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貞昌院本堂に祀られている釈迦牟尼佛像は、小千谷の彫刻家・長谷川雅宣氏の作です。
平成3年(1991年)に開眼供養が行われました。
昭和63年12月 小千谷のアトリエにて貞昌院本尊を製作中の雅宣氏
長谷川雅宣氏は、明治36年(1903)、新潟県新発田町(現新発田市)に生まれました。
本名は長谷川宏。
子供のころから彫刻に興味を持ち、高村光雲(彫刻家、高村光太郎の父)のような彫刻家になることを夢見ていたそうです。
また、「心の位をもった立派な人になれ」という新発田藩士だった祖父のが口ぐせが、少年時代の長谷川雅宣氏の心に深く刻まれたことばでした。
雅宣氏は、東京に出て、苦学をしなから東京美術学校(現在の・東京芸大) 彫刻科木彫部に入学、関野聖雲・北村西望先生に師事し彫刻の椀を磨き、東京美術学校卒業後は、彫刻家としての道を進みました。
昭和7年帝展に初入選、同9年に九元社を創設、昭和13年能美会会員となります。
昭和15年には、帝国芸術院会員の彫刻家佐藤朝山先生に依嘱され、皇居前広場に残る和気清麻呂像を製作。
昭和20年新潟県小千谷町(現小千谷市)に疎開、以来雪深い越後の地にあって彫刻家として一途の生活を送ります。
昭和33年創型会同人、同46年仏教美術協会各員となり、東京都美術館や日本橋三越などで作品を発表し続けてきました。
最近作に普賢菩薩像・文殊菩薩像・降魔像(曹洞宗ハワイ別院)・阿弥陀像・良寛像・魚藍観音像(足立兵術館蔵)、慈母観音像・滝見観音像・白衣観音像・千手観音像など多数の仏像作品があります。
このほか東京浅草の浅草寺五重塔再建の際に日本の名匠として選ばれ、二体の聖観音像を彫刻。
現在木彫の仏像彫刻家は極めて少なく、雅宣氏は、数少ない昭和の仏像彫刻家の一人でもありましたが平成2年春87歳の高齢で惜しまれつつこの世を去りました。
貞昌院の釈迦牟尼佛像が、長谷川雅宣氏の最期の仏像となったのです。
今年の秋・文化の日を中心に、彫刻家・長谷川雅宣氏の作品展が、活動の拠点であった小千谷にて開催されます。
中越大震災復興祈念事業
彫刻家長谷川雅宣(がせん)作品展
日時/平成19年10月31日(水)?11月6日(火)
午前10時?午後6時
会場/小千谷市民会館
内容/長谷川雅宣作品展=木彫、デッサン画、石膏原形作品
主催/小千谷市・小千谷市教育委員会
入場無料