言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか10

しばらくインターバルを空けてしまいましたが続きを書いて行きたいと思います。

言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか1
言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか2
言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか3
言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか4
言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか5
言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか6
言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか7
言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか8
言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか9


確率論を考慮した多値論理真理表の作成

前回(言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか9)の相関関係というアプローチとは視点を変えて、p、qそれぞれの可能性という観点から真理表を構築してみましょう。
複雑を避ける意味から、ますは簡単のために三値の真理表について検討してみます。

pが1である確率(可能性)をa、qが1である可能性をbとします。(0≦a≦1、0≦b≦1)

 

表1 真偽値不明の命題がとりうる真偽値

命題 p

命題q

確 率

1

1

ab

1

0

a(1-b)

0

1

(1-a)b

0

0

(1-a)(1-b)

 

当然全ての確率を合計すると、

ab+a(1-b)+(1-a)b+(1-a)(1-b)=ab+a-ab+b-ab+1-a-b+ab=1

となります。

pという命題はaだけ確からしいとし、qはbだけ確からしいということでありますから、それぞれの確率と値は表2のようになります。

表2

命題 p

命題 q

確 率

p∧q

p∨q

p⊃q

p≡q

1

1

ab

1

1

1

1

1

0

a(1-b)

0

1

0

0

0

1

(1-a)b

0

1

1

0

0

0

(1-a)(1-b)

0

0

1

1

表1と表2から、三値の真理表を構築することができます。

表3 p∧q

p? q

1

b

0

1

1

b

0

a

a

ab

0

0

0

0

0

表4 p∨q

p? q

1

b

0

1

1

a

1

a+b-ab

a

0

1

b

0

表5  p⊃q

p? q

1

b

0

1

1

b

0

a

1-a+ab

1-a

0

1

表6  p≡q

p? q

1

b

0

1

1

b

0

a

a

1-a-b+2ab

1-a

0

0

1-b

1

 

以上、表3?6のように記述することができます。

a,bにそれぞれ任意の値を代入することによって、命題が真である確率が求められます。
この値が1となれば、真である確率が1、すなわち命題自体が真。
真である確率が0であれば、命題自体は偽であるということになります。

(以下つづく)

投稿者: kameno 日時: 2008年1月16日 10:00

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