一人ひとり、掛け替えのない個性を持っている

働き蟻は、全てが一心不乱に働き続けるイメージがありますが、働いているアリは、巣全体の約8割で、2割の蟻は自分の体を舐めていたり、じっとしているそうです。

働かない蟻は、どの巣にも一定の割合で存在していて、何らかの貢献をしていると言われています。

この話は、人間社会にも当てはまると思います。例えば職場では、仕事が遅かったり、失敗ばかりしているように見える仲間もいることでしょう。

特定の利益目標の前には、業績を上げるという、目先の利益を優先する「優劣」がついて回ります。学校の成績もそうかも知れません。しかし、人それぞれが持っている個性と能力は、見方を変えれば全く逆の優劣になることもあります。

例えば、一つの基準で優秀な人ばかりを集めたとします。全員が一様に、一心不乱にバリバリ働いている、そんな職場は、私だったら嫌です。

さまざまなタイプの人がいて、潤滑油のような役割を果たしているからこそ、全体が効率良く回っていると言えるでしょう。

大切なことは、一人ひとり、それぞれが掛け替えのない個性を持っているということなのです。

テレビ朝日系列『やじうまテレビ!』きょうの説法より


 

今回の法話は、金子みすゞ の詩「みんなちがって、みんないい」をモチーフにしました。

最近は、個性が尊ばれる時代です。しかし、単純に「人はそれぞれ違うのだから、みんな違っていていいんだよ」というだけの薄っぺらいことではありません。
大切なことは、その「違い」の中身です。

人それぞれ、出来ること(得意なこと)、出来ないこと(不得意なこと)があります。
つなり、「お互いそれぞれ不得意な部分はあっても、誰にも真似のできない素晴らしい長所がある」ということです。
そして、人間は、決して一つの尺度で判断してはなりません。
お互いの素晴らしい長所を認め合い、尊重しあう気持ちが大切であり、それが社会全体に広がっていくことで、潤滑油のようにスムーズに「回って」いくようになるのです。

投稿者: kameno 日時: 2013年7月31日 01:24

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