水田の浄化作用

蓮の花(蓮華)は仏教の教えを象徴する花とされています。
その一つの理由は「泥中の蓮(でいちゅうのはす)」(維摩経)にあるように、「泥のような汚れた環境、であっても、その汚れに染まらず清く正しく生きるさまが菩薩道を歩む仏教修行者の姿である」という喩えて解かれていることが大きいでしょう。

けれども、実際の蓮が育つ環境では、泥も、その上の水もとても清らかなものなのです。

以前 蓮は清浄な泥と水から花を咲かせる という記事を書きましたので、そちらも参照ください。


下写真は、先日2月15日に蓮の植替え作業をした直後の蓮鉢です。
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土をかき回して、水を入れたばかりなので、泥の状態。まさにドロドロに濁っています。

そして、その2日後がこちら。

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泥の固形成分はすっかり沈殿し、細かい粒子も見えず、とても澄んだ水になっています。

単に泥の粒子が重力のために沈んだだけでなく、泥の中に存在する無数のバクテリアや原生動物のような微生物の集まりが、かき混ぜられた泥水に溶け込んだ空気で呼吸しながら養分を分解し、また、微生物は増殖し、相乗作用で水は綺麗になっていきます。

「蓮はさまざまな生物たちにのはたらきによる清浄な泥と水から清浄な花を咲かせる」のだということを、蓮華鉢は教えてくれています。

投稿者: kameno 日時: 2022年2月20日 09:44

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