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2004年3月に、次のような報道がありました。
良寛町が新たに誕生
来年春の合併を目指している新潟県出雲崎、与板両町と和島村の三町村は新しい町名を「良寛町」とすることを決めました。良寛(1758-1831)は江戸時代後期の僧侶で、歌人、詩人、書家としても知られ、名誉や権力にとらわれず、人と自然を愛した生き方は今も「良寛さん」として多くの人に親しまれています。良寛は現在の出雲崎町の名主兼神主の家に生まれ、和島村で晩年を過ごしました。与板町は良寛の父親の出身地で、それぞれ「良寛さん」に縁のあることが新町名の決め手になりました。
しかし、同年10月には、三島郡3か町村の合併協議を継続することが困難な状況となり、与板町、和島村、出雲崎町の3町村議会での合併協議会廃止議案の可決を受けて、ついに11月に合併協議会が廃止されることとなってしまいました。
本当に残念です。
その経緯をまとめると、次のような流れになります。
・三島郡三島町と4町村で検討会設置:2001/11/2
・三島町が合併協議から離脱:2002/5/1
・3町村で任意協議会設置:2002/6/27
・法定協議会設置:2003/7/10
・合併予定期日:2006/3/31以前
・新町名公募上位10点:出雲崎,良寛,てまり,与板,いずもざき,りょうかん,さんとう,良寛の,いろは,三和(さんわ)
・新町名最終候補3点:出雲崎(いずもざき),たちばな,良寛
・新町名:良寛町(りょうかんまち)
・新町役場:現・与板町役場
・与板町の合併に関する住民アンケートで「合併反対」が多数
・与板町で合併問題に関して,与板町長に対する解職請求(リコール)の署名活動,与板町長が辞職(2004/5/31)→再選(6/27)
・出雲崎町議会は3町村での合併に慎重
・出雲崎町が合併協議から離脱を表明(10/15),単独町制継続へ
・和島村の長岡市との合併の是非を問う住民意向調査の結果「賛成(68.6%)」「反対(22.7%)」「その他(8.8%)」(2004/11月)
・和島村が長岡市に合併協議を申入れ(11/13)
・3町村での合併を断念,協議会を解散(11/19)
・合併協議会が破たん
・与板町の長岡市との合併の是非を問う住民投票の結果「賛成(82.1%)」「合併しない(17.9%)」(2004/12/26)
・与板町,和島村はは長岡市との合併を検討へ参考:三島郡3か町村合併協議会
http://www3.alpha-net.ne.jp/users/washima/
結局、市町村合併によって、どんな区分けになりそうかは、 小事象【SHO JISHO】さんのブログが参考になります。 http://d.hatena.ne.jp/rikuo/20050320 |
さて、良寛さんは、江戸時代に越後の国で活躍された曹洞宗のお坊さんです。
多くの逸話が残されておりますが、その話はどれもおおらかで、ユーモアにあふれ人々の心をなごませています。
子どももたちとの手毬遊びが有名ですが、漢詩をつくり、和歌を詠み、書に親しんだ文学者としても慕われています。
どれだけ慕われているかは、市町村名に挙げられていることでもよく分かります。
良寛さんの暮らしぶりは、並々ならぬ修行の毎日で、それはそれは質素で苦しいものだったに違いありません。 けれども、その厳しさは、逸話の中や作品の中に微塵も感じさせません。
私たちは、良寛さんの生きかたに大いに学ぶことがたくさんあります。
昨日、「愛語」に関連していくつかの詩をご紹介いたしましたが、まさに良寛さんは、「愛語の人」であったのではないかと思います。
そのあたりは、「越後の良寛・愛語の思想」(小林正観)に良くまとめられています。
http://www.jtb.co.jp/story/unchiku15_1.html
http://www.jtb.co.jp/story/unchiku15_2.html
http://www.jtb.co.jp/story/unchiku15_3.html
↑人生50年を他人に嫌がらせをし、嫌われ、すねてひねくれて、迷惑をかけ続け、それを言われるとますます意地悪になる人がいる。そのような人を30分で真人間にする・・・・・
ごくせんのヤンクミよりも、もっともっと凄いですね。
良寛さんは、「戒語」において、如何に相手を思いやりながら会話を進めるかを述べています。
人との会話の中で、相手の話を遮ったりしながら、そのことに気づかないことは多いものです。
逆に、相手の話をじっくりと聞いてあげることは、相手に対する思いやりでもあります。
会話を和やかに、流れるがごとく進むように、きちんと相手の話が終わるのを待ってから自分の話を始めるという心がけが大事かを「戒語」の中で箇条書きにして具体的に事例を挙げています。
いわば、「愛語」の裏返し版ともいえます。
「戒語」 言葉の多き |
参考文献:良寛の愛語・戒語 谷川敏朗(著) 考古堂
「戒語」のこと存じませんでした。どれもこれも当てはまる事ばかりです。
家の妻にぞんざいな話し方をすると、嫌がられるので言葉使いには注意をします。この調子で全てに人に接すれば良いのでしょうが、修行の至らぬ身にはなかなか難しいことです。
投稿者 usagi | 2005年3月21日 03:27
十重禁戒の一つに「不自讃毀他戒(ふじさんきたかい=(自分を誉めない、他人を謗らない )」があります。
戒に難易をつけることは出来ないかもしれませんが、恐らく最も簡単そうに見えて一番難しい戒めなのかもしれません。
思ったとおりにならない、気に入らない、誰々が嫌いだ、という前に、自分のことばや態度が相手に不快な思いをさせていないだろうか相手を傷つけたり、攻撃的にさせたりしていないだろうか、私も今日のトピックスを書きながら自省することしきりです。
投稿者 kameno | 2005年3月21日 11:56