大船観音で毎年開催しているゆめ観音アジアフェスティバルでの平和宣言をご紹介します。
6年前、第2回ゆめ観音の時に、作らせていただき、毎年受継がれている宣言文です。
平和を願う心・・・・・・
それは、全世界どこの国であっても、どのような民族であっても同じであるはずです。
けれども、人間は、その長い歴史の中で、必ずどこかで、戦争と平和を繰り返してきました。
19世紀から20世紀に入ってから私達は機械文明を手に入れ、生活が飛躍的に豊かになりました。
一方で人々は、戦いの中で大量に相手を殺す兵器も生み出しました。
新世紀を迎えても、私たちは、科学、技術、コミュニケーションの分野で飛躍的な発展を遂げることができましたが、残念なことに、暴力と戦争という悪習を終焉させることはできませんでした。
大船の丘から街を見下ろす、この白衣観音像は、1929年、世界の恒久平和を祈願して建立されたものです。しかし、悲しいことに、その願いも空しく、日本は第二次世界大戦に突入してしまいます。戦争により、観音像も痛々しい姿になってしまいました。
アジア各国へ与えた数々の過ちを繰り返してはいけない。敗戦を経て今度こそ、観音菩薩の慈悲によって平和を祈願し、世界から戦争を無くすことを誓い、大船観音は現在の姿に再建されました。
このように、大船の白衣観音像は、日本のみならず全世界の平和を、また人々の平安を祈りながら、この地に鎮座なされてから40年たちます。建立に携わった人々の熱い想いは、その後も多くの人々に受け継がれ、観音の境内には、﹁原爆の火﹂や﹁戦歿者慰霊碑﹂等、平和への祈りが込められたモニュメントが多く建立されました。
平和は、政治的、経済的、軍事上の契約だけによって保障されるものではありません。
最終的には、人びとの一致した、誠実な、ゆるぎない取り決めによって築かれるものです。年齢、性別、社会的地位、宗教的帰属、または文化的背景の違いを超えて、私たち一人ひとりが、平和な世界を創ることを求められています。
平和は、私たちの行動、態度、日常の行為を通してのみ達成できます。平和の文化はすべての人が分かち合う、普遍的な文化であり、私たちに共通する人間性に不可欠なものであることを認識し、私たちはそれを行動に移していくことを誓います。
祭典が開催される、この大船の地から、アジア諸国に向けて、そして全世界に向けて、平和のメッセージを発信いたします。ここに、ゆめ観音、アジアフェスティバルの開会を宣言いたします。
ゆめ観音実行委員会
原爆によって、そして戦争によって犠牲となった全ての方々のご冥福をお祈りいたします。合掌
梵鐘の音が多くの方々の心に染み込むと良いですね。
多くの御霊が慰められますように。
投稿者 kameno | 2005年8月 7日 08:22