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メドベージェフ、訪中の一環で一連のエネルギー協定に調印
メドベジェーフ大統領は公式訪中の一環で10件以上の書類に調印する。その中には一連のエネルギー協力に関する協定がある。この旨、ロシア大統領補佐官セルゲイ・プリホヂコが訪問を直前にして発表した。 とりわけ、﹁トランスネフチ﹂と中国の国営石油会社(China National Petroleum Corporation, CNPC)との間で、中国への﹁東シベリア-太平洋﹂パイプラインのバイパスラインであるスコボロジノから石油パイプラインでの石油輸出の相互協力と実現に関する総合協定が結ばれる。 ︵NOVOSTI通信 2010/9/27︶なんと、一足先に東シベリア・パイプラインから分岐し中国の大慶までを結ぶパイプラインが既に今年9月に完成、胡錦濤国家主席とメドベージェフ大統領が出席して完工式が行われました。 メドベージェフ大統領は日本よりも中国への供給を優先することを明言しています。 年内にもロシアから中国への原油供給が開始され、供給量については2030年までに年間1500万トンという内容で両国が合意しています。 先に書いたように、日本へ向けたパイプラインの完成は2014年とまだまだ先のことなのに。 (画像は産経新聞のサイトより引用) このように、東シベリアの大規模油田油田からのパイプライン建設では中国に完全に先行されてしまいました。 日本の先端技術と膨大な資金を導入して開発したエネルギー資源を、みすみす中国に優先的に取られる構図も現実味を帯びてきました。
シベリアの資源を獲得するために巨額のパイプライン建設資金を提供し、日ロ関係を大幅に改善した上で北方領土問題解決を目論んでいた政府の﹁甘い﹂戦略が破綻となった場合、石油資源に対しても、北方領土に対しても、日本の出しうる外交カードを失うこととなります。
その意味で、この時期のメドベージェフ大統領の北方領土訪問は実に強かな戦略だと思えます。 既に北方領土に関しては、日本の経済支援など無くてもロシア側からの経済支援でやっていけるという見込みが立ったわけですから、このまま四島をみすみす返すことは無いでしょうね。 そして、北方領土問題に日本が強く切り出すと、東シベリアの油田の権益とパイプラインの建設に難癖をつけてくるでしょう。 このあたり、よく状況を把握した上で強かに交渉していかないと、中国、ロシアに良いように毟り取られてしまうことになりかねません。 領土問題を先延ばしして良いことは一つもありません。駐露大使 帰任はAPEC後 追加措置せず ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問したことを受け、日本政府は4日、一時帰国させた河野雅治駐ロシア大使を、11月中旬のアジア太平洋経済協力会議︵APEC︶が終了するまでロシアに戻さない方針を固めた。一時帰国はロシアへの事実上の対抗措置だが、政府高官は﹁ロシア側が北方領土に関して新しい動きをしない限りアクションは起こさない﹂と述べ、新たな対抗措置は講じない方針を示した。 河野大使は3日に一時帰国し、菅直人首相や前原誠司外相らに対し、大統領の訪問の狙いや背景について﹁2012年の大統領選などを見据え、国内向けにアピールするとの要素が大きい﹂などと報告した。 報告内容を踏まえ、日本政府は河野大使の扱いについて、少なくとも日露首脳会談を行う方向のAPECまではロシアに戻さない方針を確認。メドベージェフ大統領は歯舞群島と色丹島への訪問を計画しているとされているが、日本政府はロシア側がこうした新たな行動を起こさない限り、政府として一時帰国以上の対抗措置を取らないことも確認した。 一方、大統領が国後島訪問を断行する前に、在ロシア大使館から外務省に対し﹁大統領は国後島を訪問するかどうか、10月末の東南アジア諸国連合︵ASEAN︶関連会合でハノイを訪れた際に決断する﹂と報告があったことも明らかになった。 (毎日新聞11月4日)まあ、現状では日本は強く出ることはできないでしょうね。■関連ブログ記事 北方領土問題解決へむけて