貞昌院では、15年ほど前から境内駐車場の一角に﹁廃油回収BOX﹂を設置し、皆様のご協力をいただき、てんぷら油などの﹁廃油﹂をお持ちいただき、回収させていただいております。
﹁廃油回収BOX﹂の位置は、参拝モノレール﹁まいれ~る﹂乗場のすぐ脇です。
ここ数年、バイオディーゼル関連として、次世代航空燃料﹁SAF﹂︵=Sustainable Aviation Fuel︶の原料として、天ぷらや揚げ物の調理で使い終わった植物油︵廃食油︶の需要が高まっているという報道が目に付くようになりました。
SAFの需要は世界中にわたり、今後ますます廃食油は争奪戦が激しくなるかも知れません。
図は資源エネルギー庁の参考資料﹁持続可能な航空燃料︵SAF︶﹂より引用
次世代航空燃料﹁SAF﹂は、冒頭で述べたように廃食油のほか、藻類などをもとに生産されます。燃料が燃焼するときに排出されるCO2は、原料の植物が光合成で吸収した量と相殺されるため、原油由来の通常のジェット燃料に比べ、CO2排出量が8割ほど削減できるということです。
図は資源エネルギー庁の参考資料﹁持続可能な航空燃料︵SAF︶﹂より引用
また、﹁SAF﹂の原料となる廃食油の需要も伸び、価格高騰しています。
全国油脂事業協同組合連合会︵全油連︶の資料によると、国内の飲食店など事業所から回収される廃食油38万トンのうち、これまではほとんど家畜の飼料に再利用されていましたが、近年はSAFを製造する国への輸出へ回す量が急増し、2015年から2021年にかけて4倍に増加し、取引価格も4倍近く(120円/kg)に高騰しています。
しかし、肝心の廃油回収に当たっては、まだ回収方法がきちんと確立されいない現状にあります。
実に、家庭から排出される廃食油年間10万トンのうち、そのほとんどがリサイクルされず、凝固剤で固められ可燃ごみで処分されているということです。
家庭から出る廃食油は、是非、捨てずに貞昌院の回収ボックスにお持ちください。
お寺にお参りの際に、是非油をご持参ください。常設ですのでいつでもかまいません。
檀家さん以外の方からの持ち込みも歓迎します。
お持ち込みの方法としては、ご家庭で使用した油を﹁固めず﹂に集めておき、容器に入れて ﹁廃油回収BOX﹂に入れてください。
﹁廃油回収BOX﹂の中にご持参くださった状態︵ペットボトルや缶などに詰めた状態︶のまま入れておいてくだされば、貞昌院で取りまとめさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
なお、油の種類によっては精製不可能なものもあります。︵下表参照︶
回収 可能 な油 (〇) | 回収 不可能 な油 (×) |
・菜種油(キャノーラ) ・大豆油 ・コーン油 ・サンフラワー油 ・ヒマワリ油 ・綿実油 ・ゴマ油 賞味期限切れの未使用油でも構いません。 | ・牛脂 ・豚脂(ラード) ・魚油 ・ヤシ油 ・パーム油 ・ショートニング ※ 固めた油、水分を多く含んだ水、ひどく汚れている油などは植物性でも回収不可能です。 |
廃油から、バイオ燃料として精製され、新たな燃料として生まれ変わります。