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2007年2月15日
わたしたち人間には、
愛や思いやりを称えられる能力があります。
このささやかな能力こそ、
人間のもっとも大切な天分だとわたしは思うのです。
大きくなるにつれて、
愛情、友情、助けあいということに、
あまり重きを置かなくなります。
人種、宗教、国籍といったことが大切になってきます。
もっとも大切なことを忘れ、
どうでもいいことに重きを置くようになります。
﹃抱くことば﹄より
今日2月5日は涅槃会。
三仏忌の一つで、お釈迦様が涅槃に入られた日です。
今日行われた定例坐禅会でも、佛遺教経をお読みいたしました。
佛遺教経とは、﹃仏垂般涅槃略説教誡経︵ぶっしはつねはんりゃくせっきょうかいきょう︶﹄という経典の略称で、お釈迦様が二本の沙羅双樹の間に横たわって、涅槃に入られる際に、周囲に集まった弟たちや嘆き悲しむ動植物たち達のために、最後の力をふりしぼって説いた教えです。
道元禅師も、佛遺教の八大人覚の部分を﹃正法眼蔵﹄﹁八大人覚﹂で詳しく書いています。
そのあたりは、以前纏めたものがありますので、こちらをご覧下さい。 ⇒八大人覚を講読しています
佛遺教経は、仏教をどう学ぶか、どのように生きるのか、そのような基本的なあり方を分かりやすいことばで説かれていますので、なじみやすいものだと思います。
お経というと、なにやら難しくてチンプンカンプンだし分からないと思いがちですが、決してそんなことはありません。
さて、今日冒頭でご紹介したことばは、ダライ・ラマ14世のことばをまとめた﹃抱くことば﹄という本からの引用です。
人はなぜ生まれるのか?
人はなぜ生きるのか?
﹁人生の目的は幸せになることです﹂と表紙カバーあるように、生きるうえで力になる珠玉のことばを100集めた本です。
収録されていることばは、どれも、分かりやすく心に響くことばばかりです。
きっとお釈迦様の説法もこのようなことばだったのではないでしょうか。
もし私があなたを叩いて、
あなたが穏やかなまま私を叩き返さなかったら、
結果的に居心地悪く感じるのは私のほうです。
でも叩き返されていたらもっと叩きたい気持ちになります。
暴力と暴力は連鎖し、さらなる暴力を呼びます。
ダライ・ラマ14世は、徹底的な非暴力を貫きました。
その結果、チベットの地より、亡命政府のあるインド北部ダラムサラへ追われ、残ったチベットの住民も大量虐殺を受けてしまいます。
現在では中国国内では﹁ダライ・ラマ﹂というワードすら街中にもインターネット上にも存在しません。
さて、50年もの間自国の地すら踏むことのできないでいるダライ・ラマ14世ですが、実は、この秋に日本にお招きすることが計画されています。
このブログをご覧のみなさまにも、もう少し経ちましたらご案内できるかと思います。どうぞお楽しみに。
抱くことば
著者/訳者名 ダライ・ラマ14世/著
グレート・ザ・歌舞伎町/写真
出版社名 イースト・プレス
ISBN‥4-87257-740-X
心の平穏、やさしさ、平和を説いて世界を行脚するダライ・ラマからの不滅のメッセージ。
名言100選を恋愛、家族などテーマごとに掲載。しみじみと胸に響く1冊。
目次
生きる意味‥
愛‥
家族‥
怒り、悲しみ‥
望み
この本ができあがる経緯については、こちらに詳細な記述があります。
失礼な質問も多いのですが、それらに真摯に回答する姿に、感動を覚えます。
併せてご紹介いたします。
ブルータス・チベットに出会う 裏編集後記
人から愛され、人を愛するとき、
それがいかに心地よいか、
そして逆に怒りや憎しみが心に満ちると、
いかに居心地が悪いか観察してみましょう。
他人を思いやって行動するとき、
わたしたちの行動はおのずとよい方向に向かいます。
なぜなら、心が愛で満たされているときには、
疑惑の入り込む余地がないからです。
慈悲と、人を愛する優しさを心のなかにもっていれば、
何かが自然にあなたの内面にあるとびらを開いてくれるのです。
それを通じて、
あなたたちは他の人々とずっとたやすく
心を通わせることができるようになるのです。
温かな気持ちは開かれた心を生み出します。
﹃抱くことば﹄より
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