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2005年2月27日
2月26日18時25分に種子島宇宙センターから打ち上げられたH-IIAロケット7号機は、無事成功しました。
思い返せば、平成15年11月に打ち上げられたH-IIAロケット6号機は、期待もむなしく固体ロケットブースタ︵SRB-A︶の分離に失敗し、打上げ約10分後に指令破壊を受けて太平洋の底に沈んでしまいました。
それから一年余りが経過し、その期間限られた予算の中で原因究明と改良が重ねられ、昨日の7号機打ち上げ成功に結びついています。
日本の宇宙航空研究開発機構︵JAXA)に充てられる宇宙開発予算は、実にNASAの 1/8、EUの 1/3 に過ぎません。
宇宙開発人員ベースで見るとさらに格差が拡大し、NASAの 1/13、EUの 1/4 でしか無いのです。
そのような事情により、今回の打ち上げには保険すらかけられていないという、まさに背水の陣での打ち上げであり、成功は本当に嬉しいニュースでした。
ロケットの打ち上げは、リフトオフからMTSAT-1R分離までわずか40分。その一時間弱の中に研究開発の殆んどが凝縮されていると言って良いでしょう。
何回も繰り返される実証実験、さまざまなシミュレーション、一つの失敗も許されない厳しさがあります。
さらに、今回の打ち上げでも強風などの気象条件によって日程が延長されてすんなりとは行きませんでした。
けれども、
﹁人事を尽くして天命を待つ。その人事を尽くした﹂
﹁技術者は不安な顔はしていなかった。確かな信頼性を示していた﹂
という宇宙開発委員会・井口委員長の言葉が、今回の打ち上げを総括していると感じます。
日本の宇宙開発の歴史は、今年で50年目となりました。その節目となる年にH-IIAロケットの技術が確固たるものになる一歩を踏み出したことはとても重要なことだと思います。
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気象衛星︵多目的衛星︶がエンジン噴射、静止軌道へ移行作業
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050227-00000514-yom-soci
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打ち上げ以降のミッションも順調に進んでいるようです。
関係の皆様、本当におめでとうございました。
追記‥私の弟のBlogを下記に紹介します。少しではありますが今回のミッションに関わっていますので。
http://homepage.mac.com/kamenoseiji/iblog/