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チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が11日、横浜市鶴見区の總持寺で講演した。1500人余の聴衆を前に、宗教の違いや宗教的な信心の有無を超えた一人の人間として「心の平和」を築く大切さを訴えた。
14世は「平和へのメッセージ」と題し講演。「宗教の信心にかかわらず、(地球に暮らす)70億人の一人として同じ立場にある。心の中に他者への愛や慈悲を育むことを日々実践しないといけない」と指摘。他者への思いやりがあれば、安らぎが訪れ、健康や家庭の幸福につながり、ひいては「人間社会全体が平和で温和になる」と述べ、一人一人の心のありようが平和に貢献すると強調した。「全ての宗教に対し、尊敬の気持ちを持つことが大切」とも述べた。
質疑では聴衆からの質問に丁寧に答え、「笑い」の大切さを指摘。「人は幸せになるために生きている」と説明した。特に宗教の枠を超えて全ての人を含めた「世俗の倫理観」という考えの重要性を強調。「思いやりの心は大きな輪の中で、誰もが受けるべき普通教育を通じて教えるべき」と繰り返し訴えた。
(神奈川新聞2015年4月12日)
4月11日、大本山總持寺でダライ・ラマ法王14世の講演が行なわれました。
總持寺ご到着からご出立までのご様子の一部をここにご紹介させていただきます。
講演当日、大本山總持寺佛殿に到着されたダライ・ラマ14世法王は、佛殿のお釈迦さま礼拝されました。
佛殿のお詣り後、監院寮にて昼食懇親会。
曹洞宗の食事作法に則り、五観之偈を皆で唱え、点心飯台となります。
食事の間も、
「ナーランダ仏教に基づく瞑想には分析的な瞑想と一点集中という二種類の瞑想がありますが、曹洞宗では分析的な瞑想は一切されないのですか?」
「金剛般若経や、八千頌般若経はお唱えになりますか?」など、興味深い熱心な質問をされておりました。
また、精進料理について「仏教の戒律では修行の上では葱や肉、魚などは仏教的な観点からは言うと肉や玉葱、大蒜などは食べてはならないということがありますが、戒律に基づいて言うならば、自分が望んで食べるということは戒を破ることになるが、レストランに既に出来上がったものであれば食べても良いのです。また、タイ、ビルマ、スリランカなどの上座仏教でも托鉢の鉢にいただいたものは戴くのです」というような話題で和やかな食事会となりました。
それにしても、ダライ・ラマ法王は本当によくお召し上がりになります。
精進料理のお膳を再進され、揚げ昆布もお気に入りだったようでした。
パワーの源はよく食べることなのかもしれません。
点心飯台後、侍局にて江川貫首禅師と親しく相見されました。
ダライ・ラマ法王からは仏像とカタ、そして色紙が贈られました。
色紙には「21世紀を生きるすべてのものが仏教の教えを実践することができますように」「佛法僧の三宝の加持を得て、幸せを達成することができますように」
釈迦の比丘、ダライ・ラマ 2015年4月11日
と書かれています。
そして、この後大祖堂での記念講演「平和へのメッセージ」が始まりました。
大本山總持寺二祖峨山禅師650回大遠忌報恩授戒會の記念講演として「平和へのメッセージ」が開催されました。
千畳敷の大祖堂が埋めつくされるほど多くの方々が法王のメッセージに真剣に耳を傾けています。
質疑応答では一つ一つの質問に時間を取って丁寧にお答えいただきました。
講演終了後も会場の一人一人に会釈をされ、握手をされながら退堂されました。
他派の宗教を尊重される姿、丁寧に釈尊に礼拝される姿、皆に平等に接する姿などなど、8年前にお会いしたダライ・ラマ法王と何ら変わりがありませんでした。
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