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2011年10月 9日
上永谷駅周辺には街路樹としてケヤキが植えられています。
夕方になると、ケヤキの木を目指す凄まじい鳴き声を伴った黒い塊が現れます。
駅周辺をぐるぐると何周か旋回した後、目的の木に留まります。
この黒い塊の正体は、八哥鳥︵ハッカチョウ︶です。
羽を広げると、その付け根に白い模様がくっきりと浮かぶ特徴的な鳥です。
侵入進入生物データベース︵国立環境研究所︶によると、
︻自然分布︼中国中・南部,台湾,ミャンマー,ベトナム,ラオス
︻形態︼全長26~27cm.全身が黒色で,翼に白斑があり,下尾筒の羽縁と尾羽の先端が白い.額の羽毛が直立して冠羽になる.嘴は橙黄色,脚は暗黄色
︻生息環境︼林のある住宅地,ヨシ原,河川敷,草原
︻生態的特性︼地上で採食する.原産地では岩,木,人工物にできた穴の中で営巣する.群で行動することが多く,非繁殖期は集団ねぐらをとる.
︻食性︼家畜に付く昆虫,マメ科の種子
︻国内移入分布︼東京,神奈川,大阪,兵庫で繁殖した記録があり,福島,栃木,愛知,大阪,京都,和歌山,香川,鹿児島,先島諸島︵石垣島,与那国島︶でも生息が確認されている.兵庫,神奈川では1990年代に入ってからも繁殖が確認されている.
︻侵入年代︼ 江戸時代前期から飼い鳥として輸入された記録がある。京都では1970年代に営巣行動が観察されており、神奈川では1980年代から繁殖が記録されている。
ということで、元来日本に分布していなかった暖かい地方の鳥ですので、おそらく飼育されていたものが逃げて野生化して増えていったものと考えられます。
ここ数年前のうちに一気に増殖して定着しています。
調べてみると、日本全国の中でも、これほど多く見られるのは上永谷だけのようです。
よほど住み心地が良いのでしょうね。
街路樹の剪定が行われるたびに拠点を少しづつ移しており、昨日は駅前のLウイングマンションと京急メモリアルの間のケヤキに集まっていました。
鳴き声は、キュルキュル、キュリキュリなどと聞こえるそうですが、何百羽もの集団になるとギャーギャーとかなり五月蝿い鳴き声になります。
直ぐ目の前にあるマンションの住民にとっては、迷惑な話だと思います。
︵逆に八哥鳥からすれば、木々を勝手に伐採するな、と言いたいところでしょう︶
それにしても、これだけの大群が集まるようになると、メジロやウグイスなど小型の在来種への影響が懸念されます。
最近増えてきたアカボシゴマダラ のように、生態系の変化には注視していきたいところです。