180mm。
この寸法に合う新しい便器としてLixilのU-331RMにしました。
排水トラップは床面から10センチほど上に来ますし、トラップが陶器製なのでメンテナンスも簡単です。
交換予定の機種はそのまま付けられることがわかりました。
これさえ確認しておけば、あとは簡単。
既存の小便器の取り外し。
これは給水バルブの水を止めて、レンチでボルトを外せばOK。
便器を手前に倒す形で外せます。
(ただ、重量があるので、運び出しは2人いたほうがいいですね)
便器を取り外した後、従前のシーリングをハツって平らにします。
排水口に排水フランジと排水ソケットを取り付けます。
この際、ガスケット、シール材を用いて、しっかりと付けることが大切です。
小便器のトラブルの大半は、たいていこの部分の施工不良か、部材の劣化による水漏れのようです。
排水ソケットの上に、新しい小便器を重ねます。
ここにもシール材をきちんとつけ、両者を密着させます。
そして、既存のフラッシュバルブに接続。
壁・床と便器の隙間にシリコンシールを充填して密閉します。
これで工事完了。
実質半日の工事でした。
実質工事費
小便器 Lixil U-331RM 約2万円×4=約8万円(ネットより調達)
シリコンシール材 200円×4本
小便器処分 約3千円
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さて、お寺では、トイレのことを東司(とうす)と呼びます。
修行道場での七堂伽藍の一つに東司を位置づけており、道元禅師は『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』にて日常の作法、トイレの作法についても定めています。
「東司で大小便をするにあたり、まず汚れを取り除いて貧・怒・痴を省みて無くします。水を使う時も貴重で大切な水であると心得ます。水を以て汚れを除く時、純粋な心を保ち、無垢清浄を保ちます。水を以て手を洗うことにより、清らかな手で、仏の教えを保ちます」
(『正法眼蔵』「洗浄」巻・意訳)
身をととのえることは、心をととのえることである
ということで、これからも東司をきれいに使っていただきますよう、よろしくお願い致します。
貞昌院の客殿は築50年ほどになります。
建築当初は畳敷きの広間でしたが、10年前に机ー椅子に対応できるよう畳からフローリングに改修しました。
⇒客殿工事進捗状況
このたび、さらに冬場の快適性を向上させるために、床暖房設備を導入することといたしました。
(畳からフローリングに改修した際に、段階的に床暖房設備を設置できるよう設置スペースは予め設けてあります)
ということで、今週から工事が進行しています。
床暖房については種々検討し、灯油による低温水式床暖房としました。
また、
・現在のフローリング床(畳から改修)の、大引き、根太、構造用合板は従前のものを流用
・床暖房設備を根太の間に追加
・表面のフローリング材は新しいものと交換する
という、必要最低限の設備追加を行います。
そのため、工事期間も短くて済みますし、費用も抑えられる。また床のレベルも変化なく仕上げることができます。
現状のフローリング材と構造用合板を外したところ。
根太の間に敷き詰めている断熱材は撤去します。
断熱材を新しく交換。真ん中にパイプを通すための溝が設けられています。
新しく設置する床暖房パネルを裏から見たところ。
温水を流す銅管と、その熱を伝える放熱板がセットになっています。
既存の構造用合板を戻します。
今日の作業はここまで。
この後、構造用合板の上にフローリング材を敷き詰めていきます。
(続く)
寺院の伽藍(境内建物)は歴史的に古いものが多く、電灯線の配線も何十年も前のものをそのまま使用している事例も多いはずです。
しかし、老朽化、経年劣化などで次第に抵抗値が下がっている状態にあるとしたら、とても危険です。
特に電灯線の配線時接続部分のチェックは必要だと思います。
先日太陽光発電設備の増設を行った際に、ちょうどよい機会だったので全体をチェックしていただき、古い部分を改善していただきました。
電灯線の結び目を単にビニールテープで巻いて処理をしている部分も何箇所かありましたので、新しいコネクターと配線カバーを取り付けます。
このように綺麗に施工していただきました。
↑写真の白矢印に見られる碍子(がいし)は、貞昌院では50年前まで使用されていた「碍子引配線」の名残りです。
「碍子引配線」は、戦前には当たり前に使用されていた屋内配線の方法で、布を巻いた銅線を(この銅線は絶縁性が完全ではないため)、碍子によって柱から数センチ離して配線するものです。
(「碍子引配線」が現在も使われているのであれば、雨漏り等により漏電が懸念されるので、早急に最新の絶縁性能が高い電灯線に変えたほうが良いでしょう)
電気関係は目に見えない部分なので、特に留意してこまめな点検と必要な更新作業を怠らないように心がけたいものです。
昨年、檀信徒参拝用の境内駐車場の整備を行い、芝生駐車場区画を設けました。
工事の様子はこちらです。
駐車場整備工事(完工編)
芝生養生中
半年経過した芝生駐車場は、現在このように青々と芝生が育っています。
轍の部分についても、多少の「擦り切れ」が見られますが、新緑のシーズンを迎え、芝生は生育期に入っていますので数日経つと芝生が復活します。
昨年の夏はここ数年の猛暑の中で特に暑い年でした。
日本各地で観測史上最高気温を更新したことも記憶にあたらしいことです。
駐車場は、メンテナンスの容易さからコンクリートやアスファルト舗装が好まれますが、その反面太陽熱の40%を反射して周囲の温度を上げ、50%は舗装路面に蓄積されます。
蓄積された熱は夜に放出され、熱帯夜の原因になります。
芝生駐車場のメリットとしては
●環境への効果
・吸音効果
・夏季の気温低減(ヒートアイランド低減)
・1㎥当たり保水性60リットル、雨水浸透能力1㎡たり50リットルが期待できる。
などなどが挙げられます。
今後も芝生駐車場の経過を見守っていきたいと思います。
2月中旬より進められている貞昌院境界法面の石積み工事が終盤を迎えています。
これまでは自然勾配の畦畔地でしたが、石積みにより平らな部分が広がり、境内の使い勝手がかなり良くなりました。
公道との境界も、境界石で明示されました。
春彼岸にお参りの際には、是非新しい石積みを御覧ください。
この部分は、かつて公道に面する法面であり青地(畦畔)でしが、時効取得により境内地に繰入れることができました。
高低差が2メートル近くありますので、併せて石積みを行い、整備をすすめています。
■関連ブログ記事
青線を無くす闘い
時効取得保存登記完了
法面石積工事の進捗状況
2月中旬より、貞昌院境界部分の法面への石積み工事を進めています。
この部分は、かつて公道に面する法面であり青地(畦畔)でしが、時効取得により境内地に繰入れることができました。
高低差が2メートル近くありますので、併せて石積みを行い、整備をするととしています。
