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2021年4月22日
世界最高水準の人工光合成に成功 トヨタ系、植物上回る効率
トヨタ自動車グループの豊田中央研究所︵愛知県長久手市︶は21日、太陽光を使って水と二酸化炭素︵CO2︶から有機物のギ酸を生成する﹁人工光合成﹂の効率を世界最高水準まで高めることに成功したと発表した。過程でCO2を材料とするため脱炭素化につながるほか、生成したギ酸から水素を取り出し燃料電池の燃料に使うこともできる。早期実用化を目指す。
豊田中央研究所は2011年に、水とCO2のみを原料とした人工光合成に世界で初成功。当初は太陽光エネルギーを有機物に変換できる割合が0.04%だったが、改良を重ね7.2%まで向上させた。植物の光合成の効率を上回るという。
︵2021年4月21日共同通信配信︶
これはすごいニュースです。
世界初の人工光合成に成功したというニュースがあってから10年。
技術者の総意を結集して、変換効率を実用化レベルにまで引き上げました。
植物の光合成を上回る効率ということも素晴らしいですし、7.2%の変換効率は、実用化に向けて大きな前進と言えます。
写真を見る限り、かなりコンパクトにまとめられていることが伺えます。SFの世界では巨大工場で描かれていたりしたことが、現実になっていることは本当に素晴らしいですね。
10年前のニュースはこちらです。
↓
トヨタ、水とCO2のみで人工光合成 温暖化解決手段にも
世界で初めて成功、実用化目指す
トヨタ自動車グループの豊田中央研究所︵愛知県長久手町︶は20日、太陽光、水、二酸化炭素︵CO2︶のみを原料に、人工光合成を実現する技術を開発したと発表した。特殊な光や薬品を加えて人工的に光合成させる技術はあったが、添加物を使わない方法は世界で初めてという。アルコールなど産業界に有用な有機物を合成できるような技術の開発を目指す。
豊田中研は、リン化インジウムの半導体にルテニウムと呼ぶ特殊な金属などを塗布した光触媒を開発した。この触媒を酸化チタン光触媒と組み合わせることで、CO2を含んだ水に太陽光を当てると、酸素とギ酸ができる仕組みを確立した。
光合成の効率を表す太陽光エネルギー変換効率は0.04%。﹁一般的な植物の約5分の1﹂︵豊田中研の梶野勉主席研究員︶にとどまり、実用化には時間がかかる見通しだ。ただ、太陽光に含まれない特殊な紫外線や高価な薬品を付加する従来の手間をかけずに済む。技術開発が進めば﹁地球温暖化問題の解決手段になる可能性もある﹂︵梶野氏︶と期待している。
豊田中研は今後、光合成の過程で酸素とともに発生する有機物を現在のギ酸から自動車の燃料になるバイオエタノールなどに変える方法を研究。CO2を原料とする新たなエネルギー循環システムの開発につなげる。
︵2011年9月20日 日経新聞配信︶