« ホチキスは何処に留める? |
最新記事
| おせがき巡回 »
2013年7月31日
働き蟻は、全てが一心不乱に働き続けるイメージがありますが、働いているアリは、巣全体の約8割で、2割の蟻は自分の体を舐めていたり、じっとしているそうです。
働かない蟻は、どの巣にも一定の割合で存在していて、何らかの貢献をしていると言われています。
この話は、人間社会にも当てはまると思います。例えば職場では、仕事が遅かったり、失敗ばかりしているように見える仲間もいることでしょう。
特定の利益目標の前には、業績を上げるという、目先の利益を優先する﹁優劣﹂がついて回ります。学校の成績もそうかも知れません。しかし、人それぞれが持っている個性と能力は、見方を変えれば全く逆の優劣になることもあります。
例えば、一つの基準で優秀な人ばかりを集めたとします。全員が一様に、一心不乱にバリバリ働いている、そんな職場は、私だったら嫌です。
さまざまなタイプの人がいて、潤滑油のような役割を果たしているからこそ、全体が効率良く回っていると言えるでしょう。
大切なことは、一人ひとり、それぞれが掛け替えのない個性を持っているということなのです。
テレビ朝日系列﹃やじうまテレビ!﹄きょうの説法より
今回の法話は、金子みすゞ の詩﹁みんなちがって、みんないい﹂をモチーフにしました。
最近は、個性が尊ばれる時代です。しかし、単純に﹁人はそれぞれ違うのだから、みんな違っていていいんだよ﹂というだけの薄っぺらいことではありません。
大切なことは、その﹁違い﹂の中身です。
人それぞれ、出来ること︵得意なこと︶、出来ないこと︵不得意なこと︶があります。
つなり、﹁お互いそれぞれ不得意な部分はあっても、誰にも真似のできない素晴らしい長所がある﹂ということです。
そして、人間は、決して一つの尺度で判断してはなりません。
お互いの素晴らしい長所を認め合い、尊重しあう気持ちが大切であり、それが社会全体に広がっていくことで、潤滑油のようにスムーズに﹁回って﹂いくようになるのです。