■関連ブログ記事
青線を無くす闘い
時効取得保存登記完了
工期は、春彼岸入りまでの予定です。
桜の季節には整備が完了している見込みです。
貞昌院墓地のうち、薬師墓地(上永谷駅側)の参道入口の法面工事を先に行なっています。
薬師墓地は、貞昌院創建時(天正年間)からある古い墓地です。
貞昌院下之坊もこの近辺に位置していました。
施工はO石材様にお願いしています。
石積のための石たちが運び込まれてきました。
↓こちらが施工箇所です。
上に大きなヤブツバキの木がある法面が、崩れかけてきておりましたので、石積みによって整備していきます。
秋彼岸までには、墓地入口参道が綺麗に整備されますので、今しばらくお待ちください。
入口に設置する看板のデータも作成しました。
貞昌院の裏山は横浜市の緑地保存地区に指定されています。
この緑地は横浜市営地下鉄ブルーライン線路に隣接しており、樹木の成長に伴い境界のフェンスを越えるようになりました。
フェンスの先は地下鉄地上区間の切通しになっていて、そこに列車がが頻繁に行き来しています。
万が一、枝が折れて線路敷きに落下してしまったら大きな影響を及ぼすことになるでしょう。
例えば、昨日の積雪において、雪の重みで竹が線路に倒れた影響でJR成田線が成田・銚子間で4時間ほど運転を見合わせています。
風雪の影響をまともに受けるこの場所では、同様の事故が起きないとも限りません。
緑地の管理は大変です。
環境を維持するためには経済的な負担も伴います。
貞昌院の山は緑地保存地区に指定されていますので、今回は、横浜市の平成24年度樹林地維持管理助成金を利用させていただきました。
この助成金は、公衆道路等一般の利用に供されている箇所への越境が認められ傾斜、枯死等により荒天時などに倒れる恐れがある樹木の剪定の費用などを対象とした助成金です。
助成を受けるためには詳細な申請書と作業報告書を提出しなければなりませんが、作業費用の大部分を助成いただけるのは有難いことです。
先週末から作業が始まりました。
対象樹木の一つ、サクラは、既に折れてしまっているものもあり、緊急性も高くなっています。
横浜市交通局の立会いの下、列車が行きかう合間を見ての作業となりました。
ここ数日強風や雪のため、日数がその分伸びてしまいましたが、条件が悪い危険な現場を慎重に作業を進めていただきました。
作業はあと2日ほどかかる見込みです。
↓一枚目の写真の場所はこのようになりました。
完了すれば、当面は安全が確保されることでしょう。
・地域コミュニティー戦略
・シックハウス対策
この2つを主眼とした取材を受けたものが、今月号の雑誌に紹介されました。
雑誌といっても、一般読書向けというものではなく、1つは「供養業界のためのビジネス情報誌」もうひとつは「寺院向け実務誌」という、いわゆる業界誌です。
『月刊仏事』9月号
5ページに亘り、インタビュー形式でお話させていただいたものが記事となっています。
内容は
・寺院概要
・環境に対する取り組み
・地域貢献活動
・寺院運営について
・これあkらのお寺に求められるもの
といったものをまとめていただいています。
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『寺門興隆』9月号
お寺のシックハウス対策として、貞昌院で提示している「寺院におけるシックハウス対策」について取材を受けて、それが掲載されたものです。
シックハウスというよりは、「シックテンプル」対策ですね。
たまたま同時期に発刊となった業界誌に掲載された記事のご紹介でした。
このような業界誌があるということは、トリビアネタになるかも知れませんね。
貞昌院客殿の窓から見える庭園には藤棚があります。
花の時期を終えると、藤の蔓がぐんぐん伸びていきます。
あまりに伸び放題に伸びるので、グリーンカーテンとして利用することにしました。
客殿と庫裏のベランダの間を、ほぼ水平にネットを渡します。
グリーンカーテンというよりはグリーンルーフですな。
そこに、伸びている蔓を這わせてあげます。
これから本格的な夏を迎えるまでに、ここが緑に覆われていくことでしょう。
梅雨明けも間近でしょう。
いよいよ、今年から貞昌院太陽光発電設備からの電力をグリーン電力として活用することとなりました。
太陽光発電設備の工事を行っていただいた(株)スカイテック様の会議室で行われたグリーン電力発電に関する最終説明会に参加してきました。
太陽光発電など、再生可能エネルギー(新エネルギー=風力発電/太陽光発電/水力発電/バイオマス発電など)によって発電された電力は「電力そのもの」の価値の他に「クリーンな電力」であるという「環境付加価値」を有しています。
この「環境付加価値」を証券化し、市場で取引可能にした制度がグリーン電力制度です。
政府インターネットテレビ [グリーン電力証書の仕組み〜新しいエネルギーへの転換] に判りやすく解説されていますので一度ご覧いただくことをお勧めします。⇒こちら
例えば、太陽光発電による電力を利用したい企業・寺院・人にとって、全ての方が太陽光発電パネルを設置できる環境にあるとは限りません。
また、設備投資をするだけでもかなり負担となります。
そこで、通常の電力料金に環境付加価値分のプレミアム(グリーン電力証券)を上乗せして支払うことにより、消費電力総量のうち、グリーン電力証券分の電力量が再生可能エネルギーを消費した、とすることが出来る仕組みがこの制度の特徴です。
上乗せされた電力料金は発電事業者(例えば太陽光発電設備を設置している事業者)に渡り、それが発電設備の維持費や発電設備を増設する資金へと還元されます。
グリーン電力発電事業者となるためには、数十~数百Kwh単位の大きな発電事業者であることが条件となっているために、貞昌院のほか、神奈川県内の寺院数か寺、幼稚園が共同で参加することとなりました。
スカイテック様は、大船観音で開催しているゆめ観音アジアフェスティバルにも毎回出展いただいています。
また、新エネルギー事業のほかに主要な事業である送電線設置事業においても実績のある会社です。
昨年3月11日、津波により電源が喪失した福島第一原発では、水素爆発が相次ぐ中、その最前線に立って電源復旧工事に尽力されています。
原子力発電所が縮小傾向にある中、エネルギー供給を何処から賄わなくてはならないかという問題を早急に解決しなければなりません。
その中で、新エネルギーの果たす役割もこれまで以上に高まっていくことでしょう。
グリーン電力もその一つとして普及していくことを期待します。
先週16日、品川グースに出来た京急レッドトレインガーデン のブログ記事で、展示コーナー「京急レッドトレインガーデン」でオークション販売されていた
・長さ1メートルに切った重さ約50キロのレール2本
・長さ2・4メートル、重さ約160キロの枕木2本
・専用かご「パイスケ」に入った砕石約15キロなどのセット、総重量は約500キロ
の京急大師線のレール枕木セットに応札してみた、ということを書きましたが・・・・・・
なんと!
