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平成23年度 布教教化に関する告諭 曹洞宗管長 大道晃仙
私たちをとりまく社会は、今、混迷を深めています。地球温暖化をはじめ、戦争、貧困などの諸問題、国内では﹁格差社会﹂﹁無縁社会﹂とも言われ、年間三万人を超える自死者、いじめや虐待など、いのちの尊厳が失われ、人びとは不信と不安の中にあります。
曹洞宗は、これまで﹁人権の尊重、平和の確立、環境の保全﹂を願い、﹁絆﹂を深める取り組みを進めてまいりました。本年度は日常生活の中でより具体的に展開するため、﹁向き合う﹂﹁伝える﹂﹁支えあう﹂という三つの柱を立て、四摂法の﹁利行︵利他行︶﹂を目標に掲げました。
道元さまは、﹁利行は一法なり、あまねく自他を利するなり﹂と示されました。
瑩山さまは、﹁常に大慈大悲に住して、坐禅無量の功徳、一切衆生に回向せよ﹂と論しておられます。
み仏とご先祖さまのみ前で、姿勢を正し、呼吸を調え、ひととき心静かに坐りましょう。大慈大悲の坐禅はおのずから﹁利行﹂に力を与えてくれます。
﹁あなたと向き合い、あなたと正しい教えを伝えあい、あなたと共に支えあう﹂ことで、一人ひとりのいのちを生かす社会がひらかれます。
日々、他を思いやり共に生きる﹁利行﹂の実践を重ねましょう。
南無釈迦牟尼仏
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曹洞宗管長より被災者の皆さまへ︵お見舞︶
3月11日に発生した平成23年東北地方太平洋沖地震、翌12日の長野県北部の地震、また、これらの余震により尊いいのちを失われた方がたのご冥福を心からお祈りするとともに、被災された方がたに対して心からお見舞申し上げます。
いまだ被害の全容は明らかではありませんが、この未曾有の大災害のなか、行方不明になっている方の安否が気遣われます。仏祖の御加護により一人でも多くの命が救われること念じてやみません。復興の道は非常に険しいものと推察されますが、全宗門人をもって支え、被災者とともに歩んでまいりたいと思います。
2011年3月14日 曹洞宗管長 大道晃仙 |