貞昌院では﹁葬儀のお布施﹂や﹁墓地永代使用料﹂の領収証は必ず発行して施主様にお渡ししています。
施主様におかれましては、この領収証は必ず保管しておき、相続税申告の際に使用ください。
というのも、相続税を計算するときは、一定の相続人および包括受遺者が負担した葬式費用等を遺産総額から差引いて︵控除して︶計算するからです。
これは、世間一般的な考えとして、親族が亡くなった時に葬儀を行うことは社会通念上﹁常識﹂とされています。
そのため、葬儀にかかる経費は常識的に必要な出費として相続した財産から支払うことが法律として認められているのです。
よって、相続税を算出する際にはあらかじめ下記の葬儀費用を差し引いた額で計算をしてい良いことになっています。
そこで、寺院や葬儀社、石材店などから発行された﹁領収証﹂が証拠書類として添付して申告します。
国税庁 公式サイト
No.4129 相続財産から控除できる葬式費用
には、具体的な控除項目が掲載されています。
葬式費用となるもの
遺産総額から差し引く葬式費用は、通常次のようなものです。
︵1︶ 葬式や葬送に際し、またはこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用︵仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます。︶
︵2︶ 遺体や遺骨の回送にかかった費用
︵3︶ 葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用︵例えば、お通夜などにかかった費用がこれにあたります。︶
︵4︶ 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用
︵5︶ 死体の捜索または死体や遺骨の運搬にかかった費用
葬式費用に含まれないもの
次のような費用は、遺産総額から差し引く葬式費用には該当しません。
︵1︶ 香典返しのためにかかった費用
︵2︶ 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用
︵3︶ 初七日や法事などのためにかかった費用
根拠法令等
相法13、相基通13-4、13-5
根拠法令等
相法1の3、13、14、21の15、21の16、平29改正法附則31、相令3、5の4、相基通13-4、13-6、13-9、14-5
国税庁 公式サイトNo.4129 相続財産から控除できる葬式費用 より引用
最近は葬儀を縮小したり葬儀自体を行わないような風潮があります。特にコロナ過を契機にそのような傾向があります。
特段の事情がある場合は、致し方ないこととは思いますが、上記のような税制上の優遇措置が認められていることを予め知っておくと、葬儀に対する考え方も違ってくるのではないかと思います。
さて、上記の中で、﹁︵2︶墓石や墓地買入のためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用﹂については遺産総額から差し引く項目に該当しないことになっています。
これは故人の死後に墓地を用意した場合のことであり、故人が生前に墓地を建立して、亡くなるまでに支払いを終えている場合には相続税の計算上債務とならず、非課税財産となります。
自らの墓地を生前に準備して建立することは、相続税制上から見ても、大きな節税対策になることは知っておいて損はないでしょう。
墓地を生前に準備することは、決して縁起が悪いことでもないのです。
もしも、ご自身の墓地が未だ無い場合には、是非とも元気な内に自分の墓地をご自身でいろいろと吟味したうえでご用意することをお勧めします。
それが、孫子の代の負担を軽減することにも繋がるのです。