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熊本地震により、熊本の名刹・大慈寺をはじめ多くの寺院で甚大な被害が出ています。
2011年に宗務所移動研修で拝登した時の記録と比較ください⇒ 大梁山 大慈寺
大慈寺は、大本山永平寺の四門首(代表的な末寺4か寺=宇治の興聖寺、大野の宝慶寺、加賀の大乗寺、そして肥後の大慈寺)の4大末寺の一つで、弘安元(1278)年、寒巖義尹禅師によって開創されました。
寒巖義尹禅師は、道元禅師の高弟であり、宋に二度渡り研鑽を積まれ、帰国後、安国山聖福寺に住した後、肥後の地に如来寺、大慈寺を開創され、九州地方における曹洞宗の基盤を築かれた方です。
また、順徳天皇の第三皇子でもあったために、明治時代初期の廃仏毀釈の影響はさほど受けず、境内には神仏混合のまま現在まで受継がれています。
伽藍は正平、永正年間、その後天文9(1540)年の戦乱、明和年間と度重なる火災に見舞われ、一時荒廃した時代もあったそうですが、大正時代には澤木興道老師が講師として入られ、また昭和60年にはかつての伽藍様式にて再建されました。
熊本地震の前震、そして翌日の本震により、境内伽藍は甚大な被害を受け、熊本県、近県の寺院、青年会、関係の皆さまのご尽力もあり、片づけや応急処置は施されているものの、抜本的な再建に向けての動きはこれからという印象でした。
このような姿を目の当たりにすることは本当に心が痛みます。
堂内に入ると、その被害状況が未だ生々しく残されています。
1287年に鋳造されたとされる梵鐘(重要文化財)は、地震の大きな揺れで落ちてしまっています。
左右に大きく揺れながら落ちたらしいということで、横木が大きく割れていました。
これがクッションとなって、梵鐘自体が割れずに済んだのかもしれません。
文化財が多い寺院であるために、修復には各種機関との調整も必要とのことで、どれほどの時間がかかるかわからないとのことでした。
少しでも早い復旧復興がなされることを願うばかりです。
教区にご縁のある別の寺院では、今後震度6以上の揺れがあった場合に倒壊の危険があるということで、本堂の四方を太いワイヤーで補強していました。
正面須弥壇の前にもクロス状にワイヤーが張られています。
全壊した寺院・神社も多いということで、被害の全体像が把握できていない段階なのでしょう。
本日の報道では、阿蘇神社の修復に10年、費用は20億円以上というものがありました。
<熊本地震>重文・楼門倒壊の阿蘇神社 完全復旧に10年熊本地震で国指定重要文化財「楼門」が倒壊するなど大きな被害が出た阿蘇神社(熊本県阿蘇市)は、建物の完全復旧に工期で約10年、費用で約20億円がかかる見込みであることが分かった。神社が取材に対し明らかにした。修復で再利用を予定する楼門の部材の損傷状況を正確に把握しきれておらず、今後の調査次第では、さらに費用が増える可能性があるという。
(毎日新聞 5月13日(金)11時48分配信)
現状は如何なって居るのでしょうか
投稿者 永峰一覚 | 2017年9月 8日 17:41
永峰さま
コメントありがとうございます。来月訪れる機会がありますので、実際に目で見てまいります。
投稿者 kameno | 2017年9月 9日 01:32