東司(トイレ)便器交換工事-DIY編

檀家さんに利用いただいている客殿・東司(とうす=トイレのこと)の男子用小便器が古くなってきたので、新しい小便器と交換しました。
通常、小便器の交換となると、かなり大がかりな工事になるのですが、今回は今後のメンテナンスも含めて構造を確認する意味でDIYで行ってみました。
※給排水管の位置変更の必要がないためDIYでできました。

 

これまでの小便器がこちら。

20160902-05
皆様にきれいに使っていただいていることもあり、便器自体は綺麗なのですが、トラップ部が床面ぎりぎりに設置されており、この部分の痛みが激しくなっていました。
また、ガスケット部分(排水口とトラップ部分の目地シール)もかなり劣化しているようなので、新しいタイプの小便器に交換することとしたのです。

20160902-06

給水フラッシュ栓の位置は壁から75mm、排水口の位置は壁から180mm。

 

この寸法に合う新しい便器としてLixilのU-331RMにしました。
排水トラップは床面から10センチほど上に来ますし、トラップが陶器製なのでメンテナンスも簡単です。

交換予定の機種はそのまま付けられることがわかりました。
これさえ確認しておけば、あとは簡単。

既存の小便器の取り外し。
これは給水バルブの水を止めて、レンチでボルトを外せばOK。

便器を手前に倒す形で外せます。
(ただ、重量があるので、運び出しは2人いたほうがいいですね)

便器を取り外した後、従前のシーリングをハツって平らにします。

20160902-07


排水口に排水フランジと排水ソケットを取り付けます。
この際、ガスケット、シール材を用いて、しっかりと付けることが大切です。
小便器のトラブルの大半は、たいていこの部分の施工不良か、部材の劣化による水漏れのようです。

20160902-08

排水ソケットの上に、新しい小便器を重ねます。
ここにもシール材をきちんとつけ、両者を密着させます。

20160902-09

そして、既存のフラッシュバルブに接続。
壁・床と便器の隙間にシリコンシールを充填して密閉します。
20160902-10

これで工事完了。
実質半日の工事でした。

実質工事費
小便器 Lixil U-331RM 約2万円×4=約8万円(ネットより調達)
シリコンシール材 200円×4本
小便器処分 約3千円
------------------------------------------

 

さて、お寺では、トイレのことを東司(とうす)と呼びます。
修行道場での七堂伽藍の一つに東司を位置づけており、道元禅師は『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』にて日常の作法、トイレの作法についても定めています。

「東司で大小便をするにあたり、まず汚れを取り除いて貧・怒・痴を省みて無くします。水を使う時も貴重で大切な水であると心得ます。水を以て汚れを除く時、純粋な心を保ち、無垢清浄を保ちます。水を以て手を洗うことにより、清らかな手で、仏の教えを保ちます」
(『正法眼蔵』「洗浄」巻・意訳)

身をととのえることは、心をととのえることである

ということで、これからも東司をきれいに使っていただきますよう、よろしくお願い致します。

投稿者: kameno 日時: 2016年9月 2日 14:51

コメントを送る