墓地経営許可申請を通して

貞昌院境内墓地の一部拡張と、樹木葬型墓地「緑陰苑」の墓地申請について、自らの勉強のために、横浜市役所へ申請する経営許可に係わる書類・図面・その他一切を、手作りで行ってみました。
約一年かかりましたが、ようやく経営許可にまで辿りつき、本日の完了検査を迎えました。

墓地の認可に関しては、やたらめったらな所に経営許可は出ません。
具体的には、墓地を経営しようとする場合や、既にある墓地を拡張する場合又は廃止をする場合は、「墓地、埋葬等に関する法律」又は「横浜市墓地等の経営の許可等に関する条例」に基づく許可を受ける必要があります。
 許可を受けようとする方(墓地を廃止する方は除きます。)は、許可申請に先立って、「横浜市墓地等の経営の許可等に関する条例」の規定により、計画地への標識の設置や周辺住民の方々へ計画を説明する必要があります。
 また、この場合、周辺住民の方々から協議の申し出があった場合には、協議に応じる必要があります。

1 計画地への標識設置

2 周辺住民の方々への計画説明

3 周辺住民の方々から協議の申し出があった場合、協議に応じる義務 (ここは無しでした)

4 申し出により、衛生局環境施設課があっせん (ここは無しでした)

5 申し出により、横浜市墓地等設置紛争調停委員会が調停 (ここは無しでした)

6 新設又は拡張の申請

このあたりの事前準備がとても大変です。身をもって痛感しました。
特に、墓地の周囲半径110mの公図を取り、居住者・建物の所有権者・土地の所有権者を謄本を取って確認し、配達記録郵便にて計画概要を通知しなければならないというあたりが最初の難関です。
マンションなどの区分所有物件が多い地区ですから、謄本全部事項証明書・郵送料だけで数十万円もかかってしまいました。

図面や申請書類は手作りで行いましたので、実費のみの出費で済みます。
多少の手間はかかりますが、非事業型(営利を追求しない)墓地ですから、業者の手は借りないことを前提にしました。

いざ、申請が出来る段階になると、次は、緑地協定の提携、墓地区画の整地、通路の舗装、排水工事など、すべて細かい墓地設置基準を満たす条件で行っていきます。

■主な許可基準

・経営主体 : 市内の宗教法人又は市内の公益法人
・敷地 : 自己所有地
・緑地率 :
 (1)市街化区域及び市街化調整区域(1ha未満の場合)に墓地を設置する場合は、30%以上
 (2)市街化調整区域(1ha以上の場合)に墓地を設置する場合は、35%以上
・駐車場 : 墳墓の数の5%以上の数の自動車を収容可能


工事設計図作成と、施行管理も、なるべく私自らの手で行いました。

貞昌院墓地では、樹木葬型の墓地も新設するため、墓域に隣接して、緑地保存地区を指定していただき、そのあたりは、横浜市緑政局(現環境創造局)と協議を重ねて指定に至りました。


ということで、今日の完了検査。 事細かく検査されていきます。

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図面とか、設置看板などは、イラストレーターを使って作成しました。

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投稿者: kameno 日時: 2005年12月20日 12:38

コメント: 墓地経営許可申請を通して

初めまして、こんにちは
墓地申請など自らやられるなんて凄いですね
大変な労力だったと思います
ご苦労様でした
そのお墓も先日拝見しました
それではまた

投稿者 パワー要るステアリング | 2005年12月31日 11:31

パワー要るステアリングさん、コメント有難うございます。
今の墓地埋葬法に基づく認可は、事業型墓地を想定しているようで、従来の檀家型の墓地(非事業型)に適用するのはとても大変です。
苦労はしましたが、とても勉強になりました。
経費をできるだけ掛けないで、その分、檀家さんに還元できればと考えています。

投稿者 kameno | 2005年12月31日 14:35

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