« 教区主催釈尊降誕会2011 | 最新記事 | フランス積みの構造物 »

︵左図︶関東大震災の再来型である﹁南関東地震﹂
︵中図︶地震発生の切迫性が高い﹁東海地震﹂
︵右図︶市域直下を震源とする﹁横浜市直下の地震﹂
危険度マップを参考に、自分の住んでいる地域がどれだけの危険度があるかを把握しておくことは大切でしょう。
■自分の住んでいる場所が、過去どのような場所であったかを知る
地図で過去に遡って調べていくと、どのような場所であったかがわかります。
特に、過去に川であったり、水田、池、沼、海岸などであった場所を埋立てたり、谷を埋めて盛土をして造成をした場所は危険性が高いといえます。
また、地盤が砂のように透水性が高かったり、地下水位が高い場所も危険性が高くなります。
例えば、歴史に学ぶ港南台の会勉強会では、昭和30年代後半に大規模に開発された港南台の開発について、過去の地図や写真を元に学びました。
なだらかで一様な平面となっている住宅地も、50年ほど前は山や谷戸、川のある場所でした。それを切土したり盛土したりして平らにしているのです。
自分の住んでいる場所が、谷戸を埋立てて出来た土地であることを初めて知った方もいらっしゃいました。
自分の場所がどのような場所であったのかを知ることは、防災の意味でも大切なことです。
■危険度の高い場所では、地盤を強くし、発生を抑える対策を取る
危険度の高い場所でも、適切な対策を取ることによって、危険度を下げることができます。
最も有効な方法は、地盤改良です。
東京ディズニーランドでは、テーマパーク内では液状化現象が発生せず、建物に被害はありませんでした。
この理由として、﹁サンドコンパクション・パイル工法﹂や﹁ドレーンパイプ工法﹂などの地盤改良が行われていて、液状化現象の発生を防いだことが功を奏したと考えられています。
以前、ブログ記事で紹介した、羽田空港拡張工事における地盤改良工法も、ドレーンパイプ工法の一種です。
とはいっても、一般住宅で取ることのできる対策は、経済的な側面から言って限定的ですから、安く、効率的な方法を選択する必要があります。
危険度の高そうな場所にこれから建物を建てる場合には、地面から2m程度の深さまで地盤を締固めたり、液状化しにくい土に置き換えることが有効です。
また、家の形を地震に対して強い形︵矩形など︶にすることも重要です。
既に家が建ってしまった場合には、水抜き管︵多数の小さい穴があいているパイプ︶などを等間隔で地盤中に埋め込む﹁ドレーンパイプ工法﹂が被害軽減策の一つとして有効と考えられます。
地震の揺れによって行き場を失った土中の水分を素早く地表に排出させることが、被害軽減のためのポイントとなります。
■最後に
今日のブログ記事では、液状化現象とその対策について考えてみました。
液状化現象は、発生する危険が高い場所と、ほとんど発生の恐れが無い場所というようにはっきり分かれます。
また、液状化対策に限らず、どのような災害対策も、絶対確実、万能ということはありえません。
費用対効果を充分に検討した上で、どの程度費用をかけて、どの程度リスクを軽減するのかをよくよく考えていくことが必要でしょう。
いずれにしても、災害を軽減するための予備知識を持っておくことは大切です。
これは自動車などの機械技術を三菱自動車の社長になったカルロスゴーンがつぶそうとしていた技術ですね。
投稿者 播磨 | 2019年11月12日 20:04