おみくじはもう引きましたか?

<新年人出>初詣では9373万人と過去最多

 警察庁は5日、正月三が日の初詣でと行楽地への人出状況をまとめた。いずれも主催者発表で、全国の主な神社・仏閣への人出は9373万人と昨年より407万人増加した。昨年の8966万人に続き、統計のある74年以降で過去最多を更新した。行楽地は374万人(前年比12.6万人減)だった。
 また年末年始(12月29日?1月3日)の主要山岳の登山者数は1万4667人で、前年より898人増えた。遭難は7件(同2件減)、9人(同2人減)発生し、死者・行方不明者1人、負傷者3人が出た。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060105-00000034-mai-soci




正月三が日は、初詣に出かけられた方も多いのではないでしょうか。
貞昌院に隣接する永谷天満宮にも、数多くの参詣者で賑わっていました。

境内にはたくさんのおみくじがくくりつけられております。
それを見守る牛の銅像は何を思うのでしょうか。
20060105.jpg
梅の小枝には、梅花のつぼみが膨らみつつありますね。
梅花が花開くように、皆さんの願いもかないますことを心よりご祈念申し上げます。


この、永谷天満宮ですが、貞昌院と一つの山(天神山)を共有しています。
明治時代までは、貞昌院と天満宮は一緒でした。貞昌院住職が、神主を兼ねていたのです。
しかし、明治時代以降、お寺と神社は分離されました。
まあ、分離されたとは言っても、現在でもお互いに協力し合って運営しています。

永谷天満宮は、勉強の神様、永谷の天神さまとして親しまれ、菅原道真公が自分の姿を鏡に映して自分で刻んだ、三つしかない木像のうちの一体をもつ神社として知られています。
これが日本三体たる所以です。

菅原道真公は平安時代の人ですが、醍醐天皇の信頼が厚く、時の支配者である藤原氏と対立し、延喜元年(901)九州の大宰府に流され、延喜三年その地で亡くなりました。
文学や文章を書くことにすぐれていましたので、学問の神様として祀られています。

道真公には13人の子どもがおりましたが、その第五子・敦茂は、父の才能を受けつぎ、菅秀才と呼ばれるほどで、父の道真公も大いに期待し、三体の道真像のうちの一体をそっと渡していたのでしょう。

後に父の道真公と共に、子どもたちも都から各地に追放されることとなりますが、相模風土記によると、敦茂は永谷の郷に移されたということです。
敦茂は、天神山の頂上に立ち,はるか遠くの九州太宰府の父・道真公をしたいながら、朝夕のご挨拶をされたということです。

天神山の上には,敦茂が愛用した筆や、髪の毛を埋めたとも伝えられる,菅秀塚の碑があります。

菅原敦茂がいつ生まれ、いつ亡くなったのか、詳細は不明ですが、文章博士やそのほか重要な役目に就任するなど、親子二代の学者として有名でした。

冒頭で述べた道真像は敦茂から多くの人を経て,上杉乗国に伝えられ,明応二年(1493)ここに社を造り,ご神体としておまつりしましたのが現在の永谷天満宮です。
他の二体の道真像は,道真のお墓のある福岡県の安楽寺と,生まれたところの大阪府の道明寺にあります。

さて、前置きは長くなりましたが、貞昌院には、永谷天満宮別当であった時代に、貞昌院で作成した、おそらく日本で一番古いおみくじが残されています。

このおみくじは、横浜市の文化財に指定されており、以前は川崎市民ミュージアムに展示させていただいたこともあるものです。

滅多に外に出せないおみくじですが、インターネットで引けるようにFLASHを作成したものがありますので、是非引いてみてください。
ただし、凶がとても多いですから、心して引いてみてくださいね。


 ■⇒ おみくじを引いてみる


天神おみくじは、貞昌院に200年前から伝わる、由緒あるおみくじです。

凶の割合がとても多いのですが、江戸時代当時のまま再現していますのでご容赦ください。また、原版から読取れない字は・で表示してあります。

横浜の文化財(横浜市教育委員会編)には、おみくじについて次のような解説があります。

1.御籤匣
 匣は黒漆塗りの直方体で、正面に金地仕上げのうめばちの紋を描き、上端中央に竹簡の籤がでる穴を持つ。
 裏面には朱の「天神山貞昌院 十四世哲航大賢五修彦命代 江戸中橋柾町清水舊長門弟中」の銘がある。
 寸法は巾・奥行き12.2cm、高さ31cm。
 注)200年前のものと推定される

2.竹簡
 竹簡の籤は、平均巾0.8cm。長さ18.9cm。上端部に吉凶と三桁の数字番号、下端部に通し番号。

3.版木
 版木は裏表両面に各2枚の版を固定したもので、一面で2種類の御籤札を刷ることができる組み版となっている。
 組み合わせは竹簡の番号に準ずる。札一枚の平均的寸法は横15.5cm、縦21cm。組み版木の寸法は46.5cm*24cmである。


【関連リンク】

■永谷天満宮 (港南区上永谷)    
http://town-np.jp/513.htm

■今年の永谷天満宮初詣の光景
http://teishoin.net/blog/000322.html

■永谷天満宮子ども神輿・秋のお祭り
http://teishoin.net/blog/000237.html

投稿者: kameno 日時: 2006年1月 5日 10:37

コメント: おみくじはもう引きましたか?

大吉333番が出ました。
「嬉しきことの重なるが如し」だそうです。
庫裏の建設と本堂の大修理ができると言うお告げと取りました。実現すれば落慶の導師としてお招きしますので、御来駕ください。

投稿者 usagi | 2006年1月 8日 10:31

希少な大吉を引かれたとのこと、おめでとうございます。
今年はきっと良いことがあるのではないかと思います。
新年も何卒よろしくお願いいたします。
合掌

投稿者 kameno | 2006年1月 8日 14:41

貞昌院と永谷天満宮の関係が分かり、とても興味深かったです。とても由緒正しいお宮なんですね。
おみくじ、大変貴重な歴史遺産ですね…驚きでした。
早速やってみました!
なんと大吉でした!
今年は新春から縁起がいいです(笑)

投稿者 りょう | 2006年1月 9日 09:28

りょうさんも大吉ですか!
りょうさんにとって飛躍の年になりますように

投稿者 kameno | 2006年1月 9日 11:26

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