撮ろう撮ろうと思いつつ、なかなか撮影できないまま、見ごろを少し過ぎてしまいました。
花弁が綺麗に残っているものは少なくなってしまいましたが、裏庭に咲くモクレンをご紹介します。
モクレンといえば、先の中国旅行の際、杭州の街でたくさん見かけました。
杭州は横浜よりもだいぶ南に位置するためか、一ヶ月以上早く咲いています。
↓こちらは、杭州にて3月8日撮影。
法衣の色、木蘭色は、この木連の別名でもあります。
もく‐らん︻木×蘭︼
1モクレンの別名。
2﹁木蘭色(もくらんじき)﹂の略。
3織り色の名。縦糸が黒、横糸が黄のもの。
4襲(かさね)の色目の名。表は黄、裏は黒のもの。
︵大辞泉︶
ただし、木蘭の衣の木蘭色は、木蓮によって染色したのではなく、インド北部からビルマの森林に自生するミロバランによるものだとされています。
ミロバランについては下記サイトに詳しく掲載されています。
http://www.frannel.com/12mirobaran.htm
ミロバランは正倉院にも呵梨靱︵かりろく︶ として保存されている、貴重な漢方薬でもありました。
染料として使われる植物は、薬効のあるものが多いですが、その不思議な力があるがゆえに、法衣にも使われたのだと思います。
ミロバランの薬効‥止咳・止瀉・利咽の効能があり、咳嗽や下痢・嗄声・脱肛・血便・性器出血・帯下・遺精・頻尿など。とくに収れん・固渋薬のひとつとして慢性の下痢や咳嗽に対して常用され、利咽薬として声がかれたときにも効果がある。︵引用元‥三牧ファミリー薬局︶
また、チフスやブドウ球菌に対する殺菌効果もあり、インドではアーユルベーダにも活用されていました。
ミロバランから染め上げられた布地は、実に上品な色なのですね。
#C7A252 |
もくらん
もくらんいろ |
木蘭
木蘭色 |
黄橡 |
ミロバランの実で染めた色
法衣に用いる際は木蘭色(もくらんじき) |
(色の定義はWikiペディアによる)
発色色素は水溶性タンニンで、染色方法により
ミョウバン⇒ くすんだ黄色
酢酸銅 ⇒ 茶色
塩化第一鉄⇒ こげ茶色
と変化します。
さらに、鉄媒染をすると、鮮やかな紫色となり、まるで冒頭写真の木蓮のようになります。
大法要の際に多くの僧侶を見る機会がある場合には、是非、木蘭の衣の色に着目してみてください。
バラエティーに富んだ木蘭色を楽しむことができます。
ええきっと、いつか自分の納得いくものが出来上がりましたら、お送りしたいと思います。
その頃には鎌倉・横浜に旅行できたらいいなと思っています♪
投稿者 ゆが | 2007年4月25日 11:11
良いお袈裟ができるといいですね!
投稿者 kameno | 2007年7月 9日 17:15