今年6月22日に開業した東京スカイツリ―。
完成直前には東日本大震災の大きな揺れが工事中の東京スカイツリーを襲いましたが、大きな被害は無く予定通り完成しました。
地震の揺れを抑えることに大きな役割を果たしたのが、五重塔に用いられている「心柱」です。
五重塔は縦に長いため、一見地震には弱いように見えますが、心柱の免震構造によって日本各地の五重塔は地震を乗り越えてきました。
日光東照宮では、東京スカイツリー開業にあわせて、重要文化財・五重塔の「五重塔初重内部心柱特別公開」を行なっています。
東照宮の五重塔は、慶安3(1650)年に初代若狭小浜藩主酒井忠勝公により寄進された初代の塔が文化12年に焼失したため、文政元(1818)年十代藩主酒井忠進公によりに再建されたものです。
高さ約36メートル。
漆塗り、極彩色が映える色彩豊かな塔です。
塔の中心を貫く心柱は、金箔が貼られ、上から鎖でつり下げられています。
床下の心柱最下部がライトアップされていて、構造が見えるようになっていました。
最下部では心柱が数センチ浮いています。
東京スカイツリーのデザイン監修を行った東京藝術大学学長・澄川喜一氏らがこの構造を現代の塔に取り入れ、心柱免震制御システムとして大きな役割を果たしているのです。
東照宮は標高がちょうど634mというのも何かの縁なのかも知れませんね。
日光からの帰りも東武特急を利用しました。
終点に近づくに連れて車窓には東京スカイツリーが大きく見えてきます。
日本の伝統技術が現代に生かされているということは素晴らしいことです。
※このブログ記事の写真はXperia mini proで撮影しました。
今から46年前に、大阪の放送局の敷地内に大阪タワーという電波塔が建設されました。狭い敷地の中に建てる事になったため五重塔の原理を応用したものになりました。地上からの高さが160m、102mの場所に展望台があり、上部はテレビ、ラジオのアンテナの役割をしていました。
この放送局が4年前に移転した事と、老朽化(阪神淡路大震災の影響)などで解体されましたが・・・・
スカイツリーを映像で見る限りでは、五重塔の原理を応用しているように見受けました。鉄骨の組み方を見ていても大阪タワーに似ているのかな?と思っています。
投稿者 天真 | 2012年7月13日 22:45
天真さん
大阪タワーは実際に見たことは無いのですが、四角い断面の鉄骨構造が寺院の梁構造の影響を受けている建築物であると記憶しています。
風や地震の際には柳のようにしなって耐える仕組みは古来からの智慧ですね。
それに加えて、心柱による耐震を施したものがスカイツリーということでしょう。
投稿者 kameno | 2012年7月14日 07:49