落札できてしまいました!!!
今日、京急広報部からプレスリリースで発表されるということですので、ブログ記事でも解禁します。
当該のレールは1989年製で、昨年度まで使用され鉄道を支えてきた貴重な産業遺産です。
まさか、落札できるとは。
改めて落札の感慨にふけるとともに、運送方法と設置場所に関する現実的な問題が頭の中をファソラシドレミファソ~と駆け抜けていきます。
しかし、京急の皆様の真摯な姿勢に応えるべくいろいろと検討してみました。
その結果、貞昌院の鐘楼堂の鐘の下に設置することとしました。
ここであれば、上に屋根がありますし、どなたでも自由に見に来ていただくことができます。
そして、通常歩行する場所ではないので、つまずいたり怪我をすることも無いでしょう。
レールの引き取りは12月27日に決まりました。
その日の午後3時ごろ、貞昌院でレールの設置式を行います。
なお、落札の売り上げは、全額 東日本大震災で大きな被害を受けてしまった三陸鉄道復旧のために送られるそうです。
一日も早い全線復旧を心より願っています。
ちょうど、タイミングよく、現在発売の『YOKOHAMA WALKER・横浜ウォーカー』年末年始特集の除夜の鐘のコーナーで貞昌院が掲載されました。
24年1/5号 表紙:武井咲
(C) KADOKAWA MAGAZINES 2011
今年も多くの方に除夜の鐘を撞いていただけると思いますが、今年は鐘の響きとともに、是非この京急大師線レールもご覧いただければと考えています。
京急のレール、5万1円で落札=横浜の寺に設置へ
京浜急行電鉄は22日、川崎市の大師線で使われていた重さ約500キロのレールや枕木のオークション販売をした結果、5万1円で落札されたと発表した。落札したのは横浜市港南区の寺院「貞昌院」の副住職の男性(46)で、境内の鐘の下に設置される予定。
京急によると、5万1円全額を、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県の三陸鉄道に寄付する。三陸鉄道は、お礼として長さ10センチに切った被災レールを男性に贈りたいとしている。
男性は「三陸鉄道の復旧に少しでも役立てるならうれしい。みんなに見てもらいたい」と話しているという。レールなどは大みそかの除夜の鐘に間に合うよう、27日に保管先の横浜市の神奈川新町駅から同寺に移される。
(時事通信 2011/12/22-18:08)
■ニュースリリース
「実物線路1m」オークション 売れました! (京急電鉄 2011年12月22日)
施餓鬼(おせがき)法要の準備で本堂のワイヤレスマイクを点検していると200Mhzの文字が見えました。
電波法の改正により200MHz帯のワイヤレスマイクは使用できなくなり、移行経過措置期間も終了しているはずです。ということは、ワイヤレスマイクの機械を使い始めてから2~30年ほど経過していることになります。
この際に新しいシステムを構築することとしました。
出来る限り現状の施設を生かすためにアンプ、スピーカ、配線部分はそのままとし、ワイヤレスマイクと受信機だけを変更。
インターネットサイトをざっと探していると、丁度中古でピッタリの機器が販売されていました。
panasonic
WX-4040B(400MHz受信機)
WX-D4000A(ch拡張キット)×2
WX-4212C (ワイヤレスマイク)×4
WX-4300B (ピンマイク)×1
既ににch拡張キットが2つ付いているために、4chのワイヤレスマイクが同時に使用できます。
マイクロフォンも、ボーカル・スピーチ兼用の広帯域ダイナミック形ヘッドマイクなので通常のものよりも音質はよさそうです。
新品でこれだけの機材を揃えると定価で60万円、通常価格でも40万円を越えてしまうようですが、そこは中古。
11万円で全てを揃えることができました。
注文の翌日に商品が到着。
きっと、どこかのイベント会場で使用されていたものなのでしょう。
ダイバーシティーアンテナを本堂2箇所に対称に配置してセット完了。
7月26日に使い初めとなります。
本堂内部4箇所にローインピーダンスのスピーカーが設置されていますが、時期をみてスピーカーも変更してみたいと考えています。
個人的には このスピーカ が気になっていますが、どうなんでしょうか・・・・・
昨年秋に客殿のエアコンの入替を行ないました。
二重窓、コルクタイルなどと併せて快適さが向上したのではないかと考えています。
さて、これまで、貞昌院では本堂にはエアコンを入れておりませんでした。
南側に森がありその分気温が低くなること、屋根面と天井の間に広い小屋裏空間があることにより自然の風の流れがあるために真夏でも風がある日であれば爽やかな風が入ってきます。
けれども、無風の日であったり、人が多く参列される場合など、かなり暑くなることも確かで、年配の方には負担がかかっていることも確かです。
また、冬場には灯油ファンヒーターにより暖房を行なっていましたが、火災の心配があること、灯油独特の匂いが発生し空気が汚れるなどの問題もありました。
このたび檀家様より寄進をいただいたこともあり、エアコン導入に宛てさせていただきました。
導入したエアコンは客殿のエアコンと同じ東芝製スーパーパワーエコキューブです。
予め、室内機、室外機の設置場所を確認し、適切な設置計画を練ります。
本堂は、このように大きな小屋裏空間があることにより快適な空間が生み出されています。
配管工事の取り回しも、かなり自由にできました。
それにしても曲がった材木を自在に組み込んでいることに感心します。
昔の宮大工さんは本当に凄い。
エアコン屋さん、電気屋さん、大工さんの手際よいチームワークにより一日で工事が完成いたしました。
極端に暑い日、寒い日、そしてそれ以外の日でも補助的な空調設備として今後活躍してくれることでしょう。
お参りの際には是非ご体感ください。
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境内整備カテゴリー
貞昌院の客殿は、昭和40年代前半に建てられた鉄筋コンクリート陸屋根の建物です。
既に40年以上経過しています。
