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<東証システム障害>不備が露呈 「日本買い」の動きに冷水
東京証券取引所で1日発生した大規模なシステム障害は、日本の証券市場に対する国内外の投資家の信頼を揺るがす事態に発展した。東証はバブル崩壊後、世界の市場間競争で出遅れ地盤沈下が指摘されてきたが、景気回復で海外投資家が回帰し、株価が上昇。出来高も膨らみ、存在感を取り戻しつつあった。その矢先に、市場運営の根幹である売買システムの不備が露呈したことで「日本買い」の動きに冷水を浴びせかねず、「東京マーケット復活」のシナリオに狂いが生じる可能性も出て来た。
東証1部の昨年末時点での時価総額はドル換算で3.5兆ドル(約353兆円)と、ニューヨーク市場(12.7兆ドル)に次ぐ2位だが、その規模は3分の1以下と大差をつけられている。昨年の年間売買代金では、ロンドン市場にも後れを取り世界3位。世界最大の市場規模を誇った80年代後半と比べると見る影もない。
しかもここ数年、中国やインドなどアジアの新興市場も成長が著しく、「日本を飛び越えて欧米からの投資が、アジア諸国に流れる」(大手証券)と懸念する声も強まっている。欧州で現実化している国境を越えた市場の合従連衡など本格的な市場間競争が、アジアでも始まると予想されており、東証にとっては市場の規模拡大と機能拡充は大きな課題だった。
1日の東証は大規模システム障害で午前中の取引が全面停止したものの、日経平均株価は今年の最高値を更新。日銀が前日、展望リポートで消費者物価指数の予想を上方修正するなど、日本経済のデフレ脱却が現実味を増したことなどから、株価は上昇基調を堅持した。しかし、与謝野馨金融・経済財政担当相が「株価が上昇局面だったので被害は少なくて済んだが、下落局面だったら大変な問題になっていただろう」と指摘した通り、世界市場に影響を及ぼしかねない緊急事態だったことは間違いない。
東証は、市場間競争で生き残るため売買システム拡充の資金が必要だとして上場を目指している。しかし、投資家に不信感が広がれば、上場しても資金調達は容易ではなく、トラブルの原因究明と再発防止策を早期に講じる必要に迫られそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051101-00000130-mai-bus_all
<JR西日本>新型ATSの96カ所で設定ミスJR西日本は1日、京阪神地区で整備している新型の自動列車停止装置(ATS―P)の計96カ所で設定ミスがあり、うち30カ所のカーブ・分岐器(ポイント)の手前で、速度超過しても自動的にブレーキがかからない設定になっていたことを明らかにした。データを作成する関係部署の「縦割り意識」から、データを確認せずに誤入力したことが原因。新型ATSは、福知山線脱線事故の再発防止として国土交通省が不通区間への設置を求めていたものだが、同社の安全意識の低さが改めて問われそうだ。
◇カーブ手前で速度超過でもブレーキかからず
ミスがあったのは▽東海道・山陽線(12カ所)▽大阪環状線(1カ所)▽関西空港線(1カ所)▽関西線(16カ所)▽片町線(31カ所)▽東西線(13カ所)▽福知山線(22カ所)の8路線。大阪環状線には最も早い90年に設置されていた。
同社によると、9月初め、脱線事故を調査している国交省航空・鉄道事故調査委員会に東西線の新型ATSのデータ提出を求められ、社内調査した結果、ミスが判明。2287カ所ある設置個所のうち、カーブ(全129カ所)28カ所と、分岐器(全223カ所)2カ所の計30カ所は、設定速度が計画値より35?5キロ高く、制限速度を超過してもブレーキがかからないようになっていた。
東海道線神戸駅では、ディーゼル特急が仮に制限速度を35キロ超えたとしても反応しないカーブがあった。別の区間では、20キロ超えても通過可能のカーブが2カ所あった。同社は危険個所を改修したが、ミス発覚から2カ月間公表しなかった。
一方、66カ所で設定速度を低くするミスがあった。うち22カ所は5月中旬、脱線事故の不通区間に新型ATSを設置していた工事の際、設定ミスに気付いたが、「安全に問題はない」とそのまま設置した。
新型ATSは、支社施設課にあるカーブの制限速度などのデータと、本社車両部が持つブレーキなどの車両データを、支社輸送課が取り寄せ、車種別の制限速度を計算。これをもとに支社電気課が設定データを作成していた。しかし、支社施設課と本社車両部の連携不足で支社輸送課が誤ったデータを算出、支社電気課も再確認せず、定期検査でも入力データを検証していなかった。
同社は関係部署の役割を明文化し、検討委員会を設置して対策に取り組む。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051101-00000115-mai-soci
確かに、データベースを構築することにより、複数の人が大量のデータを共有できる利点が生まれます。仕事の効率化にも多大なる貢献をすることでしょう。
しかし、一旦、この状況に甘んじてしまうと、いざ、システムに障害がおきたり、停電など電源が確保できない状態になった場合、まったく仕事を行うことができなくなってしまう可能性があります。
そればかりでなく、プログラムのミスにより、経済的損失を生み出したり、場合によってはJRの例のように人命にかかわる事故を引き起こすこともあります。
コンピュータにより情報を管理することによるメリット、デメリットをよく理解して、いざというときにどのような対処をするべきなのか、危機管理マニュアルを徹底する必要がありそうです。
そんな中、昨日も、仕事場のブレーカーが落ちてしまい、室内のコンピューターが一斉に消えてしまいました。
昼休み中であったことが不幸中の幸いでしたが、ひやっとした一瞬でした。
原因は、別系統と思われていたコンセントに繋がっていたコーヒーメーカーと電気ポットが同時に作動したことによるものでした。
何が原因で業務全体に影響を及ぼすのか、事前に全てを想定するのは本当に難しいですね。
事後対策になりがちになってしまう点を反省しなければなりません。
コンピュータ社会の落とし穴 ―― 想定されるリスク