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2009年8月19日
皆さまは、四十九日の法事・法要に参列するときには﹁御仏前﹂、﹁御霊前﹂どちらの熨斗袋をお持ちしますか?
ここで、興味深いことが判りました。
市販されている﹁冠婚葬祭マナー集﹂や、ネットで公開されている﹁マナー集﹂では、﹁御仏前﹂、﹁御霊前﹂ 両説入り混じっています。
■﹁御仏前﹂説の例
通夜から三十五日の法要までなら、不祝儀袋に﹁御霊前﹂と表書きするか、そう書かれた不祝儀袋を使います。
︵冠婚葬祭ホットライン より引用︶
■﹁御霊前﹂説の例
49日の忌明け後の法要までは﹁御霊前﹂、それ以後は﹁御仏前﹂もしくは﹁御佛前﹂を用いる。
︵生活知恵袋 より引用︶
四十九日法要での熨斗袋の表書きは﹁御霊前﹂﹁御仏前﹂両説入り乱れていますね。
どの冠婚葬祭マナー集を見ても、大抵はこのような2通りの回答のどちらかが書かれています。
だいたい割合としては、やや﹁御仏前﹂優勢といった感じでしょうか。
それでも﹁御霊前﹂とするマナー集もかなりの割合を占めています。
ここで、死を迎えてから行われる法要について整理して考えてみます。
世間一般常識とされているものは、七七日︵四十九日︶に御霊前と御仏前の境界線が引かれています。
四十九日法要での熨斗袋の表書きが﹁御霊前﹂﹁御仏前﹂なのかは、どの時点で﹁仏﹂になるかということの考え方によるものです。
■死を迎える
■枕経
■通夜
■葬儀
・引導
■初七日
■ニ七日
■三七日
■四七日
■五七日
■六七日
■七七日︵四十九日︶
・位牌開眼
■納骨︵納骨時期は施主により異なる︶
■初盆
■百か日
■一周忌
以前のブログ記事 年回法要にまつわるお話 も併せてご参照ください。
宗派による違いも見られます。
例えば、浄土真宗などでは、死を迎えると直ちに成仏するという考えですから、■死を迎える の時点から﹁御仏前﹂がマナーですね。
では、曹洞宗はというとどのように考えたらよいでしょうか。
私見を書かせていただくと、
︵1︶葬儀の﹁引導﹂により成仏がなされ
︵2︶四十九日法要で、︵既に仏となっていることを前提として︶正式な位牌開眼を行う
ということですから、引導を渡した瞬間、あるいはその後直ぐに仏となり、四十九日には既に仏となっていると考えてよいのではないでしょうか。
世間一般常識よりは前の時点ということになります。
すると考えると、枕経、通夜、葬儀開式前にお持ちするのなら﹁御霊前﹂、引導が渡された瞬間からは﹁御仏前﹂でも良いということになるでしょう。
実際には、初七日から参列される方は殆ど居ないと思われますし、次に参列される機会といえば、四十九日法要であるでしょうから、﹁御仏前﹂として良いという考えです。
なお、この﹁御霊前﹂﹁御仏前﹂という考えは、宗派のみならず、地方により大分考えが異なることもわかりました。
時間があれば、その差異について纏めてみたいと思います。
﹁御霊前﹂﹁御仏前﹂の違いは、場合によっては失礼にあたる可能性がありますから、
もし、﹁御霊前﹂﹁御仏前﹂どちらをお持ちするのが不明である場合は、﹁御香典﹂としてお持ちするという方法もあります。
これなら、どちらとしても通用します。