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2010年1月25日
イオン﹁葬儀ビジネス﹂に参入 ﹁ブラックボックス﹂業界大変化
豪華な祭壇、たくさんの生花、おいしい料理と追加していくと、知らず知らずのうちに葬儀が高額になり、後日送られてきた請求書を見て青ざめるというのはよくある話だ。それもこれも料金が不透明なためで、なかでも祭壇は﹁ブラックボックス﹂と言われている。ようやく最近、わかりやすい料金体系を売りにしたベンチャー企業もいくつか出現。さらに大手小売のイオンも葬儀ビジネスに参入し、葬儀業界が大きく変わりそうだ。
(J-CASTニュース︶
大手スーパー﹁イオン﹂の葬儀に対する取り組みが注目されているようです。
これまで、この手の葬儀費用明示化はいろいろと為されてきつつありますが、大手スーパーがこの業界に参入したということは着目すべきことだと思います。
﹁3年後には年間葬儀件数の10%を手がけたい﹂という意気込みもまんざら大げさではなさそうです。
今後はこのような流れとともに、葬儀業者、寺院、僧侶のグループ化が加速していくものと思われます。
その背景には冒頭のニュースに書かれているようなことがあることは確かでしょう。
まず、一般的に葬儀にどれほどの金額が掛かるかという統計をみると、
葬儀一式費用+別途立替費用︵145.3万円︶
+
通夜からの飲食接待費︵40.1万円︶
↓
平均総費用︵182.4万円︶
※葬儀費用の全国平均 出典‥2007年 財団法人 日本消費者協会 第8回﹁葬儀についてのアンケート調査﹂報告書
※宗教費用︵お経料、戒名、お布施等︶は除く
となります。
これに対し、イオンの葬儀の場合の試算は、
葬儀費用︵29.8万円 39.8万円 59.8万円 79.8万円 108万円 148万円︶より選択
+
おもてなし費用︵参列者100名、遺族親戚20名の場合︶25.0万円
+
別途費用︵15.9万円︶
↓
お葬式にかかる総費用 100.7万円︵葬儀費用59.8万円の場合︶
となり、全国平均費用に比べて安く、透明化された費用にて葬儀ができることをアピールしています。
葬儀費用には、これにプラス、宗教費用︵この表現はあまり好きではありませんが︶があり、例えば仏式の場合は寺院へのお布施がこれにあたります。
なお、寺院へのお布施は僧侶への謝礼ではないこと、あくまでも﹁宗教法人﹂たる﹁寺院﹂の会計に入るものであり、寺院護持に欠かせないものであるということ を予めご理解ください。
さて、既に菩提寺をお持ちの場合は別として、イオンの葬儀の中には菩提寺を持たない方にはお坊さんの紹介 というシステムまであり、﹁お布施は本来﹁喜捨﹂であり﹁標準﹂や﹁統一﹂すべきものではありませんが、お客さまにご安心いただけるように目安を表示しました﹂という前置きはあるにせよ目安価格が提示されています。
ですから、標準的なプランで標準的な参列者︵参列100名、遺族親族20名の規模︶、普通戒名の葬儀の場合にはお葬式に掛かる総費用は 100.7万円+25万円=125.7万円ということになります。
確かに施主にとってみれば料金がある程度明示化されることは嬉しいことだと思います。
けれども布施はあくまでも布施です。
ここに挙げられている数字は参考程度に位置づけると良いと思います。
懸念すべきは、戒名によるお布施の料金目安が提示されたことによる寺院側とのトラブルです。
地域・宗派にもよりますし、別の基準を目安としている寺院もあります。
例えばイオンのこのプランで葬儀が執行された場合、既存の菩提寺へ目安金額でのお布施を持っていった時に寺院側で﹁この金額では葬儀をお受けできない﹂とされた場合はどうなるのでしょうか。
心配です。
良く聞くのですよ、この手のトラブル。
この寺院費用の基準を見て﹁やたら安いな?﹂と感じるご寺院様がいらっしゃったら、きっと要注意です。
全国的に、スーパーでこのような金額が明記されたパンフレットが配布され、インターネットでも情報が出されていることを念頭においておく必要があります。
<ここから先の話は貞昌院でのことでありますので、そのことを念頭においてお読みください>
なお、貞昌院としては、このイオンで提示されているお布施の目安はだいたい﹁平均すると﹂このようなものか、という感じです。︵あくまで、一寺院、一僧侶としての感覚です︶
このイオンの取組みは、ブラックボックスになりがちな葬祭業者の葬儀費用の内訳を明示化するという意味では評価できるものであります。
檀家さんがもし、イオンを通して葬儀を行なうとして、上記金額の通りの葬儀をお考えであっても問題はないと考えます。もちろん、お布施はイオンの費用よりも多くしていただいてもまったく問題はありません。
また、菩提寺をお持ちでない方が、イオンを通して貞昌院をご希望であればお受けさせていただきます。
このブログをお読みの方に、もっと取っておきの情報をお知らせいたします。
それは、意外と思われるかもしれませんが、﹁お寺で葬儀を﹂行なうことが一番費用削減なるということです。
客殿を使った葬儀も可能ですし、なんとなれば、祭壇は﹁須弥檀﹂という形でも可能です。
冒頭の試算の中の葬儀費用の大部分の削減に繋げることも可能でしょう。
イオンの葬儀プランナーに相談されるのもよいですが、まずはお寺に相談して、ざっくばらんに相談されるということも宜しいのではないかと思います。
葬儀費用について疑問等ありましたら、そのままにしておかないことが、結果的に費用削減に繋がるということになります。
■関連リンク
護持会費・墓地管理費などのごあんない︵貞昌院Web site︶
うちの地域などですと・・・今回のイオンさんの参入は逆にありがたいですかね・・・。
理由は明示できませんので、意図はお察し下さい(笑)
投稿者 叢林@Net | 2010年1月25日 21:28