大船の街を見守る大船観音。
その白衣観音像がどこを向いて鎮座しているのでしょうか。
今日はそれを検証してみましょう。
以前、大船観音の頭上に登らせていただいたことがあります。
その時に目線の先にを辿ると、大船から鎌倉方面に延びる横須賀線の曲線、その向こうに見える山々。
概ね大体鎌倉市街地中心部のほうを向いているということはなんとなく判っていました。
Google earthでどこに向いているかを詳細に検証してみます。
図の赤い線が目線です。
大船観音の目線の先には鎌倉大仏(もしくは長谷観音)があるという噂がありましたが、実際はそれよりもやや東。
鎌倉駅と鎌倉大仏の間を通って由比ガ浜に抜けています。
もしかすると、昭和4年の初期の大船観音建造時には鎌倉大仏に向けて観音像を設計していたのかもしれません。
そうだとしたら概ね鎌倉大仏に向けようと建造したものの、若干の誤差が生じてしまったのでしょう。
では、鎌倉大仏はどこを向いているのでしょうか。
こちらもGoogle earthで調べて見ます。
真南よりやや西側を向いていますね。
だいたい伊豆大島の方向を向いていているようです。
ただし、鎌倉大仏に関しては、室町時代の津波で移動しているようですので、大仏殿に収まっていた当初は真南を向いていたのかも知れません。
ついでといっては何ですが、自由の女神像がどちらを向いているかも調べてみると・・・・・
湾を越えて・・・・・・
南アメリカ大陸の東側を向いていることがわかります。
フランスは自由の女神から見て左の方向ですね。
自由の女神像は、送り主のフランスの方向を向いていると思われがちですが、決してそうではありません。
建造物がどの方向を向いているかということは、非常に重要な意味をもちます。
前に港南図書館で開催された「横浜港の七不思議講演会」で、田中先生は横浜港開港当初の主要な建物は開港したての「横浜港」の方向に向けられていたということを検証されていました。
それぞれに隠された意味を探るということも面白いことですね。
> kameno先生
面白い記事をありがとうございました。
なるほど、何か特定の物を見ているというわけではないんですね。
鎌倉の大仏って、阿弥陀仏でしたっけ?それなら西を背にして東を向いていても良さそうな気もしましたが・・・
投稿者 tenjin95 | 2009年11月25日 04:00
私も、神社仏閣がどの方向を向いているのかが気になります。
何時もの散歩道の途中の山の中にある「十二社神社」。
このお社は富士山の方向を向いています。どの十二社神社も富士山の方向を向いているのか?
今、少しずつデータ収集中ですが、意外に十二社神社の数が少ないので捗りません。
投稿者 うさじい | 2009年11月25日 05:48
tenjin95さん
鎌倉大仏は仰るとおり阿弥陀如来ですが、国宝であるにもかかわらず、開山・開基も判っていませんし、元々この地にあったかも不明のようです。謎が多いですね。
海の向こうに浄土の世界を観じていらっしゃるのでしょうか。
うさじい様
神社仏閣の向いている方向、位置関係を体系化してみるだけで貴重な資料が構築できますね。
十二社神社が本当に富士山を向いているのかを検証してみることも興味深いものです。
蛇足ですが、貞昌院は本寺様の方向(本堂正面が北西方向)を向いて居りました。
(偶然なのかもしれません)
投稿者 kameno | 2009年11月25日 10:45
よくわかりました。ありがとうございます。
投稿者 Anonymous | 2018年5月19日 09:42