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2005年3月 1日
子供たちの理数系離れが進んでいると言われます。
具体的なデータは下記にあります。
http://www.i-cube.co.jp/mirai/02autumn/suugaku/data.html
特筆すべきは
■科学技術に知識を持っている一般市民の割合
高い順にデンマーク、イギリス、オランダ・・・・・
日本は深い知識をもっていると答えた市民は僅か数パーセント。
■数学を﹁好き﹂あるいは﹁大好き﹂だと思っている生徒の割合
調査37カ国中36位・・・・
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/index.htm
これでは技術立国の看板が泣きます。
大学が理系と文系に明確に分かれているという教育システムも問題ですが、大学で専攻を選択する際に、理系では大学生活を楽しめない、暗い、勉強が大変などの理由で、理科系が敬遠されてしまうようです。
文部科学省では、平成14年度から科学技術・理科、数学教育を重点的に行う﹁スーパーサイエンスハイスクール﹂を指定して研究を進めています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/14/04/020416.htm
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奈良県の西大和学園高校では、奈良先端技術大学院大学、京大、東大と連携し、最先端の遺伝子研究や生物学の講演を始めた。
﹁中学や高校の生物の授業とはまた違う、新しい面を見られて面白かった﹂︵2年・男子︶
﹁クローン技術を完成させるのにさえかなりの長い年月が費やされてきていて、科学技術にゴールはないのだと実感できた﹂︵2年・男子︶
と感想を述べている。
いわゆる体験型の授業とも捉えられる試みだが、今村浩章西大和学園校長は﹁目標大学を目指しながらなおも余裕のある生徒﹂のために、この試みに着手したという。基礎学力を十分備えた生徒には、このような体験が刺激となって、創造的な﹁ひらめき﹂が生まれてくるだろうことは想像に難くない。
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理数系の科目を学習するには、基礎学力が必須です。
つまり、基礎時点でつまづいた生徒にとっては、それ以降の理数系の授業は理解できず、苦痛でしかないし、逆に基礎がしっかり身についている生徒は、自分なりに消化し、それを元に、自分で興味ある新しい分野で独自的な解法をつくりだすことができ、こんなに楽しいことは無いと感じます。
数学者・遠山啓氏は、﹁数学、科学一般におけるもっとも重要な手段﹂の特徴として﹁一般性﹂﹁分析と統合﹂などを挙げています。
子どもがおもちゃを分解する行為に例えれば
﹁分析﹂=﹁構造やからくりを知ろう﹂とする過程
﹁統合﹂=﹁それぞれの部品を組み立てたりつなぎ合わせたり﹂して、再構築する過程
これにより
﹁一般性﹂=日常生活の中でも、周囲の情報をさまざまな角度から﹁分析﹂し、それらを総合的に﹁統合﹂することによって正確な理解が得られる
ということなのですが、これはメディアを読み取り、総合的に発信する力、メディアリテラシーについても同様です。
蛇足ですが、遠山啓氏の本について、私も、私の弟もボロボロになるくらいに読んでいた﹁算数の探検﹂という本が、絶版になってしまっています。
復刊に向けて協力をお願いいたします。
http://homepage.mac.com/kamenoseiji/Sansuu/index.html
最後に、
先日のH2Aロケット7号機の打ち上げにより、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は
今後5年間は、H2Aロケットの信頼性向上や国際宇宙ステーションでの技術習得
10年後までに月面探査ロボットを開発。宇宙ステーションに物資を輸送する無人補給機﹁HTV﹂の実用化
20年後には、有人基地の開発に着手、有人再使用輸送機の独自での開発着手を目標
ということで、今後20?30年で有人宇宙活動を可能にするという政府方針と併せて、夢のある計画が進んでいます。
子供たちに、是非理数系の本当のおもしろさを理解していただけるような教育環境を整備して欲しいものです。
数学は決して暗記科目ではなく、その意味をしっかり見につけていく必要があるのですが、なかなかそういう理解しやすい教え方をされる先生は少ないのかもしれませんね。
投稿者 kameno | 2005年3月 3日 00:37