屋上防水シートがかなり経年劣化してしまっているため、このたび防水工事を行なうこととなりました。
幾つかある工法、施工会社の中で、今回はサンタックIBシートと機械固定工法・接着工法を選定させていただきました。
この工法は高品質・高耐久性が特徴で、防水業界でも定評があります。
また、難燃性能が高く、カラスなどの鳥害にも強いものです。
従来の防水シートに比べて2倍以上(20年)の耐候性をもつことが最大の特徴です。
下写真は昨年末に現状調査をしている様子です。
製造工場から直接担当者にお越しいただきました。
施工単価は既存シート撤去を含め、トータルで8000円/m2ほどとなります。
施工全体面積は約70m2ですから工事金額は約60万円ですね。
伽藍の維持にはそれなりの経費が掛かるものです。
けれどもきちんと維持管理しておけば永く永く使えるものでもあります。
本日より施工実施となりました。
一週間ほどの工程を経て、本堂向拝の土間タタキ工事が竣工しました。
懸案のコンクリートの浮いた部分は綺麗に打ち直され、客殿玄関からのアプローチも段差が解消され、スロープとなりました。
コンクリートはもう硬化しておりますので、通常通りの参拝が出来るようになっております。
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今日は秋晴れの一日となり、絶好のコンクリート打設日和となりましたので、昨日午後に出来なかった工事の続きが行なわれました。
昨日までに出来た土台に、砂利を混ぜたコンクリートを打っていきます。
このように綺麗に仕上がりました。
今日明日は、この上には乗らないようお願いいたします。
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今日の話題は青線についてです。
といっても、戦後GHQによる公娼廃止指令後にあった非合法の売春地域のことではありません。
上永谷地域は、かつて田畑の耕作地が広がっており、その周囲に畦道や小川がたくさん広がっていました。また、段差に設けられた法面もあったことと思います。
明治維新後、明治6(1873)年の地租改正作業により、一筆地測量がなされ、それぞれに地券が発行され、所有者と面積が付与されていきました。
(この際の求積がとてもいいかげんで、貞昌院の裏山は10倍もの縄伸びがありました)
翌明治7(1874)年の「地所名称区別改定」に基づき、官民の区分けがなされていった際に、道路、水路、畦畔、堤などのうち、民有地認定されなかったものが、地番も付与されず官有の公共用地として認定されることとなります。
地租改正の一連の作業は後に土地台帳として整備され、こうした中で、土地台帳附属地図(旧公図)において、里道は赤く塗られ、官有水路、畦畔、水路、堤などは青く着色され表示されることとなりました。
これが、赤線、青線の語源であります。
貞昌院の境内内、周囲にも赤線と青線が存在しています。
公図とGoogleの航空写真を合成すると、どこが赤線、青線となっているかが判ります。
(公図はかなりゆがんでいるため、位置あわせに苦労しました)
右が山門付近を拡大したものです。青線が境内に入り込んでいますね。
貞昌院境内周囲の境界確定作業は終了していて、隣接地との境や境内地としての使用には何ら問題はないのですが、特に境内地内に青線が存在することは、気持ちの良いものではありません。
なお、赤線部分は参道及び墓参道としての部分ですので、このままでも良いと考えます。
青線は、明治時代の、地所名称区分による区分では官有地第3種に編入されていたもののはずですが、貞昌院に保存されている社寺明細図には民有地第一種と明示されており、なぜ、この部分が青線となってしまっているかを推測するに、やはり段差のある土地の法面であった部分であると考えるのが妥当でしょう。
このことを10年ほど前に大蔵省(現財務省)に資料を持参して問い合わせを行ないましたが、当時は手続きが半端でなく大変とのことで、お墨付きを一筆いただくに留めておりました。
ここ数年、青線の時効取得の判例も増えてきたため、この際ですから、青線の取得に挑戦してみることにしました。
払い下げのように「時価買取」は馬鹿馬鹿しいので、あくまでも無償による「時効取得」でなければ意味がありません。
公共用財産の時効取得の要件は
・長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置されたこと
・公共用財産としての形態、機能を全く喪失していること
・その物のうえに他人の平穏かつ公然の占有が継続ていること
・公の目的が害されるようなこともないこと
・もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなったこと
このあたりの資料を揃えるだけ揃えて、財務省との協議を重ねてきました。
併せて、時効取得の要件を説明する沿革説明書の作成がポイントとなりますね。
(1)いつ、誰が、どのように占有を開始したか
(2)いつ、誰が、どのように占有形態を変更したか
(3)どのように継承がされたか
(4)現在は、誰が、どのように占有しているのか
(5)代理占有している場合は、いつから、誰が占有代理人となって、どのようにしているのか、また、畦畔を含めて、本番土地とともに代理占有しているか
などなどについて、客観的に判断できる資料・証拠を纏めて提出していきます。
それにしてもメンドクサイ><
昨日ようやく財務省による実地調査の段階まできました。
これで時効取得が具体的に進みそうです。
貞昌院にAED(自動体外式除細動器)を設置しました。
お寺には多くの方が集まります。
また、災害の際には拠点ともなりうる場所です。
安心して参拝いただけるよう、そして、いざというときの備えとして、AEDを客殿玄関に設置しました。
写真の場所です。
防災の日でもある今日からの運用です。
AEDとは、病気や事故などで心臓が停止し、ポンプとしての機能を果たさなくなった際に電気ショックにより正常な状態に戻す装置です。
AEDは心電図を自動解析し、また、救助者に対して音声での指示がなされますので、誰でも救助活動を行なうことができます。
使い方についての詳細は こちらにも纏めています。
