« 三仏忌の「忌」は、果たして適切か |
最新記事
| ふきのとう »
2005年2月23日
所要で福岡まで出かけていました。
昨日、福岡空港から羽田への帰りの出来事です。
搭乗案内も順調に進み、定刻どおりに飛行機は滑走路へ向かう誘導路を進んでいきました。
滑走路に入り、今まさにフルスロットル・・・・という瞬間に、何やら機内が慌しくなってきました。
フライトアテンダントの方々がバタバタと通路を駆け巡っています。
やがて、機内放送で
﹁お客様の中で、お医者さんか医療関係におつとめの方はいらっしゃらないでしょうか﹂
とのアナウンスが流れます。
ドラマでは良く見る光景ですが、こんなこともあるんだなぁと驚きました。
患者は少し離れた席に座っていたので状況はよく分かりませんが、やがて2人くらいのお医者さん?が診療を始めました。
20分くらい経過したでしょうか。
﹁機内に急病の方がいらっしゃいますので、一度搭乗ゲートに戻ります﹂
と機長からのアナウンス。
機内は、まあ、仕方がないか・・・といった雰囲気が漂います。
当の座席の周りでは、相変わらずフライトアテンダントやらパーサーが動き回っています。
やがて飛行機は空港ビル脇に駐機し、大きなリフトのような車が横付けされました。
﹁ただいま、急病の方の降機手続きをとっています。携帯電話は機内では使えないため、機体前方にタラップを用意しました。
電話連絡される方は前方出口からタラップに出て通話ください。なお、地上に降りることは法令上禁止さています﹂
午前便のため、皆さん午後の会議があるのでしょう、機長のアナウンスに、乗客が一斉に機体前方に向かいます。
やがて
﹁すみません、一度に移動されると機体のバランスがくずれますので、一度戻ってください﹂
初めから、こういう事態が予測されるから、よく考えて案内すればいいのに・・・と心の中でつっこみながら、そんなことで機体の
バランスがくずれるものなのかということに驚き。
出発予定時刻から40分くらい経って
﹁降りていただく患者さんの手荷物を2個降ろすため、あと30分ほどお待ちください﹂
このアナウンスがあって、機内の空気はさらに重くなります。
さらに15分くらい経過した時、いきなり隣の席の男性がフライトアテンダントに怒鳴りつけました。
﹁患者の手荷物を降ろすのは何故だ!患者だけ降ろして、手荷物は積んだままにして、羽田から荷物を折り返せばいいだろう。お陰で午後の会議がパーになるかもしれない。機長を呼んで来い!!﹂
まあ、最初の一行は正論として、その後グダグダとフライトアテンダントに大声を張り上げます。
あまりにも五月蝿いので、
﹁もう、手荷物の降ろしてしまっているし、こんなところで文句を言っても仕方がないですよ﹂
と私が言うと
﹁こんな不条理なことがあるか。ちゃんと言わなきゃ、また同じことを繰り返すだろう﹂
さらにヒートアップします。
﹁みんな、一生懸命やっているのだし、普段の訓練どおりに手順を踏んでいるのだから、もしその方法に問題点があると思うのなら、こんなところで大声を張り上げずに、本社にでも手紙でも書けばいい﹂
と私が言うと、声を荒げるのをやめてくれました。
その間フライトアテンダントは付っきりでひたすら謝り続けています。
その後、男性は私の言うことに納得してくれたのか、フライトの間中、便箋に何かをしたためていました。
︵分別のある方で良かったです︶
よく、交通機関の事故などで、ダイヤが乱れたりして構内が混乱することがあります。乗客たちの一部は駅員たちに詰め寄って文句を言ったりする光景も良く見られます。
けれども、混乱した現場において、そこで文句を言っても何も生まれないし、何も解決もできないでしょう。
係員に無駄に対応を強いるよりも、とりあえず事故処理に集中してもらったほうがずっと皆の︵自分のためにも︶なると言えます。
とにかく、今日はいろいろな意味で貴重な体験をさせていただきました。
最終的に、出発は一時間ちょっと遅れてしまったのですが、機長が﹁飛行機の性能を生かしてできるだけ早く到着するようにします﹂との言葉どおり、約10分ほど遅れを取り戻して、無事羽田に着陸しました。
︻追記︼
︵1︶帰ってから改めてサイトを見てみると、
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsasem/sora_tabi_meeting/2001_5.html
当社運航便における急病人の発生
国内線では1000便あたり0.99件、国際線は1000便あたり5.43件。
へぇー、やはり滅多にないことだったんですね。
︵2︶飛行機を降りる時にフライトアテンダントのかたから自筆のお礼のメッセージカードを戴きました。
丁寧な心遣い、ありがとうございました。