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沖縄本土復帰50周年

沖縄がアメリカからの占領から本土復帰したのが戦後7年経過した昭和47年5月15日。

50年目を迎える令和4年5月15日、東京と沖縄の2会場を同時中継して沖縄の本土復帰50周年記念式典が開かれました。
政府主催の式典が2会場で行われるのは50年前の復帰当日以来のことです。

天皇皇后両陛下はこの式典にオンラインで出席されました。




天皇陛下おことば

沖縄復帰50周年に当たり、本日、沖縄と東京をオンラインでつなぎ、記念式典が開催されることを誠に喜ばしく思います。

先の大戦で悲惨な地上戦の舞台となり、戦後も約27年間にわたり日本国の施政下から外れた沖縄は、日米両国の友好と信頼に基づき、50年前の今日、本土への復帰を果たしました。大戦で多くの尊い命が失われた沖縄において、人々は「ぬちどぅたから」(命こそ宝)の思いを深められたと伺っていますが、その後も苦難の道を歩んできた沖縄の人々の歴史に思いを致しつつ、この式典に臨むことに深い感慨を覚えます。

本土復帰の日、中学1年生であった私は、両親と一緒にニュースを見たことをよく覚えています。そして、復帰から15年を経た昭和62年、国民体育大会夏季大会の折に初めて沖縄を訪れました。その当時と比べても、沖縄は発展を遂げ、県民生活も向上したと伺います。沖縄県民を始めとする、多くの人々の長年にわたるたゆみない努力に深く敬意を表します。

一方で、沖縄には、今なお様々な課題が残されています。今後、若い世代を含め、広く国民の沖縄に対する理解が更に深まることを希望するとともに、今後とも、これまでの人々の思いと努力が確実に受け継がれ、豊かな未来が沖縄に築かれることを心から願っています。

美しい海を始めとする自然に恵まれ、豊かな歴史、伝統、文化を育んできた沖縄は、多くの魅力を有しています。沖縄の一層の発展と人々の幸せを祈り、式典に寄せる言葉といたします。



岸田首相の式辞

本日、天皇皇后両陛下のオンラインでのご臨席を賜り、東京、沖縄それぞれの会場に内外から多数の賓客のご参列をいただいて、沖縄県との共催の下で沖縄復帰50周年記念式典を挙行できることは、大変喜ばしいことであり、沖縄県民のみならず、全ての日本国民にとって、誠に意義深いことと考えます。

