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2014年8月16日
お盆の期間には新盆をお迎えの檀家さんを中心に棚経を回らせて頂きました。
棚経の際には経本をお渡しし、集まった皆さんにお経を読んでいただきました。
︵法事の際にも、同様に経本をお配りしております︶
参列者と一緒に読経する際に、読み方の独特のちょっとした決まりがありますのでまとめてみます。
まず、お経の読み方には規則があります。
それは
﹁お経のタイトル﹂ ︵例‥ ﹁まかーはんにゃーはらみったしんぎょうーー﹂︶
+
﹁本文﹂ ︵例‥﹁かんじーざい・・・・﹂︶
+
﹁回向﹂︵例‥ねがわくは このくどくをもって あまねくいっさいにおよぼし・・・・・﹂︶
をセットで読むということです。
般若心経でしたら、いきなり﹁かんじーざい・・・・﹂とは読まずに、﹁まかーはんにゃーはらみったしんぎょうーー﹂というように、これから読むお経のタイトルをお唱えします。
引き続き本文﹁かんじーざい・・・﹂
そして、最後に回向。これは、今読んだお経は﹁誰のため・何のためにお読みした﹂を回向としてお唱えするわけです。
ご自宅でお読みする場合は、経本の中の﹁普回向︵ふえこう︶で宜しいでしょう。
このタイトル、本文、回向は、ご自宅の仏壇などで1人でお読みする場合は、それぞれを読むわけですが
●お寺の行持などで複数人数の僧侶で読経する場合には﹁タイトル﹂﹁回向﹂の部分は維那︵いの︶の役割の僧侶1人だけがお読みします。﹁本文﹂を全員で読経します。
●棚経や法事の際には、﹁タイトル﹂﹁回向﹂の部分は僧侶が、﹁本文﹂を全員で読経することとなります。
次に、お経本文を全員で読経する際に、例えば摩訶般若波羅蜜多心経︵般若心経︶を読んでいる際に、どうしても合わない点が何箇所かあることを感じます。
特に、出だしの﹁かんじーざいぼーさつ﹂の部分と、最後の﹁はらそうぎゃーてい﹂の2箇所です。
これは、経本のルビの振り方と、音節の取り方不規則なことが原因だと思います。
まず、1つ目です。
かんじーざいぼーさつ の 薩"さつ" は、曹洞宗僧侶は﹃さー﹄と発音します。
ここで、参列者は、"さー" の後に﹃つ﹄が一音入るのだと思われてテンポがずれてしまうというものです。
2つ目
"はらそうぎゃーてい" の﹃はら﹄は2音ではなく、1音で発声します。
しかし、波羅"はら"という 漢字もルビも2音で読むように思われる表記なので、ここでテンポがずれてしまいます。
この部分は、理屈ではなく、そのように慣習的に読んでいるということで、知っておくと役に立つと思います。
大本山總持寺の朝課︵朝のおつとめ︶の映像の 4:30:00 をご覧下さい。
木魚の音と読経の声で、上記2箇所をご覧いただけると宜しいと存じます。
読経の際の参考になさって下さい。