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赤レンガの建物は、日本の近代化の象徴として各地で採用されています。
このレンガの積み方には、イギリス積み、フランス積み、アメリカ積み、ドイツ積み(小口積み)、長手積みなどがあります。
(左)イギリス積み (中)フランス積み (右)ドイツ積み(小口積み)
(図はウィキペディアより引用)
日本では、明治初期にはフランス積みがよく採用されていました。
フランス積みは、フランドル積みと称するのが正しく、生み出される模様が優雅に見えるのが特徴です。
日本では、このフランス積み(フランドル積み=フランドルはフランス北部からオランダにかけての地方)の建築物としては、富岡製糸所などが有名ですが、イギリス積みのほうが合理的で構造上強いために、明治20年以降の建築物はほとんどイギリス積みとなっています。
横浜赤レンガ倉庫(明治44年-大正3年建築)は、イギリス積みの派生系であるオランダ積み(角の部分の積み方だけイギリス積みと異なる)です。
地震大国日本では歴史的な建築物できちんと保存されているものは少なく、その中でも古いフランス積みの建築物は特に貴重なものです。
その貴重なフランス積みの構造物が神奈川県でも見ることが出来ます。
(築造年代 明治14-17年)
なんと優雅な模様なのでしょう。
長い間立ち入りが制限されていたこの場所には、未知の領域がたくさんありそうです。
この赤レンガ造りのトンネルは、通ることが出来るレンガ造りのトンネルとしては、おそらく日本で最も古いものと言えるでしょう。
今日のブログでご紹介した場所が何処かといいますと、こちら↓です。
東京湾にもこんな島があるのです。
連休初日に観音崎散策に行く機会があり、ここにも明治初期に構築された砲台が現在でもその多くが保存されていました。明治10年代の物はフランス積みで明治20年代の物はイギリス積みの様でした。
上大岡駅裏で昭和初期、横浜焼をされた北見家の日本式の石積み(砂岩)が今も見る事が出来ます。私としては大変珍しいものではないかと思っているのですが、どの程度のものか一度写真を持参しますので教えていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
投稿者 ハマちゃん | 2011年5月 7日 10:09
ハマちゃん様
横浜では、石積みでレンガのフランス積みに相当する「ブラフ積み」の石垣が何箇所かで見られるようです。
http://www.furukabe.com/bluffmsnry.html
↑こちらの「横浜古壁ウォッチング」様のサイトで、大岡川護岸工事でブラフ積み擁壁を積んでいる石工の珍しい写真が掲載されていました。
北見家の石積みもきっと貴重なも文化遺産であると拝察いたします。
投稿者 kameno | 2011年5月 7日 12:54
「ブラフ積み」に間違いないと思います。明治の遺産が上大岡に残っているとは嬉しいかぎりです。また開港場「ヨコハマ」の影響を受けていた事の証拠ですね!今後、港南区の歴史遺産として区民に知っていただければと思っております。ありがとうございました。
投稿者 ハマちゃん | 2011年5月 9日 10:45
ハマちゃん 様
建物は更新されていても、土台や礎石などは意外に残されているものですから、ブラフ積みの石壁がどの範囲まで広がっているかを調査すると面白いかもしれませんね。
投稿者 kameno | 2011年5月10日 08:29