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2012年12月19日
大学キャンパスの門は、東大=赤門、中央大学=白門のように、有名なものがたくさんあります。
早稲田大学の門は﹁無門の門﹂と呼ばれます。
この写真は大隈講堂の時計台から眺めたキャンパスです。
大隈講堂前広場に大きな入り口︵正門︶があり、この門は幅18mメートルの門柱・塀・扉もない開放的な門です。
﹁早稲田に来る者を拒まない﹂ことを意味し、誰でも自由に出入りできるようになっています。
貞昌院の三門は、このような感じです。
門構えはありますが、常に開いています。
こちらも誰でも、いつでも境内に入ることができます。
︵けれども最近はセキュリティーの関係で、夜間はガッチリ閉められてしまっているお寺も多いですね。残念です︶
これは一切衆生が仏門に入る事を拒まない仏の大慈悲心を表しています。
ただし、禅寺の山門は、境内に至る第一の関門︵結界︶であり、横木が渡っています。
これは、門を越えて中に入る際には、﹁聖﹂の世界に入るという覚悟を持って、身も心も浄くして通過するという重みがあります。
誰でも入るものを拒まないとともに、入るものはそれなりの覚悟が必要であるということです。
様々な建物、施設には﹁門﹂があります。
それぞれがどのような意味合いを持ち、どのような構造になっているのかを知ることは大切なことでしょう。
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蛇足ですが、禅の祖録に﹃無門関︵むもんかん、無門關︶﹄というものがあります。
これが英訳された際に、当初は﹃Gateless Gate﹄となっていたそうです。
何だか、﹁無門の門﹂のような感じで、哲学的な深淵な意味を持っていそうな感じですが、これは大いなる誤訳でした。
﹃無門関﹄は、中国宋代の禅僧﹁無門慧開﹂によって編集された公案で、﹁無門による公安集﹂です。
﹃無門関﹄には﹁趙州狗子﹂など、有名かつ難問が収録されていますので、禅に興味のある方には一読をお勧めします。