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2007年10月22日
プチ修業、カフェ、僧衣ファッション…お寺で﹁癒やし﹂
お寺を若い世代の癒やしの場にしようと、斬新な取り組みが盛んになってきた。日帰りの座禅や写経体験講座の参加者は増え続け、お寺に併設したカフェが人気だ。12月には築地本願寺︵東京都中央区︶で、複数の宗派の僧侶が集まり、僧衣のファッションショーも開催される。
○敷居を低く
浄土真宗本願寺派︵西本願寺︶東京別院である築地本願寺で12月15日に行われるのは、日蓮宗をはじめとした各宗派の共同企画﹁TOKYO BOUZ COLLECTION︵東京ボーズコレクション︶﹂。宗派の垣根を越えた初の試みとなる。
僧衣たちが、それぞれの宗派の僧衣を身にまとってファッションショーを繰り広げる。袈裟や法衣は、宗派によって色や形、模様は多種多様。それらが一堂に会する。
また、ダンスとラップを組み合わせた法話会、1、2時間ほどで座禅、写経、写仏を行う“プチ修行体験”、永六輔さんらの講話なども開催する予定。浄土真宗には“修行”という概念がないため、日蓮宗の僧侶が取り仕切るが、築地本願寺で修行が行われるのも、従来では考えられないことだそうだ。
無料で参加でき、﹁文化祭のようなノリで行う﹂︵主催する東京ボーズコレクション実行委員会︶という。
︵産経新聞︶
まず、報道の見出しですが、修業→修行ですね。
お寺の敷居を低くするというための方法論・方向性がどうかという論議は置いておいて、最近は若い世代を中心に仏教ブームがおこっているということは事実のようです。
各地の寺院で開催されている坐禅会や写経会にも若い方の参加が増えてきているようです。
12月に開催される超宗派による東京ボーズコレクション、なんだか面白い企画ですね。
浄土真宗の寺院で修行というのも、実に思い切った企画を考え付いたものです。
様々な宗派の法衣が次々と披露されていくのはさぞかし壮観でしょう。
曹洞宗の法衣は黒衣+木欄が基本なので他宗派と比べるととても地味ですが、他宗派に負けない迫力はあると思います。
参考として、先日天台僧侶と檜ホールでの演奏会ステージで並んだ写真をご紹介します。
左が曹洞宗、右が天台宗です。
○築地本願寺は、12月末までの期間限定で﹁カフェ・ド・シンラン﹂を親鸞聖人像横に開いている。健康で環境に配慮したライフスタイル﹁ロハス﹂を提唱する月刊誌﹁ソトコト﹂編集部が企画・運営。築地本願寺が境内駐車場の一角を貸し、実現した。
カフェメニューのほか夕方からはライトアップされた本堂を眺めつつお酒を飲み、築地市場の旬の魚などを使った料理が楽しめる。
ソトコト編集部が築地本願寺に今春、カフェ計画を提案。京都の西本願寺に同意を取り付けるなど、半年がかりで準備を進めた。営業は午前11時半から午後11時まで。
日曜祝日は休み。
この27日には﹁カフェ・ド・シンラン﹂で“仏像ガール”こと、廣瀬郁実さんのトークショーも行われる。廣瀬さんは﹁いっきゅー﹂の愛称で活躍する、20代の仏像コラムニスト。﹁仏像をポップに伝えていきたい﹂という、わかりやすい解説が好評だ。
仏像ガール・・・・・・
仏像ガールこと廣瀬さんは三度の飯より仏像が好き!というライターさんですね。
お寺イベントにいこー!というカテゴリーがありますが、工事中になっているのが残念。
是非 ゆめ観音 にもふらりと来て欲しいものです。
カフェ・ド・シンランは、前を通ったことはありますが入ったことはありません。
しかし、精進料理ではなくってイタリアンなんですね。
既成概念にとらわれない自由な発想ということなのでしょう。興味深いものです。
築地本願寺では様々なイベントが開催されています。
8月には﹁本願寺LIVE 他力本願でいこう!﹂というひたすら ライブ×法話×法要 という祭典があります。
昨年の様子 一昨年の様子
高野山金剛峯寺︵和歌山県高野町︶が南海電鉄と組み、東京・青山で9月中旬に6日間限定で開いていた﹁高野山カフェ﹂もたくさんの人でにぎわった。名物の高野豆腐などの健康食材を使った﹁精進ランチ﹂などを提供し、写経や瞑想、法話の体験講座も行える。