併せてご参照ください。
■関連リンク
AED設置場所検索(日本救急医療財団)
貞昌院客殿は既存の建物を出来る限り活かして、改築しています。
⇒経緯はこちら
客殿工事進捗状況
客殿工事進捗状況
客殿工事進捗状況
客殿工事進捗状況
客殿工事進捗状況
この工事の際に、敢えてエアコン工事を行なっていませんでした。
客殿のエアコンは設置から20年近く経過しているものですが、数年は既存の天井埋込式のものをそのまま活用し、通年エネルギー消費効率=消費電力あたりの冷暖房能力(これをAFPといいます)が格段に向上した製品が発売された時点で導入することを考えていたからです。
改築から2年経過したこともあり、今回エアコン入替工事に踏み切りました。
入したエアコンは東芝キャリア製の「スーパーパワーエコキューブ」です。
このエアコンは平成20年度省エネ大賞受賞をしています。
既存の配管をそのまま使うことができることも大きなメリットです。
経済産業大臣賞受賞 店舗・オフィス用カスタムエアコン「スーパーパワーエコキューブ」シリーズ■主な商品特長
(1)全機種、業界No.1のAPFを達成 ?2015年度省エネ基準クリアの高い省エネ性?
(2)「10rpsエコノミードライブ制御」採用 ?わずか3円/時間の最小消費電力運転が可能?
(3)暖房運転の使用温度範囲を外気温?20℃まで拡大し、ヒートポンプでの暖房の普及を促進
(4)温度ムラをなくして冷やしすぎ、暖めすぎといったエネルギーのムダを低減する「3方向吹き分けの新形状フラップ(天井カセット形4方向吹出しタイプ)」
(5)手軽にピークカットが行えるセーブ機能を標準装備
それにしても、古いエアコンのパーツは巨大で、運び出すだけでも大変です。
運び出した工事の方も、永い間稼動してきたエアコンさんも、お疲れ様でした。
入替工事は2日間かけて行なわれます。
今日一杯かかる予定です。
追記
天井埋込型のエアコンは、希望小売価格が100万円前後となっているのですが、実際に見積もりを取ると20万円程度になりました。
希望小売価格って何のためにあるのでしょうか?
今月1日、衆議院本会議にて太陽光発電余剰電力を現在の2倍程度で買い取る制度などが盛り込まれた法案が通過しました。
その名も
「エネルギー供給構造高度化法」
これにより、本年度内で買い取り価格の上乗せが実施されるはずです。
太陽光発電の国ニッポンの復権を で主張してきたことが具体的に動き出してきました。
この法案は2倍買い取りによる太陽光発電設備の普及促進がクローズアップされていますが、主たる目的は「エネルギー供給事業者」に対する「非化石エネルギー源の利用の義務付け」です。
つまり、非化石エネルギー源への転換を行うためにエネルギー供給事業者に対する義務付けを行わせる法案です。
1.特定エネルギー供給事業者特定エネルギー供給事業者(エネルギー供給事業者のうち、非化石エネルギー源の利用が技術的及び経済的に可能であり、かつ、その促進が特に必要であるものとして政令で定める事業を行うもの)に対し、非化石エネルギー源の利用を義務付ける。
<例>
・電気事業者に対する2020 年までの50%以上の非化石電源の利用拡大
・電気事業者に対する家庭用太陽光発電の余剰電力の適正価格での買取り ←これが太陽光発電電力の2倍買い取りの部分
・石油事業者やガス事業者に対するバイオ燃料やバイオガスの利用の義務付け
など
2.一定規摸以上の特定エネルギー供給事業者に対しては、
燃料製品供給事業者に対する化石エネルギー原料の有効利用の義務付け
・石油事業者やガス事業者に対する原油や天然ガスの有効な利用の義務付け
等
が定められています。
この法案が成立することにより新エネルギーへの転換が進んでいくことでしょう。
さて、貞昌院では、平成15年より太陽光発電設備を設置しています。
設置から6年が経過し、順調に運用を続けているところです。
実は、ここ数年でもう一段階目のステップに進むことを計画しています。
それは燃料電池の導入です。
太陽光発電は昼には余剰電力が発生しますので電力会社に買い取っていただき(下図の水色の部分)、夜間など発電しない時間帯は逆に電力を購入(下図のオレンジ色の部分)しています。
トータルすると貞昌院で使用する9割程度の電力量を太陽光発電設備でまかなっていることとなります。
<オレンジ色+黄色)と(黄色+水色)の面積がほとんど同じとなっている>
この発電量の変動を埋める(上図のオレンジ色の部分を埋める)仕組みとしての燃料電池は非常に有効な働きをすると考えます。
燃料電池はここ数年でようやく実証段階から実用段階へと進んできました。
燃料電池は、エネルギーの元である「水素」と、空気中の「酸素」が化学反応を起こし、「水」になる際に発生するエネルギーを元に電気と熱を発生させる装置です。
したがって、燃料電池の燃料は「水素」です。
しかし、家庭では水素をそのままボンベに入れて使用するわけにはいかないので、水素が含まれる化合物から水素を取り出す方法がとられています。
現在発売されている燃料電池の共通ブランドは「エネファーム」です。
エネファームには
・都市ガス
・LPガス
・灯油
などによる種類があります。
都市ガスの成分は、1個の炭素原子に4個の水素原子が結合した最も単純な炭化水素であるメタン CH4 ですから、水素が比較的取りだしやすい。
最初に実用化され普及に力を入れているエネファームも都市ガスのものでした。
しかし、残念ながら貞昌院は都市ガスのエリアではありません。
次にLPガスですが、これは主成分がプロパンですので C3H8。
都市ガスほどではないものの、水素の取り出しは比較的容易です。
貞昌院に直ぐに導入するのならこのタイプでしょう。
しかし、プロパンガスはコストが高いのが難点です。
最後に灯油。
こちらの主成分は炭素量がずっと増えて(そのために常温で液体となります)、ウンデカン C11H24 、ドデカン C12H26、トリデカン C13H28、テトラデカン C14H30などなど。
炭素量が多い分、水素の取り出しと灯油に含まれる硫黄分の脱硫に高度な技術を要します。
※メタン系炭化水素(アルカン)の名前は特徴的で、覚えやすいですね?
