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2006年10月16日
曹洞宗・宗務庁ビルの仮差し押さえ命令 山口地裁
山口県防府市で学校法人・多々良学園が経営していた多々良学園高校への融資の一部が回収不能になったとして、防府信用金庫︵防府市︶と山口信用金庫︵山口市︶が法人の当時の理事と理事が所属する曹洞宗に約11億円の損害賠償を求めた訴訟で、山口地裁が曹洞宗の宗務庁ビル︵東京都港区芝2丁目︶の仮差し押さえ命令を出したことが10日、分かった。
ビルは地上15階、地下2階建てで、土地と建物を合わせた資産評価額は約25億円という。両信金が仮差し押さえをそれぞれ請求し、今月3日と5日に決定が出た。同宗務庁は﹁事実関係が確認できておらず、コメントできない﹂としている。
訴状によると、03?04年、防府信金は10億円、山口信金は7億円をそれぞれ多々良学園に融資した。両信金は﹁曹洞宗が連帯保証すると説明された﹂と主張。曹洞宗は﹁連帯保証した事実はない﹂として全面的に争う姿勢を示している。
同学園は05年10月、東京地裁に民事再生法の適用を申請。債権の大幅カットを含む再生計画が認可され、防府信金は約5億円、山口信金は約6億円が回収不能になった。
http://www.asahi.com/national/update/1010/SEB200610100008.html
俗世間に戻ってみると、様々なことが進展してますね。
大切な宗費を無駄にして欲しくないものです。心よりの願いです。
個人メモとして関連条文をまとめておきます。
︻仮差押関連条文︼
民事保全法
第2款 仮差押命令
︵仮差押命令の必要性︶
第20条 仮差押命令は、金銭の支払を目的とする債権について、強制執行をすることができなくなるおそれがあるとき、又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。
2 仮差押命令は、前項の債権が条件付又は期限付である場合においても、これを発することができる。
︵仮差押命令の対象︶
第21条 仮差押命令は、特定の物について発しなければならない。
ただし、動産の仮差押命令は、目的物を特定しないで発することができる。
︵仮差押解放金︶
第22条 仮差押命令においては、仮差押えの執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならない。
2 前項の金銭の供託は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
第2節 仮差押えの執行
︵不動産に対する仮差押えの執行︶
第47条 民事執行法第43条第1項に規定する不動産︵同条第2項の規定により不動産とみなされるものを含む。︶に対する仮差押えの執行は、仮差押えの登記をする方法又は強制管理の方法により行う。
これらの方法は、併用することができる。
2 仮差押えの登記をする方法による仮差押えの執行については、仮差押命令を発した裁判所が、保全執行裁判所として管轄する。
3 仮差押えの登記は、裁判所書記官が嘱託する。
4 強制管理の方法による仮差押えの執行においては、管理人は、次項において準用する民事執行法第107条第1項の規定により計算した配当等に充てるべき金銭を供託し、その事情を保全執行裁判所に届け出なければならない。
5 民事執行法第46条第2項、第47条第1項、第48条第2項、第53条及び第54条の規定は仮差押えの登記をする方法による仮差押えの執行について、同法第44条、第46条第1項、第47条第2項、第6項本文及び第7項、第48条、第53条、第54条、第93条から第93条の3まで、第94条から第104条まで、第106条並びに第107条第1項の規定は強制管理の方法による仮差押えの執行について準用する。
︵仮差押解放金の供託による仮差押えの執行の取消し︶
第51条 債務者が第22条第1項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したことを証明したときは、保全執行裁判所は、仮差押えの執行を取り消さなければならない。
2 前項の規定による決定は、第46条において準用する民事執行法第12条第2項の規定にかかわらず、即時にその効力を生ずる。
︻kamenoメモ︼
・仮差押えとは、民事訴訟の結論が出る前に、相手方の財産を保全する手続きのこと。
・原告側の一方的な要求のみで判断されるため、訴訟の内容が筋違いのものであっても仮差押えの決定がなされる。
⇒曹洞宗が連帯保証したかどうかという事実確認無しに決定される。
・損害賠償や慰謝料等の請求などで、たとえ民事訴訟に勝っても、判決までに相手方の資産が散逸すると、賠償金や慰謝料等を手にできず、事実上裁判に勝った意味がなくなる。
⇒これを防ぐためにとられる措置が仮差し押えで、預金、現金などのほか、土地、建物などの不動産もその対象となる。
・仮差し押えを望む者は、裁判所に書面で申し立てる。立証は通常の訴訟より簡単な方法で、決定も申し立てから数日中に出ることが一般的。
・審理は相手方に知られぬよう秘密裏に進められ、執行も突然に行われる。
・仮差し押えが認められると、差し押えられた金銭等は勝手に処分できなくなり、不動産にはその旨、登記される。
︻関連トピックス︼
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