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2007年7月15日
水からの伝言 世界初!!水の氷結結晶写真集 今日も水にありがとう
著者/訳者名 江本勝/編著 IHM総合研究所/︹編︺
この本は、各方面で話題になっている本なので、ご存知の方も多いと思います。
水は人間の言葉がわかり、例えば﹁ありがとう﹂という言葉を掛け続けて氷を作ると、美しい結晶ができるということを紹介した本です。
みなさんは、この本の主張する、﹁ありがとう﹂という言葉を掛け続けて氷を作ると、美しい結晶ができるというということに、そんなことはありえないと、きっぱりと主張することができるでしょうか。
本のカスタマーレビューを見ると肯定的な意見が並んでいることに驚かされます。
実際に、かなり多くの方が、もしかしたら、そのようなこともあるのではないだろうか、と考えてしまっているような気がします。
さらに問題なのは、小学校の総合学習の授業に、この本を取り上げる事例もあるということです。
﹁美しい言葉は美しい氷の結晶をつくる。人間の体は多くの水分を含むから、言葉は人間の体に影響する。だから美しい言葉を使うことは大切だ・・・・・﹂
ここまでくると、問題を無視するわけにはいかなくなりますね。
ただの物体に過ぎない水が、言葉に反応して結晶の形を変えることは科学的にはあり得ません。
本の中に出てくる﹁波動﹂という用語も、現代ではニセ科学と分類されているものです。
以前、
血液型占いを信じますか?
で取上げた、血液型の話もそうです。
単純に、話のネタに使う程度であったり、科学的根拠が無い事を前提とした遊びであるなら問題ではないですが、就職エントリーシートに血液型の項目があったり、どの職種にはどの血液が多いからという理由で配属先を血液型で決めたり、異性と付き合う際に参考にしたり・・・・・
その他、﹁マイナスイオンやアルカリイオン水は体に良い﹂とか、﹁磁石を通した水は活性化する﹂とか、﹁納豆はダイエットに効果がある﹂とか・・・・・
科学的でないものを、なぜ私たちは科学的なものとして捉えてしまうのか。
科学的知識を持って、客観的に判断できる力は必要です。
正しい知識は、正しい判断を可能にし、日常生活の中で遭遇するさまざまなニセ科学の情報に対処することができます。
お薦めの本をご紹介します。
冒頭の本と対比してお読みくださると良いと思います。
水はなんにも知らないよ (新書)
左巻 健男著
税込価格 ‥ ?1,050 ︵本体 ‥ ?1,000︶
出版 ‥ ディスカヴァー・トゥエンティワン
サイズ ‥18cm / 182p
ISBN ‥ 978-4-88759-528-6
発行年月 ‥ 2007.2
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