ここ数週間でエネファーム製造会社の方と具体的にお話しする機会を得ました。
その中での結論。
貞昌院には灯油のエネファームを導入いたします。
理由はランニングコストとインフラ整備のしやすさです。
なお、灯油の燃料電池は来年、若しくは再来年ということですので、それまで他の燃料電池の動向と併せて推移を見守っていきたいと思います。
燃料電池はエネルギー効率が極めて高いことも特徴の一つです。
(図はエネファームのサイトより)
例えば火力発電所の発電効率は約40%程度であり、送電ロスを併せると3割程度の効率となってしまいます。
対し、燃料電池であれば発電効率は飛躍的に高まります。
太陽光発電+燃料電池を導入すれば、電力会社からの購入電力は殆ど無くなることでしょう。
貞昌院に繋がっている電力線が逆潮流(貞昌院→電力会社)のみに使用される日もまもなくです。
数日前より奥の院の渡り廊下天上に染みが出来ています。
原因は分かっています。
ハクビシンです。
夕暮れに天井裏をドスドスと駈けずり廻る音が聞こえますし、ハクビシン特有の眉間が白い姿も目撃しました。
天井裏に上ってみると・・・・・やはり・・・・・・
秋には境内のイチョウがたくさんのギンナンを実らせますから餌には困らないでしょう。
ハクビシンにとってはこの上ない快適な環境であると思います。
横浜市環境創造局のサイトに、その対策が記載されています。
ハクビシン(白鼻芯) ◎ 寄せ付けない工夫 |
とにかくまずは食べかすと糞尿の掃除を行いました。
つい先ほどまでここにいらっしゃった生々しい痕跡があります。
放っておくと天井板が腐りますし、なによりも衛生上よくありません。
後はハクビシンにとって不快な環境を作り、出て行っていただいた後に侵入口を塞がなければなりません。
どうか穏便に山の中へ帰っていってくださいますように。
バリアフリーバリアフリー(Barrier free)とは、広義の対象者としては障害者を含む高齢者等の社会生活弱者、狭義の対象者としては障害者が社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害(障碍)や精神的な障壁を取り除くための施策、若しくは具体的に障害を取り除いた状態をいう。一般的には障害者が利用する上での障壁が取り除かれた状態として広く使われている。(Wikiペディア)
寺社はバリアフリーの観点で見ると、必ずしも参拝客に優しくない場合が多いですね。
例えば車の入れない急峻な坂道であったり、何百段もの石段を登った先にあったり、究極は投入堂のように参拝に命がけのところすらあります。
また、鳥居や山門、玄関の敷居などの結界があり、俗の世界との明確な区別をしています。
その境界を越えるたびに意識を新たにし、作法を整え、寺社の領域に入るというわけです。
しかしながら、近年は特に高齢化の参拝者も増加したこともあり、そのようなことばかりも言っていられなくなりました。
安全に、たやすくお参りしていただくことができるよう、バリアフリー化を求められる時代になっています。
それでいて、結界に区切られた空間を損ねないような配慮が必要なわけで、そのあたりが工夫のしどころとなっています。
貞昌院の場合は、山門前にはこのような石段があり、山門の敷居、そしてまた数段の石段という参道です。
その脇に、山門を潜らないで本堂に至ることができる坂道があるのですが、これまではその坂道にこのような段差がありました。
坂道にアクセントをつけるというデザイン的な要素が大きかったのですが、この度、この段差を取り払って段差のないスロープとする工事が始まりました。
概ねあと一週間ほどで完成予定となります。
昨年は玄関前の階段に手摺を設置しました。
序々にではありますが、お参りしやすい環境を整えていく予定です。
日本人の結界に関する考えには独特のものがあります。
結界を結ぶ装置が「縁」。
窓の外側にある縁側のような空間です。
日本人のもつ思想の特長的なものを一つ挙げるとすると、個々を明確に区分せず、このような縁側の要素を持つということがあります。
この縁側の要素により、自と他の境界を曖昧にして他人と接してきました。
それゆえ、明確な自と他の境界での衝突をすることなく、ノンバーバルな表現や、人の心を察する感受性、お互いを尊重し譲り合う精神が育くまれてきました。
縁のような曖昧な境界を持つことができるというためには、それだけ柔軟な精神を有する必要があります。
日本人の育んできた懐の深さ、思いやりのこころを大切にしたいものです。
裏庭に設置するべく発注していた水琴窟が届きました。
今回注文していたものは東邦ガステクノ で発売している 中部国際空港開港記念・ 常滑焼水琴窟 『水琴の舞』 です。
常滑焼伝統工芸士前川賢吾さんによる本格的な常滑焼で、きちんと製作者陶歴も付いてきました。
その特長は
(1)土の色合いを生かした素朴な感じのデザインを強調しました。
(2)一つ一つが、手造りです。
(3)伝統ある常滑焼の産地生産とシンプルなデザインでリーズナブルな価格を実現しました。
(4)水は掛け流し式のため屋外設置に適しています。
(5)据置場所を考慮して、大きさは大、中、小の3種類としました。
(6)金属コックを取り付けたことにより、水位の調整ができ音色を変えることが出来ます。
(7)水甕及び玄関先などの飾り物としても使用できます。
というものです。
水琴窟というと高値の華で、設置も大変、メンテナンスも大変というイメージがありますが、水琴の舞は、その欠点を一気に解消しています。
まさに裏庭の蹲に設置するにはもってこいです。
この受け皿の形状が様々な大きさの水滴をつくりだし、発生した音が陶器の壷によって増幅されます。
そういえば、陶器の壷は能舞台の縁の下に置かれて音響装置としても使われていますね。
