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2010年10月 9日
記録的に暑かった今年の夏により野菜類が高騰しています。
しかし、これと全く逆の価格動向を見せているのがコメの価格です。
JAなどから出荷されるコメ全銘柄の平均価格は、2009年の1俵(60kg)当たり15,169円だったのが、2010年7月には14,214円に下落、さらに今年の収穫期に入っても新米価格が昨年のコメの価格を下回るケースも出てきました。
原因はコメ離れに加え、不況による消費不振、円高による外国産の食料品へのシフトがありましょう。
コメの在庫量は増加傾向にあり、さらに生産過剰が見込まれるとなれば、コメの価格が下落するのは当然のことです。
民主党のマニュフェストに掲げる農家への戸別所得補償事業によって、農家には0.1ha当たり15,000円の補填を行い、さらにコメの価格が過去3年平均を下回った場合は差額を追加支給することになっています。
この戸別所得補償事業に膨大な量の税金が投入され続けます。
けれども農家への個別所得補償は根本的な解決になっているとは思えません。
農家に個別所得補償を行なうよりも、需要を増やす施策のほうが如何に有効であるかは言うまでもありません。
小中学校や老人ホームの給食への米の割合を増やしていくことも一策ですし、何よりも世間一般のコメ離れを如何に食い止めるかが焦点となるでしょう。
もう一つ、日本の財政を圧迫しているのは、生活保護費です。
生活保護にかかる費用も長引く不況、高齢化などにより増加傾向にあります。
生活保護費を受給している世帯数は、1980年度から1992年度には減少傾向にありましたが、その後増加に転じ、2004年度には998,887世帯、2005年度には110万世帯︵うち外国 籍約3万世帯︶と増え続けています。2010年初頭には、実に130万世帯を超えました。
ここに挙げた2例は、日本の財政を圧迫するほんの一部の例でありますが、可及的速やかに対策を施さなければ国や地方自治体の財政は間違いなく破綻への道を歩むことでしょう。
そこで、一つだけ提言をさせていただきます。
生活保護は次の8種類からなります。
︵1︶生活扶助︵2︶教育扶助︵3︶住宅扶助︵4︶医療扶助︵5︶介護扶助︵6︶出産扶助︵7︶生業扶助︵8︶葬祭扶助
このうち、︵1︶生活扶助は衣食、その他日常生活の需要を満たすための扶助であります。
これらは現物支給にするべきであると考えます。
特に食料扶助のうち、主食としてコメを現物支給する仕組みを確立し、その分の生活保護支給費を減額する制度とすることを提言いたします。
<例>
■生活保護世帯に1人当たり年間60kg~100kg程度のコメを現物として︵もしくは厳密にコメにしか換品できないお米券を︶支給する。
■現物支給されたコメの価格相当の生活保護費支給額を減額して支給する。
そもそも生活保護とは、憲法第25条に規定される生存権に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに自立を助長する為の制度です。
現状では現金支給が原則となっていますが、そのために残念ながら不正受給や貧困ビジネスの温床も蔓延っています。受給申請を行なっても脚下される事例も少なくありません。
必要な方に、必要な支給が確実になされる施策が求められます。
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