Search

全てのブログ記事一覧

TOPページへ


Creative Commons License
このウェブログのライセンス: Creative Commons License.

観測史上最も高い夏

今年は、体感としてもこれまでの年と比べ物にならないくらい気温が高い日が続きました。
気象庁の記録を見ても、観測史上○○という表現が多くなりました。 日本もそうですが、世界全体の傾向として気温が上昇しているということです。

気象庁の公式サイトで、月平均、年平均など平均気温偏差の経年変化が掲出されていますので 一例として、日本の7月平均気温偏差の経年変化(1898〜2023年)を見てみましょう。
jul_jpn.png

図:日本の7月平均気温偏差の経年変化(1898〜2023年)


この図が示すように、全体的な傾向として、日本の7月平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.21℃の割合で上昇しています。
特に今年(2023年)7月の日本の平均気温の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+1.91℃で、1898年の統計開始以降、1978年を上回り最も高い値となっています。

細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均値、直線(赤):長期変化傾向。 基準値は1991〜2020年の30年平均値。

なお、これまで正偏差が大きかった年=暑かった年(1位〜5位)は
①2023年(+1.91℃)、②1978年(+1.51℃)、③2017年(+1.42℃)、④1994年(+1.33℃)、⑤2018年(+1.20℃)
であり、2023年が飛び抜けて暑い夏であることが判ります。

参考として、近年の夏の特徴が気象庁でまとめられておりますので、併せて引用しておきます。
異常気象は、豪雨や土砂災害などの要因にもなり、毎年のように大きな災害が続いています。
今後も 気温上昇の傾向は今後も続く可能性が高く、私たちの生活環境にも大きな影響がでることが心配されます。

近年の夏の特徴 (出典:気象庁)

期間 北日本 気温平年差℃ 東日本 気温平年差℃ 西日本 気温平年差℃ 沖縄・奄美 気温平年差℃ 夏の天候の特徴
2013 +0.7(高い) +0.7(高い) +0.9(かなり高い) +0.4(高い)

秋田県・岩手県・島根県・山口県で豪雨被害、東日本太平洋側と沖縄・奄美で少雨

2014 +0.8(高い) +0.1(平年並) -0.6(低い) +0.1(平年並)

平成26年8月豪雨、8月はほぼ全国的に多雨

2015 +0.2(平年並) -0.1(平年並) -0.8(低い) +0.4(高い)

西日本で低温・多雨・日照不足、沖縄・奄美は高温

2016 +0.4(平年並) +0.2(平年並) +0.5(高い) +0.8(かなり高い)

全国的に多照、西日本と沖縄・奄美で高温、北日本太平洋側は記録的な多雨

2017 0.0(平年並) +0.2(平年並) +0.4(高い) +0.5(高い)

西日本と沖縄・奄美は高温、平成29年7月九州北部豪雨、8月は北・東日本太平洋側で天候不順

2018 +0.2(平年並) +1.3(かなり高い) +0.9(かなり高い) -0.2(低い)

平成30年7月豪雨により西日本を中心に記録的な大雨、東・西日本で記録的な高温 国内最高気温記録更新

2019 +0.4(平年並) +0.1(平年並) -0.2(低い) 0.0(平年並)

梅雨前線の北上が遅れ多くの地域で梅雨明け遅れる、西日本を中心にたびたび大雨、沖縄・奄美では多雨寡照

2020 +0.8(高い) +0.7(高い) +0.4(高い) +0.6(かなり高い)

令和2年7月豪雨、全国的に高温・多雨、国内最高気温記録(1位タイ)

2021 +1.4(かなり高い) +0.4(高い) +0.1(平年並) 0.0(平年並)

北日本で顕著な高温・少雨・多照、東日本太平洋側と西日本で記録的な大雨

2022 +0.9(高い) +0.9(かなり高い) +0.9(かなり高い) +0.6(かなり高い)

東・西日本と沖縄・奄美で顕著な高温、北・東日本で多雨、西日本で少雨多照

投稿者: kameno 日時: 2023年8月27日 18:37

コメントを送る