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2010年6月21日
記事に入る前に、グラフをまず作ってみました。
図‥ギャンブルの種類によるテラ銭︵赤︶と分配金︵青︶の割合
図の赤い部分が﹁テラ銭﹂の部分です。
テラ銭とは、簡単に言うと﹁ギャンブル﹂を主催する側が﹁無条件﹂に収益とするお金のことであり、テラ銭を差し引いた残りのお金︵青い部分︶が参加者に分配されます。
このテラ銭の﹁テラ﹂は﹁寺﹂ですね。
仏教語や寺院に関連した用語が一般の言葉として流布しているものは良くありますが、その中であまり歓迎すべきでないと思える言葉が﹁テラ銭﹂です。
江戸時代、征夷大将軍によって、﹁賭博は、重犯罪﹂として厳しい取締りがあったが、江戸中期以降に賭博を常習的に行う博徒集団が現れ、現代に至っている。一方、的屋は﹁非人身分﹂とされていた。江戸時代には寺社の境内などで賭博を催し収入︵いわゆるテラ銭︶を得ていた。都市部だけでなく、地方にも存在する。現在に至るまで﹁社会枠組の外﹂となる人々である。
︵ウィキペディア:﹁ヤクザ﹂項︶
江戸時代においては寺いくつかの寺が、勧進のために﹁富くじ﹂を主催し売っていました。
こちらは公儀の許可を得た合法的なものでした。
しかし、さらに寺社は寺社奉行の管轄であって、賭博を取締まる町奉行の監督外であったため、そこで博徒組織が寺社境内でバクチ場を開帳させてもらい収益の一部を寺社に納めていたという構図も﹁かつては﹂あったようです。
縦割行政、聖域を悪用するということは昔から行なわれてきたことであり、旧態依然の組織が自浄作用だけでこれを改めることはなかなか難しいのでしょう。
先の事業仕分けで宝くじ協会が対象となった際に、宝くじ売上金の分配が話題になりました。
合法とされる公営ギャンブルは、冒頭のグラフのように相当高い﹁テラ銭﹂を取っています。
まあ、高い﹁テラ銭﹂がきちんと公共事業や災害復興、公益のために分配されていれば問題は無いのでしょう。
しかし、それを監督する監督省庁が例えば宝くじ、サッカーくじ、競馬、競輪、競艇でそれぞれ総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省となっており、監督省庁の下にそれぞれ財団法人や特殊法人がぶら下がっているわけで、それこそ高い﹁テラ銭﹂とその利権に群がる法人、他所の管轄に口出しできない縦割り行政の弊害があぶりだされることになりました。
さらに、﹁テラ銭﹂が低いほうに目を向けると、グラフで見ても判るとおり、低いほど日本では非合法性が高くなってきます。
つまり、それだけ﹁アングラ﹂なギャンブルが﹁アングラ﹂な場所で行なわれることとなります。
分配金の高さが魅力なのでしょうが、テラ銭の使われる先がどういうことかを考えると、その問題を見逃すわけにはいきません。
そのテラ銭の場が、現代では﹁寺﹂ではなく﹁日本相撲協会﹂という公益法人の中で深く根付いてしまいました。
﹁相撲協会設立以来の危機﹂理事長が会見
大相撲の賭博問題で、日本相撲協会の武蔵川理事長︵元横綱三重ノ海︶は21日記者会見し、7月11日からの名古屋場所について﹁準備を進める﹂と開催を前提としながらも、外部有識者による特別調査委員会の調査報告を待ち、同月4日の臨時理事会で最終判断すると発表した。
︵日本経済新聞 2010/6/22︶
日本相撲協会の体質を抜本的に変えることができるかどうか。
名古屋場所までの間にその真価が問われそうです。