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2008年1月 6日
米ワーナー、ブルーレイに一本化・DVD規格争い、早期決着も
ソニー、東芝両陣営による新世代DVDの規格争いで、米映画大手ワーナー・ブラザーズは4日、東芝陣営の﹁HD―DVD﹂規格のDVDソフト販売から撤退し、今年6月からはソニー陣営の﹁ブルーレイ・ディスク︵BD︶﹂規格のソフトだけを販売すると発表した。米DVD市場で20%前後のシェアを持つワーナーの戦略転換で勢力図は大きく変わり、規格争いが早期決着する可能性も出てきた。
BDを支持する映画会社のDVDソフトの販売シェアは、ワーナーのほかソニー・ピクチャーズエンタテインメント、ウォルト・ディズニー、20世紀フォックスなどをあわせて70%弱となる。HD―DVDを単独支持するパラマウント・ピクチャーズ、ユニバーサル・ピクチャーズの合計シェア20%強を大きく引き離す。
︵IT+PLUS︶
直径12センチの円盤型の記録媒体は、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)というように大容量化が飛躍的に進んでいるところですが、記録データの大規模化、ハイビジョン放送の普及などにより、さらに大容量のメディアが求められ、いわゆる次世代DVDといわれる記録媒体が少しづつ市場に出回ってき始めました。
この次世代DVDについては、かつての家庭用VTRに見られたβ・VHSのような規格の分裂が再び見られ、日本のメーカーを中心にアメリカの映画会社やパソコン会社などが、東芝とNECが提唱するHD DVDと、ソニー・松下を中心にそれ以外の企業が参加するBlu-ray Disc両陣営に分かれて規格争いを繰り広げているところです。
その特長を端的に表現すると﹁作りやすさのHD DVD﹂と、﹁大容量のBlu-ray﹂ということができます。
またか・・・・という感じで、冷めた目で市場の動向を見ていましたが、いよいよ決着がつきそうな気配となりました。
そもそも、このような規格の分裂による争いは、消費者にとって不利益になることが多く、特に敗北した規格を購入してしまった場合には購入のし直しをしなければならないというように、大きな損失となってしまいます。
そのために、規格争いが決着するまで購入を見合わせている人も多かったはずです。
けれども、今後はある程度見通しが立ったことと、デジタルハイビジョン放送の普及に伴い、急速に次世代DVDの需要が増えることは想像に難くありません。
次世代DVDでは、HD DVD陣営が、2006年に東芝が世界初のHD DVDプレーヤー﹁HD-XA1﹂を発売するなど、一歩先にスタートしました。
Blu-ray Disc陣営は、半年以上遅れて松下が﹁DMR-BW200﹂﹁DMR-BR100﹂を発売。
価格を安く設定することで巻き返しを図ります。
次世代DVDの発売からまもなく2年。
日本における昨年10-11月の家電量販店2,300店舗のPOSデータベースで見る次世代DVDの売上シェアは、HD DVDは僅か2%、Blu-rayは98%となっており、既に圧倒的にBlu-ray優性の状況にあります。
ただ、欧米市場では、両者の差はそれほどついておらず、DVDソフトの販売枚数ベースでは、HD DVD 約30%、Blu-ray 約70%の割合となっています。
このままHD DVD が敗れると30%の消費者が︵Blu-rayが敗れると 約70%の消費者が︶かつてのβビデオの所有者のような不利益を被ります。
消費者に不利益な争いは、早く止めて欲しいものです。
β・VHS戦争を決定づけたのはソフトウエアコンテンツのパッケージ販売だったといえます。ですから、昨日の報道はHD DVDを推奨する東芝陣営にとってはかなりの痛手であることは間違いありません。
Blu-ray優性の流れを止めることはかなり困難ではないでしょうか。