言語表現はいかにして多値論理体系で説明できるか11

ブール束との整合

元の数が有限なブール代数を有限ブール代数といい、この有限ブール代数は極めて簡単な構造をとります。
もっとも簡単なブール代数は2つの元、すなわち零元と単位元のみからなります。
零元に0、単位元に1を当てはめたものをブール代数B2といいます。
B2および直積B2に限定した演算をブール演算または論理演算といい、デジタル回路に応用される重要な関数です。
零元、単位元を電圧の高低二値に置き換えて表現したものです。

さて、これまで得られた三値の真理表について、ブール演算と整合させるために、真偽値不明の変数 a、γ にそれぞれ 0 または 1 を代入すると、次の表が得られます。

表1 p∧qの真理表

p?q

1

a

b

0

1

1

a

b

0

a

a

a

0

0

b

b

0

b

0

0

0

0

0

0

表2 p∨qの真理表

p?q

1

a

b

0

1

1

1

1

1

a

1

a

1

a

b

1

1

b

b

0

1

a

b

0

表3 p⊃qの真理表

p?q

1

a

b

0

1

1

a

b

0

a

1

1

b

b

b

1

a

1

a

0

1

1

1

1

表4 p≡qの真理表

p?q

1

a

b

0

1

1

a

b

0

a

a

1

0

b

b

b

0

1

a

0

0

b

a

1

これらは これまでに論述した四値の真理表と同値であります。

真理表がブール束構造を持つためには、真偽値が不明であってはなりませんから、前回述べたような将来時点においても真偽値不明な思考については、人間の思考はブール束構造を持たない場合も当然に考えられるでしょう。

近年のスイッチング回路の発達により、0、1の他に2という値を入出力可能な回路が開発されました。この三値の回路によって情報の効率的な処理が可能になるといいます。
しかしながら、上記四値の真理表を以ってしても、人間の、ブール束構造越えた思考領域のほんの僅かな一面を表しているに過ぎないと言えそうです。

(以下つづく)

投稿者: kameno 日時: 2008年1月17日 07:28

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