全国の寺院に太陽光発電があると

毎日暑い日が続きます。
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ここのところ晴天の日が多いので、貞昌院の太陽光発電設備は毎日フル稼働です。
写真は、つい先ほど撮影した貞昌院の多結晶パネル。表面に見える模様が多結晶パネルの特長です。


【貞昌院発電設備の概要】

設備容量  5.544kw
年間発電量 5,693kwh
発電パネル SHARP NE-132AK (1200mm×802mm) 42枚


さて、地球に到達する太陽エネルギーは大気圏外で1m2当たり1.38kW、地表では、1m2当たり1kW程度となります。

貞昌院の太陽光発電パネル、NE-132AKは、一枚あたりのパネル面積 1.2m×0.802m=0.962m2
モジュール変換効率は 13.7%なので、一枚当たりのピーク発電量は 0.962×0.137 = 0.132KW = 132W ・・・・・・・・・
このパネルが42枚あるので、 42×0.132 = 5.544 kw
つまり、5.544Kw のシステムということになります。


実際には、太陽光の照射角は鉛直でないことや、曇天の影響はありますが、貞昌院のこれまでの実績を見るに、ほぼ理論値に近い数値は出ています。


太陽光パネル多結晶タイプでの変換効率は概ね14%程度ですから、地表にパネルを敷き詰めた場合、南中前後の晴天時には 1m2 あたり 0.14Kw 程度の発電が見込まれるということになります。


さて、全国には、寺院の数はどれくらいあるかというと、平成18年現在で約7万7千となっています。

■関連トピックス
お寺とマックとセブンイレブン

仮に、この寺院全てに 10Kwの太陽光発電設備を設置した場合には、77万Kwの発電所を設置したのと同等になります。
(ただし、この発電量は一日中確保できるわけではなく、日中、晴天かつ太陽が南中している時の値です)

当然、夜間は発電しない訳ですが、電力消費のピークは晴天時、昼過ぎに訪れますので、ピークカットには大いに貢献します。
つまり、発電設備は、想定される最大電力消費をもとに設置運用されるわけですが、最大電力消費が抑えられる分、余計な発電設備が不要となります。


本年は特に新潟県中越沖地震で、柏崎原子力発電所が停止する事態になっています。
日本の発電は、原子力発電所にたよる現状にありますが、原子力発電所の安全性にも疑問がありますし、一箇所集中での大規模な発電設備というシステムも、被災により全体が麻痺するという脆弱性も露呈しました。


東電:夏の電力綱渡り 柏崎刈羽原発停止命令で


新潟県中越沖地震で火災を起こした東京電力柏崎刈羽原子力発電所が、柏崎市から使用停止命令を受けたことで、同原発はこの夏の運転再開の見通しが立たなくなった。このため、東京電力は18日、主要電力会社6社に9月までの電力融通を要請した。6社は管内の需給バランスを見極め融通電力量を決める方針。夏の電力需要期を迎え、天候次第では全国的に需給が逼迫(ひっぱく)する可能性もあり、東電は綱渡りの供給体制を続けることになりそうだ。
要請先は、東北、中部、関西、四国、中国、九州の6電力。東電は03年にもトラブル隠しの影響で多くの原発が停止したことから、北海道、関西など5電力から最大計163万キロワットの融通を受けている。
東電は今夏の最大電力需要を、気温が平年並みの場合で約6110万キロワット、記録的猛暑の場合は過去最大となった01年並みの6400万キロワットを想定している。一方、柏崎刈羽原発からの供給は最大で計465.6万キロワットを見込んでいた。計画通りに行けば、平年並みの場合で417万キロワット、猛暑の場合でも火力発電などを追加することで192万キロワットの発電余力(供給予備電力)を確保できるはずだった。しかし、同原発の停止で予備分が消し飛んだだけでなく、ピーク時の電力需要を賄えない計算になった。
主要電力会社10社で構成する電気事業連合会は、今夏の最大電力を1億8000万キロワット、供給力を1億9800万キロワットと予想。予備力は1800万キロワットと想定していた。柏崎刈羽原発分を除いても10社全体では、予備力を確保できる計算になる。
しかし、北陸電力でも原発2基が全面停止。さらに、今冬の記録的な暖冬で積雪が少なかったため、水力発電用の貯水量も今後の雨量次第では不足する可能性がある。一方、需要は景気拡大で産業用が伸びており、需給関係は予断を許さない状況だ。
(毎日新聞)



太陽光発電に限らず、自然由来のエネルギーにより電力を分散的に発電させるシステムというのは、災害時にも大いに役立つはずです。
これを機に、太陽光発電設備普及促進のための政策を進めて欲しいものです。

現状は、これに反し、太陽光発電パネルの高騰、設置に対する補助金の減額という状況でありますので、敢えてこの記事を書いてみました。

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ここからは、蛇足かつ机上の空論ですから力を抜いて読んでください。

全国曹洞宗の寺院、一か寺あたりの土地面積を1万5千m2とします。
全国に曹洞宗寺院は1万5千か寺ほどありますから、

15,000 m2×15,000 か寺=225,000,000 m2

約2億2千万m2もの土地面積。
この土地全体に降り注ぐ太陽光のエネルギーは、ピーク時には約2億2千万 Kwにも達します。

東電の今夏の最大電力需要予測は、上の新聞記事によると約6千万Kw強ですから、それを賄うに余りある太陽光エネルギーが日本全国の曹洞宗寺院境内に降り注いでいるわけですね。


■関連トピックス

太陽光発電の醍醐味は5月にあり


エネルギー白書(資源エネルギー庁)

投稿者: kameno 日時: 2007年8月 9日 08:14

コメント: 全国の寺院に太陽光発電があると

私はすごく太陽光発電に興味はあります 今これだけ地球温暖化って言われてるのに北電の方々は太陽光発電つけないのですか?
すごく疑問に思います 自分たちから電力会社の職場だからですか 発電しないからですか 売れないからですか 昨年まで国も力いれてました 今は都道府県で補助金制度してますけど北電の方々のやり方は汚いと思います 太陽光発電に興味ある方々に対して発電できないとか売電できないとか言わないでほしいし無関心すぎます だから電力会社皆様が太陽光発電取り付けるのであれば考えます もちろん良いものだと自信もってすすめていきたいです 北電の方々は温暖化なんってどぉーでも良いって思ってるかもしれませんが考えるべきです そして温暖化を止めるべきだと思います

投稿者 まい | 2007年9月10日 18:05

まいさん
太陽光発電に限らず、環境にやさしいとされる新エネルギーの普及促進には国や地方公共団体、そして電力会社が積極的に施策を進めていく必要があると私も思います。
太陽光発電については、1994年度2.7万kw、2000年度約40万kw、2010年度 約460万kw。(新エネルギー導入大綱」及び総合エネルギー調査会基本問題委員会中間報告)。
このような目標を達成することがまずは大切です。

投稿者 kameno | 2007年9月11日 22:30

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