五観の偈(ごかんのげ)

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五観の偈(ごかんのげ)
食事のまえに


 みなさんは、食事のまえに「いただきます」とおとなえすると思います。
 曹洞宗にも食事(じきじ)作法というものがあり、修行僧はその作法に則って食事をいただきます。 ここにご紹介する五観の偈は、その中で親しみやすい偈文ですので、食事の前に是非おとなえしてみてください。


 合掌して黒い部分を読んでいきます



 この一椀の食物は、たとえ一粒のお米、一茎の菜といえども、それが耕作され、種蒔かれて・・と限りない人々の手を経て、いま自分に与えられていることを思い、感謝していただきましょう。


 こうして無限のめぐみによる食物をいただくについては、常に反省を忘れず、その恵みに値するよう、自己の向上を目指しましょう。


 美食に向かえば貪りの心をおこし、粗末な食膳には怒りと不満をいい、毎日同じ食事にあえば愚痴をこぼす私達の心のゆくえを熟視し、これらの三毒の迷いを改めましょう。


 薬は甘苦によって増減してはいけない。日々の食物は、この生命を支えるためにあり、美味・不味・好き嫌いの心を離れていただきましょう。


 食物をいただいてこの身心を支えると共に、一切の生命に感謝し、この日々を、自他の向上としあわせを目指し、毎日を大切に生きていきましょう。


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