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平成7年の阪神・淡路大震災、平成16年の新潟県中越地震、そして今年の東日本大震災では震源から離れた住宅地でも被害が発生しました。
特に液状化現象については深刻な被害となった地域も多く、当ブログでも記事にしております。
⇒液状化現象の危険に備える
もう一つ、大都市近郊に見られるような、大規模に谷を埋めた(いわゆる盛土)造成宅地も被害を拡大させる要因となりうることから、自分の住んでいる場所がどのような場所であったか、その土地の歴史に関心が高まっています。
歴史講座や災害対策の話し合いの中でも、何処が盛土で何処が切土なのかを知りたいという要望が多く出ていました。
そこで、本日は平成18年度から21年度にかけて横浜市で行われた大規模盛土造成地の分布状況の結果をご紹介します。
宅地造成等規制法では、宅地造成工事規制区域(=宅地造成に関する工事について規制を行うために指定をした、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域)として、次のような場所には都道府県知事の許可が必要となります。
(1)切土で、高さが2mを超える崖(30度以上の斜面)を生ずる工事
(2)盛土で、高さが1mを超える崖を生ずる工事
(3)切土と盛土を同時に行う時、盛土は1m以下でも切土と合わせて高さが2mを超える崖を生ずる工事
(4)切土、盛土で生じる崖の高さに関係なく、宅地造成面積が500㎡を超える工事
このデータと古い地形図、航空写真、地形データを重ね併せて地図上にマッピングしたのが建築局 指導部 宅地企画課で作成された「大規模盛土造成地の状況調査結果図」(PDF・739kB)です。
■調査方法
横浜市域、約435平方キロメートルうち、平地部、丘陵部の自然地形、ゴルフ場、森林区域及び埋立地等を除く、約312平方キロメートルを調査対象区域とした。
■ 大規模盛土造成地の状況は、造成前の地形データとして、古い地形図・航空写真に平成14年度から19年度の地形データ(デジタルマッピングデータ)を重ね合わせ、その標高差から大規模盛土造成地を抽出(谷埋め型は、調査データの精度の関係から高さ2メートル以上のものを含む一連の盛土部分を抽出)した。
■大規模盛土造成地として盛土の面積が3,000平方メートル以上(谷埋め型)又は盛土をする前の地盤面の水平面に対する角度が20度以上で、かつ、盛土の高さが5メートル以上(腹付け型)のものを調査の対象とした。
「大規模盛土造成地の状況調査結果図」(PDF形式・739kB)を見ると、横浜市郊外、例えば港南区は真っ赤っ赤になっおり、盛土造成地のエリアがかなり目立ちます。
そのうちの谷を埋めた部分(盛土)の部分が赤で囲まれた部分として示されています。
丸山台や港南台が山を削り、谷を埋めて平らにした大規模住宅街であることもよく判ります。
(昭和40年代後半に行われた丸山台の宅地造成・写真は『港南の歴史』より)
自分の住んでいる場所が盛土なのかどうかが一目瞭然ですね。
防災、減災の上で、現状を把握しておくことは大きな意味があります。
税金を投入して作成された誰でも利用することが出来る図面ですので、大いに活用していきたいものです。