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2006年1月25日
科学技術・理科大好きプラン
我が国は、科学技術の振興により、豊かな国民生活や社会経済の発展及び産業競争力の強化を実現する﹁科学技術創造立国﹂を目指しています。そのためには、国民全体が科学技術に関心と理解を深めるとともに、次の世代を担う青少年が、科学技術に夢と希望を傾け、科学技術に対する志向を高めていくことが重要です。
しかしながら、昨今我が国では、青少年をはじめとする国民の﹁科学技術離れ﹂﹁理科離れ﹂が指摘されています。
この状況に対処し、科学好き、理科好きな児童生徒を増やすため、文部科学省では、平成14年度より﹁科学技術・理科大好きプラン﹂を開始いたしました。
科学技術・理科大好きプランでは、科学技術・理科教育の抜本的な充実を図るために、以下の施策を総合的・一体的に推進します。
﹁科学技術・理科大好きプラン﹂の実施により、児童生徒の科学技術・理科に対する関心を高め、学習意欲の向上を図り、創造性、知的好奇心・探究心を育成します。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/daisuki/main10_a4.htm
いわゆる、﹁理科離れ﹂が進んでいます。
日本は科学技術立国ですから、理科への興味がある子どもたちにとっては様々な知識を得る恵まれた環境にあるといえます。
また、次世代を担う人材を育てていかなければ、日本も成り立っていかなくなるでしょう。
理科離れの一つの大きな要因に、子どもたちの﹁暇﹂な時間が少なくなったことが挙げられると思います。
テレビやゲームが氾濫している環境の中では、子どもの興味・関心はそちらの方に向いてしまいがちです。
また、塾や習い事などの時間もあり、子どもたち自身が自由に使える時間は、非常に少なくなってしまっているのではないでしょうか。
膨大な時間を、与えられ続ける情報を浴びているだけでは,有用な情報を選択的に取り込む能力はなかなか身につかないでしょう。
子どもたちにとって、﹁暇﹂な時間は大切です。
理科的発想や、科学的判断は、こうした﹁暇﹂な時間に育まれます。
小さい頃から、電気製品を分解したり、自然観察をしたり、気象観測を行ったりといった理科的発想や、科学的判断を育てる重要なな体験は、﹁暇﹂な時間になされるわけですから。
興味関心を動機として創造的に物事に取組む姿勢を、学校や家庭でどう育んでいくかが大切ですね。
科学技術政策研究所の国際級研究人材の養成・確保のための環境・方策調査︵2003年)では、研究者たちの半数強が、子どもの時代に両親・親戚・教師といった周囲の大人たちから何らかの知的な刺激を受けたとの結果が得られています。
例えば、﹁小学校低学年のころに父に連れられて、ある高名な海洋生物学の教授の臨海実習に参加する機会を与えてもらった。内容などは覚えていないが、一流の学者に身近に接し、幼い身にも知的興奮を呼び覚まされたことを覚えている。他にも、機会あるごとに科学や最新技術に接する機会を与えてくれたことに感謝している﹂といったものです。
﹁暇﹂と﹁機会﹂、これが理科離れを防ぐポイントでしょう。
さて、﹁理科離れ﹂を反映してか、学習雑誌もあまり元気がないです。
特に学研の﹁科学﹂などは、年に4回だけになってしまい、しかも書店に買いに行かなければなりません。
私が子どもの頃は、学研のおばちゃんが届けてくれるのがとても楽しみだったなぁと思い返しています。
昨夕、2年生の娘に届いたベネッセの﹁チャレンジ2年生﹂の付録は、この点で久しぶりに感心しました。
いつもは、計算マシーンとかそういった類の付録が多いのですが、今回は﹁ピカボット﹂という発電の仕組みを体験する教材なのです。
発電機のハンドルをぐるぐる回すと、ロボットの発光ダイオードが光ったり、腕を回したり、歩き回る仕組みになっています。
また、様々な実験が手軽に行えるように、冊子に分かりやすくまとめてられています。
子どもたちがどのように遊んでいるかを見ていましたが、これを元に、いろいろな独創的な実験ができるようなものとして出来上がっていると感じました。
国際教育到達度評価学会︵IEA︶が1995年に行った、中学生の数学と理科に関する国際学力比較調査では、﹁数学や理科が好きか﹂という調査では﹁好き﹂という生徒の割合が先進国21か国の中で最下位でした。
また﹁理科は生活の中で大切と考える生徒の割合﹂も﹁科学を使う仕事をしたいと考えている生徒の割合﹂も最下位でした。
このような状況は、本当に残念です。
一人でも多くの子どもが理科に興味をもってくれると嬉しいです。