若い女性をターゲットにした全7回の体験講座は、いずれも初体験者らで満員。﹁心を無にすることができた﹂﹁文字に集中する体験ができた﹂と人気だった。
“お寺カフェ”としては、東京・神谷町の光明寺境内の﹁神谷町オープンテラス﹂が先駆け。お寺を地域の憩いの場にしようと、2005年5月に始まった。普段は参詣者の休憩場所として開放し、特定の曜日に住職がお茶やコーヒー、和菓子などを出す。料金は、さい銭箱に﹁お気持ち﹂を入れるのが作法だ。
リラクゼーションの場としても人気がでてきた寺院に、旅行会社も動き出した。
はとバス︵東京都大田区︶は、東京と神奈川にある有名寺院をめぐる﹁四大本山めぐり 巡礼の旅﹂ツアーの販売を始めた。鶴見総持寺︵横浜市鶴見区︶、高尾山薬王院︵東京都八王子市︶、芝・増上寺︵同港区︶、池上本門寺︵同大田区︶の4つのコースがあり、僧侶指導のもと座禅や写経なども体験できる。
20?30代の女性が自己を見つめるためや、団塊世代の新たな趣味として、座禅や写経体験で寺を訪れることが、数年前から静かなブームになっているが、“癒やしスポット”として、ますます人気が高まりそうだ。
東京・青山で開催されたの高野山カフェも大盛況だったようです。
築地本願寺や高野山カフェ、とかお寺カフェ、神谷町オープンテラスのような癒し空間は、たとえばお寺の客間から禅庭を眺めながら抹茶や和菓子をいただくというこれまで寺院が有してきたことを派生させたものであり、特に目新しいものではないですね。
ただ、そのような癒しの場をどのように提供できるのか、その方法論は参考になる部分も多々あります。
記事の最後にある﹁四大本山めぐり 巡礼の旅﹂ツアーは、東京近郊の寺社を巡るツアーです。
曹洞宗大本山總持寺もそのコースに入っているわけですが、今年6月に私たちSOTO禅インターナショナルにて開催した講演会にも、このツアーに参加された方が聴講にお立ち寄りくださいました。何かの縁ですね。
若い世代に広がる仏教ブーム・プチ修行体験。
これからどのような展開を見せるのでしょうか。
プチ修行と対極にあるニュースが入ってきました。
千日回峰行で戦後12人目の﹁堂入り﹂達成 比叡山
比叡山の峰々を1千日間にわたって巡る荒行、千日回峰行に挑んでいる延暦寺の大乗院住職、星野圓道︵えんどう︶師︵32︶が21日未明、最難関の﹁堂入り﹂の行を達成した。13日から9日間、大津市坂本本町の無動寺谷明王堂︵むどうじだにみょうおうどう︶にこもり、断食、断水、不眠、不臥︵が︶で不動明王の真言を唱え続けた。満行した行者は6年ぶりで戦後12人目。
﹁堂入り﹂の行を達成し、明王堂から姿を現した星野圓道師︵中央の白装束︶=21日午前2時56分、大津市の比叡山で、代表撮影
星野師は午前2時55分、鐘の音とともに明王堂から姿を現した。ほおはこけ、疲れ切った様子ながら、介添えの僧侶に両脇を抱えられて約600人の信者の前をゆっくりと歩んだ。
堂入り後は他人のために祈り、比叡山の山中だけでなく京都市内などを巡る。星野師は09年に1千日に到達する予定。
︵朝日新聞2007年10月21日︶
2009年までの気の遠くなるような行です。
千日回峰行は総じて7年間掛かけて行われますが、満行に向けて、行うべき内容は徐々に厳しくなっていきます。
1?3年目
各年100日以上、定められた礼拝場所260箇所を巡り30キロの山道を駆け抜けます。
4?5年目
各年200日以上、上記の行をおこないます。
堂入り
9日間、断食、断水、不眠、不臥の中で不動真言を只管唱えます。
そして、これからは﹁生きた不動明王﹂として加持を行い、衆生を救済する﹁利他行﹂の段階へと進んでいきます。
6年目
年100日以上、5年目までの行程に加え京都赤山禅院までの往復が加わります。一日の行程は実に60キロ。
7年目前半
100日以上、京都赤山禅院までの往復+京都市内の行程が加わり、一日の行程は84キロ。
7年目後半
元の30キロの行程に戻り、100日上行い、満行へ。
まさに自らの死と向かい合った厳しい行であるのです。
まさに仰るとおりだと思います。 アンテナを広げてそのような声にきちんと耳を傾けることができるよう肝に銘じます。 その声に応えることができるよう、そして仏教の温かさを伝えられることができるよう精進していきたいものです。 投稿者 kameno | 2007年10月23日 12:59