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伝統仏教各宗派僧侶がボランティアとして活動している仏教情報センターでは、毎年「仏教ライフサークル」として関東近郊の名刹を訪れる日帰り旅行を行っています。
今年の旅行先は曹洞宗乾坤山日本寺。
鋸南町にある曹洞宗の寺院です。
曹洞宗相談員として私も引率参加いたしました。
鋸山と羅漢石像群は千葉県の名勝に指定されています。
これらの石仏群は、約200年前、石工 大野甚五郎により彫られたものです。
残念なことに神仏分離に伴う廃仏毀釈により、石仏群は大分破壊されてしまいました。
頭が割られ谷底に落とされ埋もれてしまったものを発掘しながら少しづつ元に戻しているそうですが、凝灰岩ゆえに風化が激しいものもありなかなか大変なようです。
この一帯は良質の凝灰岩(房州石)が産出され、江戸時代から盛んに採石が行われたため、切取られた岩が鋸に見えることから、この一帯は鋸山と呼ばれています。
採取された石材は、横須賀軍港、横浜港、東京湾要塞、靖国神社などで使われています。
早稲田大学の構内にも利用されているそうです。
切り立った崖に彫られた百尺観音は見事です。
崖に落書きをする行為は本当に止めて欲しいものです。
大仏様の前でご住職により由緒縁起を中心にお話を伺いました。
行基により開かれたとされる歴史ある寺院です。
源頼朝により植えられたソテツなどもあり、また仁王門の金剛力士像は円仁の作とされています。
徳川家光の時代に曹洞宗となりました。
最近では、平成元年インド政府よりブッダガヤの聖菩提樹の分木が贈られ植樹され大仏様の前で育っています。
最盛期には七堂十二院百坊を有する大寺院でしたが、廃仏毀釈や昭和初期の火災により堂宇の大部分が失われてしまいました。
復興が順調に進むことを願います。
■昨年の記事はこちら
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