埋込ではないため、メンテナンスは簡単。
設置もとても楽。
費用は水琴の舞の費用のみで済みました。
(設置工事費用は自分で行いましたから掛かっていません)
蹲へ導く竹筒の途中に穴を開けて水琴窟に流れるようにしました。
この水は裏山の自然の水を導いています。
設置後、最初に録音した水琴窟の音をご紹介いたします。
貞昌院へお越しの際は、是非この美しい音色をお楽しみ下さい。
先日の 雨粒はどんな形? でご紹介した蹲に流れる音と比較してみてください。
3月より貞昌院で FREESPOT が使えるようになりました。
⇒ FREESPOT貞昌院
エリアは、概ね貞昌院境内全域となります。
接続料金は無料です。
FREESPOTは、無線LANでインターネットにアクセスできる環境を開放し、自由に使っていただけるサービスです。
主に喫茶店やホテル、公共施設で多く導入されており、無線LANとブロードバンド回線での高速アクセスが可能です。
出先でのメールチェックをはじめ、インターネットでの情報収集等、より多彩なモバイルネットワーク活用を実現します。FREESPOTを利用するには… 無線LAN機能を持った、ノートパソコンやPDA、ゲーム機器及び携帯電話が必要です。
●ノートパソコンに無線LANカードを装着したもの。
●ノートパソコン自体にすでに無線LAN機能が内蔵されているもの。
●PDAで無線LANカードが装着されているもの。
●無線LAN機能が内蔵されたゲーム機器など。<安心機能>
FREESPOTには、PS(プライバシーセパレータ)機能が搭載されており、同時に接続しているパソコン同士が見えないようにしています。セキュリティ面でも安心の機能が付いています。
FREESPOT は接続ポイントによって接続方法が異なりますが、貞昌院では携帯電話へのパスワード発行という方式を採用しています。
貞昌院境内のエリアでLAN機能を持ったノートパソコンなどでブラウザを起動すると、次のような画面が出ます。
そこで、お手持ちの携帯電話のメールアドレスを入力してください。
携帯電話のメール宛に接続用のIDとパスワードが自動発行されます。
※この方式を採用した理由は不正アクセス防止のためですのでご理解下さい。
※なお、個人情報の取扱は貞昌院の個人情報保護方針に従います。
発行されたIDとパスワードをブラウザの入力画面にて入力することにより、ブロードバンドを利用することができます。
このように、WS-ZERO03 でももちろん使うことができます。
ブロードバンド環境は快適ですね。
サクサク表示されます。
昨年秋に改築が竣工した新客殿ですが、窓から見える藤の花がちょうど見頃となりました。
⇒工事進捗の様子はこちらです。
裏庭にあるこの藤の花を生かしたいと、窓の大きさとか配置を考慮して設計注文お願いしたのですが、想像以上に素晴らしい眺めです。
自然の力はすごい。
窓がまるで額縁のようです。
貞昌院に御越しの際には、是非、この客殿でゆっくりしていってくださいませ。
箱根の成川美術館のラウンジや、軽井沢の壁の無い家など、自然の産み出す風景をそのまま室内から眺めることができるという建築はたくさんあります。
時々刻々と変化し、二度と再び同じ姿を見せない光景は見飽きることがありません。
今日夕方、鯉のぼりを揚げました。
昨日、注文しておいた机・椅子が配送されてきておりました。
※インターネットは便利ですね!
帰宅後、夜に早速梱包物を解き、設置。
それにしても大量の梱包物!それを解くのに数時間かかってしまいました。
写真は什物をフルに配置した状態です。
机は、折りたたみ式テーブルで高脚・座卓ワイド兼用タイプの優れものです。
コルク床なので、座布団+座卓としても、椅子+高脚机としても利用できるので融通の効く使い方ができそうです。
なお、裏庭の眺めが楽しめるように、掃き出し窓を出来る限り大きくとりました。
眺望を楽しみながら、ゆったりとお過ごしいただけることと存じます。
工事進捗の様子はこちらです。
http://teishoin.net/blog/cat_cat12.html
骨組みも出来上がり、全体的な形が見えてきました。
屋根の色は緑とする予定です。
10月初旬に仏前結婚式が予定されていますが、その頃までに竣工できるよう工事を進めています。
暑さのピークは過ぎましたが、夕暮れには藪蚊も多く、大工さんは大変です。
前回のトピックスはこちらです。
http://teishoin.net/blog/cat_cat12.html
貞昌院の永代供養墓地「緑陰苑」へ、いつもお世話になっている石材店から観音像の寄進をいただきました。
この墓地は、直ぐ裏が市指定の緑地となっており、順次植樹を行っていく予定です。
「緑陰苑」は、たとえお墓の継承者がいなくても、貞昌院が責任をもって永代供養・管理をする墓苑です。緑陰苑は自然に還るということと、環境への配慮ということ、永代供養を行うという点が、通常の墓地とは異なります。合祀により、墓地建立の経済的負担を軽くすることができます。
また、最近注目されている自然葬に、散骨(火葬された骨を砕いて粉状にしたものを海上などに播く)がありますが、貞昌院の「緑陰苑」は散骨ではなく「緑地保存指定山林に隣接した墓地区画に遺骨を合祀形式で埋葬する」ことが特徴です。
【関連トピックス】
http://teishoin.net/blog/000307.html
貞昌院境内墓地の一部拡張と、樹木葬型墓地「緑陰苑」の墓地申請について、自らの勉強のために、横浜市役所へ申請する経営許可に係わる書類・図面・その他一切を、手作りで行ってみました。
約一年かかりましたが、ようやく経営許可にまで辿りつき、本日の完了検査を迎えました。
