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貞昌院太陽光発電設備から発電された電力のうち、使いきれずに余った電力は東京電力にkwhあたり約48円で買い取っていただいています。
それは図で表すと水色の部分となります。
これをさらに拡大し、黄色い部分まで環境貢献のために利用するグリーン電力という制度があります。
太陽光発電など、再生可能エネルギー(新エネルギー=風力発電/太陽光発電/水力発電/バイオマス発電など)によって発電された電力は「電力そのもの」の価値の他に「クリーンな電力」であるという「環境付加価値」を有しています。
この「環境付加価値」を証券化し、市場で取引可能にした制度がグリーン電力制度です。
政府インターネットテレビ [グリーン電力証書の仕組み〜新しいエネルギーへの転換] に判りやすく解説されていますので一度ご覧いただくことをお勧めします。⇒こちら
例えば、太陽光発電による電力を利用したい企業・人にとって、全ての方が太陽光発電パネルを設置できる環境にあるとは限りません。
設備投資をするだけでもかなり負担となります。
そこで登場したのが「グリーン電力」制度。かいつまんで言うと、通常の電力料金に環境付加価値分のプレミアム(グリーン電力証券)を上乗せして支払うことにより、消費電力総量のうち、グリーン電力証券分の電力量が再生可能エネルギーを消費したものと見なされるという制度です。
上乗せされた電力料金は発電事業者(例えば太陽光発電設備を設置している事業者)に渡り、それが発電設備の維持費や発電設備を増設する資金へと還元されます。
新エネルギーを生み出す側(発電事業者)と、利用する側(需要家)の双方のメリットが合致することにより成り立つ制度なのです。
認証は財団法人 広域関東圏産業活性化センター グリーン電力基金事業推進室により行なわれます。
双方にはグリーン電力証書が発行され、新エネルギー普及促進のための貢献を示すことができます。
貞昌院も今年からグリーン電力に発電事業者として参加する予定です。
ただし、グリーン電力発電事業者となるためには、数十~数百Kwh単位の大きな発電事業者であることが条件となっているために、太陽光発電設備を設置している寺院数十か寺が共同で参加する必要があります。
■参加要綱
・上図黄色い部分を正確に測定するための電力メーターは事業者負担(4万円程度)
・グリーン電力は「権利」を提供するだけなので、これまでどおりの電力消費で変わりなく行なえる
・黄色い部分の電力量に応じ、KWhあたり9円~10円前後の金額がグリーン電力料金として還元される
ということで、現在仲立ちとなるNPO法人の働きかけにより、近隣の寺院とともに参加者がとりまとめられているところです。
メーター分の先行投資が必要となりますが、これは概ね1年~2年で回収できる計算となります。
■追記
ここまでは、主に太陽光発電設備を有する側の内容ですが、太陽光発電設備を設置しなくてもグリーン電力を利用したい側からの参加方法も記載しておきます。
太陽光発電設備など、新エネルギーの発電設備を設置しなくても、新エネルギーによる電力を消費しているということを公的に宣言できる制度です。
(1)普段使っている電気を自然エネルギーにする
自宅や事業所などで使う電気の一部、または全部を自然エネルギーにすることができます。
もちろん、太陽光発電や風力発電の設備を設置することがその方法の一つですが、それと同じ効果をグリーン電力によって行うことが可能です。
月々の電気料金に上乗せした額を支払い、太陽光発電等の自然エネルギー発電を委託し「グリーン電力証書」の発行を 受ける形で、消費する電力を自然エネルギーの電力に変える仕組みです。
(2)自然エネルギー事業に出資する
各地域の電力会社が主体となり、一口○○円として、太陽光発電など地域の自然エネルギー発電事業への出資を募る試みです。
いわば一口オーナー制度です。
出資したお金は事業に運用され、出資者は事業の収益から配当を受けることができます。
(3)グリーン電力で生産された製品を買う
グリーン電力証書のシステムを利用して、様々な企業が自然エネルギーで作られた製品やサービスなどを提供しています。
それらには認定ロゴが明示されています。
グリーン電力で生産された製品を積極的に購入することも環境貢献の一つといえましょう。
■ここからは提言
曹洞宗宗門も全国の寺院も連携して積極的にこの制度を利用するべきだと考えます。
もしくはさらに一歩進めて、宗門内でグリーン認証制度を新たに作り、クリーンエネルギーを使いたい寺院が出資し、クリーンエネルギーを設置可能な寺院に助成を行い、宗門全体的としてクリーンなエネルギーを生み出し活用するという仕組みを宗務庁が仲立ちとなり構築しても良いと考えています。
まさに宗門の掲げるグリーンプランの実践となりうることでしょう。
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