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2007年9月29日
ミャンマー軍政が“制圧”宣言、国連特使が到着
ミャンマー軍事政権は29日付の国営各紙を通じ、僧侶主導の反政府デモへの対応で、﹁平和と安定を回復した﹂と“制圧”を宣言した。
一方、国連事務総長特別顧問イブラヒム・ガンバリ氏は同日、ミャンマー入りした。30日にタン・シュエ国家平和発展評議会議長ら軍政指導者らと会談する予定で、武力弾圧の即時停止と民主化勢力との対話を働きかけるが、強権発動による事態収拾に自信を深める軍政側から譲歩を引き出すのは困難とみられる。
軍政は29日付の国営紙﹁ミャンマーの新しい灯﹂などに声明を掲載し、“制圧”に際し、﹁必要最小限の武力を注意深く行使した﹂点を強調した。
これは、国連安保理を含む国際社会が求めた﹁自制﹂に耳を貸さず、自動小銃を用いるなどして少なくとも13人の死者を出した武力制圧のあり方について、軍政として正当化したものだ。
厳戒態勢下の最大都市ヤンゴンでは29日も、市民数千人がデモを試み、精鋭部隊に強制排除されており、情勢は完全に沈静化したとは言えない状況だが、軍政は29日、前日に遮断したインターネット回線について﹁復旧﹂を宣言した。ガンバリ氏の訪問を前に混乱が収拾ずみであることを訴え、国連の動きに先手を打ったとも言える。
同氏は29日午後、ヤンゴンの空港に到着したが、弾圧の舞台となったヤンゴン市街には足を踏み入れず、軍政により同日夜、ヤンゴン北約300キロの新首都ネピドーに移動させられた。
同氏は29日、ミャンマー入りに先立ち、滞在先のシンガポールで記者団に対し、﹁安保理と東南アジア諸国連合︵ASEAN︶の意思を受け、事務総長のメッセージを軍政幹部に伝える﹂と述べた。
軍政が、軟禁下に置く民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんとの面会をガンバリ氏に許可するかどうかは、軍政側の対応を計る上での試金石になりそうだ。スー・チーさんは自宅から刑務所に移送されたとの情報があるなど、動静が伝わっていない。
ガンバリ氏はミャンマー入りを前に、記者団に﹁会う必要のある人すべてに会うことを期待する﹂と話しており、反政府デモを率いた僧侶指導者との面会も求めるものと見られ、軍政側の出方が注目される。
︵読売新聞︶
アウン・サン・スー・チー女史は解放されるか
の続報です。
自宅軟禁状態であったアウン・サン・スー・チー女史が刑務所に強制移送されてしまったという情報があるものの、実際にどうなっているかということが伝わってきません。
ミャンマー軍事政権は情報統制を極端に強めてしまいました。
軍事政権は一方的に﹁平和と安定を回復した﹂と、制圧を宣言しましたが、これまで20年弱もの間押しつぶされてきた民主化と自由を求める声を 単に軍事力で強制的に黙らせ、民主化を軍事力で阻止し、安定を武力で回復しただけのことです。
少なくとも、これまで僧侶を中心に行われてきたデモ行進は平和的なものでした。
対して、軍事政権は丸腰の僧侶や市民に対して武力を行使しました。軍事政権により多数の僧侶や市民がが拘束され、殺害されました。仏教寺院も多数破壊されました。
ミャンマーはその大部分が仏教徒ですが、他宗教を信仰するものにも、ミャンマーにおける少数民族にも、一致した民主化への動きが生まれつつあるそうです。そのような声を抑圧することは決して許されません。
ミャンマー国民の怒りは決して収まっていないでしょう。
軍事政権がこのまま安定的に継続していくとは思えません。
僧侶や市民たちの勇気ある平和的な行動にを受けて、ミャンマーに向けて、暴力的に人々の活動を抑圧することを直ちに止め、これから民主化に向けた動きが進むよう、日本からも積極的にメッセージを送りたいものです。
私は一仏教僧としてダライラマ法王のメッセージに心より賛同いたします。
そして、ミャンマーにおける僧侶たちの非暴力・民主化運動を注視し、支持し続けます。
ダライ・ラマ法王
メッセージ ︵原文は英語︶
私はビルマ国内で最近起きている民主主義を求める平和的な運動に対し、支援と連帯を表明する。私は自由と民主主義を求めるこうした人々の訴えを全面的に支持するとともに、この場を借りて、全世界の自由を愛する人々に対し、この非暴力の運動を支援するよう訴えたい。さらに私は、ビルマで民主主義と自由を求めている多数の仏教僧に対し、心からの感謝と賞賛を送りたい。
私は一人の仏教僧として、仏教を信仰する軍事政権のメンバーに対し、慈しみと非暴力の精神に基づく仏法に従って行動するよう、重ねて呼びかける。
私はこの平和的な運動が成功することを、また私と同じくノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチー氏が早く釈放されることを祈る。
︵署名︶
日付‥2007年9月23日
■関連リンク
A Petition Campaign for Buddhist Solidarity with the Monks and Nuns of Burma
ビルマ情報ネットワーク (Burma Information Network -Japan)
補注 ダライラマ法王のメッセージにおける国名の表現は、敢えて﹁ビルマ﹂としております。