昭和47年5月15日、沖縄は本土復帰を果たしました。
先の大戦で地上戦の舞台となった沖縄は、戦後、連合国による我が国の占領が終了した後も、長きにわたり、米国の施政下に置かれました。沖縄復帰は、このような苦難を乗り越え、沖縄県民そして国民全体の悲願として実現したものです。戦争によって失われた領土を外交交渉で回復したことは史上まれなことであり、日米両国の友好と信頼により可能となったものでした。
この50年、沖縄は着実に発展の歩みを進め、政府は5次にわたる振興計画や各種の特別措置等を講じ、その歩みを後押ししてまいりました。
復帰から50年を迎える本日、沖縄の歩んだ歴史に改めて思いを致し、沖縄県民のひたむきな努力に深甚なる敬意を表したいと思います。
アジアの玄関口に位置する地理的特性。亜熱帯の豊かな自然。独自の歴史の中で育まれてきた国際色豊かな文化や伝統。これらはいずれも沖縄ならではの魅力・可能性です。一方で、1人当たり県民所得の向上、子供の貧困の解消などの課題は、今なお残されております。
全会一致で成立した改正沖縄振興特別措置法等の政策手段により、沖縄の潜在力を最大限に引き出し、「強い沖縄経済」を実現してまいります。
「強い沖縄経済」の実現には沖縄産業の高度化・高付加価値化が重要です。私も担当大臣として創設に深く関与した沖縄科学技術大学院大学(OIST)では、多様な研究者や学生が 切磋琢磨せっさたくま する中で、真理を追求しています。このOISTにおける量子、バイオなど幅広い分野に係る世界最高水準の教育研究を推進し、また、その成果が社会に還元されるよう強力に支援します。
開業率が全国トップの沖縄は、創業意欲にあふれる地です。地元や民間の熱意により既に成果が出つつある取り組みをさらに後押しするため、科学技術スタートアップの拠点構築や支援を推進・強化します。
さらに、那覇空港第2滑走路や名護東道路など、重点的に整備してきたインフラを最大限活用し、観光業をはじめ沖縄産業の振興に取り組みます。
沖縄の更なる発展の鍵は、未来を担う子供 達たち にあります。引き続き、子供の貧困対策を沖縄振興の重要課題の一つと位置付け、着実に取り組みを進めます。人材育成の充実を図るため、地域ニーズを踏まえつつ、国立沖縄高専における観光等のプログラムの新設に向けた取り組みを進めます。
沖縄が独自の歴史の中で育んできた文化や伝統は、大きな魅力であり、沖縄は、国際的な交流拠点として大きな可能性を秘めています。
「 万国津梁ばんこくしんりょう 」の精神の下、 島嶼とうしょ 地域に共通する課題の解決に貢献できる国際的な人材の育成や人材交流等を推進し、平和創造の拠点としての沖縄の発展、国際的なネットワークの形成を目指してまいります。また、沖縄の象徴であり、県民の皆様の誇りである首里城の正殿について、令和8年秋の完成を目指し、本年11月に建築に着手し、関連のセレモニーを開催いたします。
復帰から50年がたつ今もなお、沖縄の皆様には、大きな基地負担を担っていただいています。政府として、このことを重く受け止め、引き続き、基地負担軽減に全力で取り組んでまいります。
在日米軍施設・区域の整理・統合・縮小を進めており、返還された跡地は、沖縄の将来の発展のためにご利用いただくものになります。その一環として、キャンプ瑞慶覧のロウワー・プラザ住宅地区については、返還に先立って、緑地公園として県民の皆様にご利用いただくことを、近く日米間で合意いたします。来年度中の利用開始に向け、必要な準備を進めてまいります。
これからも、日米同盟の抑止力を維持しながら、基地負担軽減の目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げてまいります。
復帰から50年という大きな節目を迎えた今日、私は、沖縄が、アジア太平洋地域に、そして世界に、力強く羽ばたいていく、新たな時代の幕が開けたことを感じています。
復帰から今日に至る沖縄県民のたゆまぬ努力と先人達のご尽力に改めて敬意を表するとともに、世界の平和と沖縄の更なる発展を祈念し、私の式辞といたします。


今年はロシアのウクライナ侵攻など世界全体の安全保障の枠組みが大きく変化した年になりました。
また、東シナ海などで中国の軍事的圧力が強まる中、沖縄の今後は日本全体の安全保障にも直結する問題をはらんでいます。

激動の時代にあって、今後どのように歩みを進めていくのか、動向が注目されます。


これまで、当ブログで書いてきた沖縄関連の記事をいくつか振り返ってご紹介します。


観音様胎内での演奏会 2008年6月23日

鹿児島檀信徒研修旅行(5) 2008年11月22日

歴史カフェ-義烈空挺隊と特殊攻撃隊 2009年1月12日

迷走する普天間移設問題 2010年3月 5日

横浜刑務所とテニアン北飛行場 2010/05/26

摩文仁平和祈念公園 2010年6月16日

ウシ:ノースフィールド 2011年11月19日

祈りと願いのキャンドルナイトin大船観音 2012年6月24日

突然の米軍夜間着陸訓練 2012年5月24日

南大東島のシュガートレイン復活へ 2013年9月24日

日吉にあった海軍連合艦隊司令部(1) 2013年10月23日

投稿者: kameno 日時: 2022年5月15日 16:23

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