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2010年6月 3日
メモリアルデー‥日系戦没者を追悼―エバグリーン墓地で諸団体が式典
メモリアルデーの5月31日、第2次世界大戦と朝鮮戦争、ベトナム戦争で戦死した日系兵士が多く眠るボイルハイツのエバグリーン墓地の各所で日系諸団体による追悼式典が催された。
今年で61回目の二世退役軍人協会主催の追悼式典は、第442連隊のイタリア戦線で手榴弾に覆いかぶさって自ら犠牲になり仲間の命を救ったサダオ・ムネモリ上等兵を記念して建立された殉国碑前で行われた。
遺族や戦友、友人、日系諸団体の代表ら約200人が参列。各代表が壇上であいさつし、日系兵士の功績を称え英霊を慰めた。日系20団体の代表が1人ずつ献花。日系名誉戦没者の名が読み上げられ、海兵隊員が礼砲、ラッパ吹奏で弔った。
日系二世兵で編制した第100大隊、442連隊の退役軍人の多くが今年も元気な姿を見せた。同隊は米戦史の中で最も勇敢に戦ったうちの1つであると高い評価を得ている。
毎年の式典参加を欠かしたことのない元442連隊歩兵ヒロ・ニシクボさん︵89︶は、22歳で徴兵された。17週間の戦闘訓練の後、1944年にフランスへ送られ前線で戦った。
ドイツ軍との交戦で﹁戦闘毎に多くの仲間を失った﹂と、激戦を振り返りながら、﹁戦死者のみならず、国家のために戦ったすべての兵士がヒーローであり名誉戦士となるべき﹂と述べた。この日は、4人の亡き戦友の墓前で冥福を祈っていた。
南加日系婦人会︵柴洋子会長︶は、同会が1937年建設した戦没者慰霊塔を囲み式典を催し、日系の各会や各地区からの代表ら約40人が列をなし焼香を上げた。司式を執行した禅宗寺のルメー大岳総監は、﹁日系社会のために犠牲となった先祖を今一度思い起こし感謝してほしい﹂と諭した。
柴会長によると、慰霊塔は婦人会が呼びかけ日系社会の協力を得て完成させた。除幕式での﹁感涙にむせぶ…﹂という記録が残されており、排日という逆境下で社会を着実に築き上げた先人の思いの深さが伝わってくる。53年には天皇陛下が皇太子時代に墓参した際に、月桂樹2本を植樹された。
柴会長は、﹁先人たちはすばらしい﹃武士道の魂﹄を持っていたと思う。果敢に戦った﹂と称え、﹁活躍と功績を思うと、胸が打たれる。社会のために献身してくれた﹂と哀悼の意を表した。
︵Rafu Simpo 2010年6月2日︶
アメリカにおける日系人社会は、第二次世界大戦によって、それまでに築き上げられてきた地盤が根底から覆されてしまいました。特に僧侶や教師は厳しく収容所に監禁され、寺院や学校は強制的に閉鎖させされてしまいます。
収容を免れた一般の日系人はアメリカに忠誠を誓うことで排日感情を少しでも和らげ、名誉を回復する努力を試みます。実際、戦後のアメリカ社会における日系人の地位を飛躍的に向上させることが出来たのは、日系二世部隊の忠誠心によるものが大きいといえましょう。
慰霊法要の導師をつとめられた北アメリカ国際布教総監・ルメー大岳老師の﹁日系社会のために犠牲となった先祖を今一度思い起こし感謝してほしい﹂という言葉は、日本にいる私たちにも心にとめておくことが大切だと思います。
なお、今月9日︵水︶午後2時過ぎより大本山總持寺において SOTO禅インターナショナル主催による講演会 が予定されており、ルメー大岳総監にお話をいただきます。講演に先立ちまして、国際布教関連物故者法要が営まれます。
■追記
1998年に徒弟研修に随行して記事中にあるエバグリーンの墓地へ訪問したことがあります。
エバグリーン墓地はイーストロサンゼルスの西に隣接する墓地です。一面芝生が植えられており、整然と平板の墓石が並び、その墓地の中心に戦没者慰霊塔が建立されています。
ハマチャン様
なるほど、戦後日本の測量技術にも元アメリカ軍日系二世軍人の果たしてきた役割は大きいのですね。
それら一つひとつを伝えていくことは大切ですね。
投稿者 kameno | 2010年6月 3日 11:41