墓地の認可に関しては、やたらめったらな所に経営許可は出ません。
具体的には、墓地を経営しようとする場合や、既にある墓地を拡張する場合又は廃止をする場合は、「墓地、埋葬等に関する法律」又は「横浜市墓地等の経営の許可等に関する条例」に基づく許可を受ける必要があります。
許可を受けようとする方(墓地を廃止する方は除きます。)は、許可申請に先立って、「横浜市墓地等の経営の許可等に関する条例」の規定により、計画地への標識の設置や周辺住民の方々へ計画を説明する必要があります。
また、この場合、周辺住民の方々から協議の申し出があった場合には、協議に応じる必要があります。
1 計画地への標識設置
↓
2 周辺住民の方々への計画説明
↓
3 周辺住民の方々から協議の申し出があった場合、協議に応じる義務 (ここは無しでした)
↓
4 申し出により、衛生局環境施設課があっせん (ここは無しでした)
↓
5 申し出により、横浜市墓地等設置紛争調停委員会が調停 (ここは無しでした)
↓
6 新設又は拡張の申請
このあたりの事前準備がとても大変です。身をもって痛感しました。
特に、墓地の周囲半径110mの公図を取り、居住者・建物の所有権者・土地の所有権者を謄本を取って確認し、配達記録郵便にて計画概要を通知しなければならないというあたりが最初の難関です。
マンションなどの区分所有物件が多い地区ですから、謄本全部事項証明書・郵送料だけで数十万円もかかってしまいました。
図面や申請書類は手作りで行いましたので、実費のみの出費で済みます。
多少の手間はかかりますが、非事業型(営利を追求しない)墓地ですから、業者の手は借りないことを前提にしました。
いざ、申請が出来る段階になると、次は、緑地協定の提携、墓地区画の整地、通路の舗装、排水工事など、すべて細かい墓地設置基準を満たす条件で行っていきます。
■主な許可基準
・経営主体 : 市内の宗教法人又は市内の公益法人
・敷地 : 自己所有地
・緑地率 :
(1)市街化区域及び市街化調整区域(1ha未満の場合)に墓地を設置する場合は、30%以上
(2)市街化調整区域(1ha以上の場合)に墓地を設置する場合は、35%以上
・駐車場 : 墳墓の数の5%以上の数の自動車を収容可能
工事設計図作成と、施行管理も、なるべく私自らの手で行いました。
貞昌院墓地では、樹木葬型の墓地も新設するため、墓域に隣接して、緑地保存地区を指定していただき、そのあたりは、横浜市緑政局(現環境創造局)と協議を重ねて指定に至りました。
【以前の関連トピックス】
その1 http://teishoin.net/blog/000265.html
その2 http://teishoin.net/blog/000273.html
鐘楼堂の工事が進んでいます。
基礎工事は終了、屋根瓦工事が半分ほどの進捗となっています。
現在は軽くて良い瓦があり、しかも瓦土を使わずに防水性の優れた下地材があるため、耐候性が格段に向上します。
瓦は三州ミガキ瓦としました。
これが、瓦を屋根に運ぶウインチです。
蛇足ですが、ゆめ観音アジアフェスティバルで機材運搬に使用することも検討しましたが、階段が長く断念しました。
広小舞の銅版も、新しくしています。
新しくなった土間に、足場単管パイプの影が落ちています。
なお、平板コンクリートは前のものを流用しましまた。
ということで、工事もいよいよ最終段階へ向かいます。
貞昌院鐘楼堂の工事は、基礎部分の工程に入りました。
レールによって、柱が広がらないように固定し、楔を打ちながら少しづつ、ジャッキアップのように鐘楼堂全体を持ち上げて行きます。
持ち上がった後、柱を支えていた束石を取り除き、その基礎部分にコンクリートを流し込んで、強固な基礎を作り上げます。
これが、永年に亘って鐘楼堂を支えてきた束石です。
鐘楼堂は、単純な構造のように見えますが、各所に伝統的な寺社構造の工夫がされています。
構造を一言で言い表すならば、鐘楼という重りを中心に据えた、ラーメン構造と言ってよいのではないでしょうか。
ただし、ラーメンといっても、豚骨ラーメンの「ラーメン」ではないですよ。
ラーメンの綴りは、Rahmen(ドイツ語)・・・すなわち、柱と梁がしっかりと接合された骨組み構造を、ラーメン構造と言うのです。
身近な例で言えば、マンションなんかの建築現場を見ると、鉄骨を溶接しながら四角く骨組みを組んでいく作り方を見ることがあると思いますが、そのような構造をラーメン構造というわけです。
現代建築では、通常、鉄骨同士をボルトや溶接でガッチリ固定しますから、その継ぎ手において相対的な回転を許さない構造になっています。地震などで、変形を起こす方向に加重がかかっても、継ぎ手部分が変形しないため、それだけ強固な構造なんですね。
その意味では、鐘楼堂の柱の構造は、接合部が木組みで、柱に貫を貫通させて作る貫構造となっていますから、厳密な意味での剛構造とはいえないかもしれません。
しかしながら、継ぎ手部分で多少の変形は許す、いわば広義のラーメン構造といっても良いのではないかと思うのです。
京都の、清水寺の舞台なんかも、広義のラーメン構造です。
接合部分において、変形を起こさないようにしっかりと固定されているほうが耐力があるのか、それとも、多少変形を認める構造(柔構造)のほうが耐力があるのか、それはどちらも一長一短があって、結論が出ない問題です。
私は、柔軟な構造で耐力を持たせる、この日本の寺社建築の素晴らしさにとても誇りを感じます。
百年もの間、ほとんど問題なく持ちこたえてきたこの構造は、今後も永い間鐘楼を支え続けていく事でしょう。
鐘楼堂の屋根の中心に鎮座していた瓦が、庭に下ろされています。
梅ばちの紋章は、天神社別当の名残であり、貞昌院の紋章でもあります。